もちろん

そこには



冷たい夜が

よこたわっている




わたしは

冷えた空気に触れられては

悲鳴を

あげる



しかし





ものいわぬひとの

よこたわっている

空間は



わたしの

体感する


冷えた空気よりも


もっと

鋭いのだろう




小さく

粉々の


形状にも



わたしは

きっと


意思を

読み取ることが

できるのだ





夜を


めくって




そっと


盛り場を

覗き見る




はるか

すぎさった

時間の




ぬるく

心地よい


春の風が





わたしを

さそうよ