窓辺によると


あなたの

愛が

見える気がする





静かな夕暮れを

たまに

ガラスの向こうに

見るとき





あなたに抱かれた

記憶はないのに


あなたの

あたたかい

懐が恋しくなる




どんなに

遠くに

いってしまったろう




あなたは

みんなに

等しく

愛を

与えはしなかった




記憶の中は

じゃけんにされた

記憶でいっぱいなのに



それでも


弱ったこころは

あなたを求める


行く先に

絶望を感じては

あなたを求める


壊れてしまった

感性が

あなたを求める



わたしが

目をとじても

あなたと

交わることは

ないけど



それでも

目をとじて


わたしを

慈しんでくれただろう

そのことを想う


あなたと命は

こうしてつながっているのだから


愛情不足なことは

なかったのだろう




それなのに


いない

あなたに

欠けた心の

形を求めてしまう




重い空洞を

抱えて

あなたを想う