水墨画の
けむる佇まい
濃いかげ
淡いかげ
木立からの雫
首筋に落ちて
たくさんの
後姿が
重なり離れ
旅立つ日の
言葉の
耳に残る
どこにいても
同じ
何も変わらない
そして
変わらないものなんて
何一つ無いことを
強く心に刻んだ
春の雪は静か
音も無く
心の深くをくすぐる
乾いた春の
うわべに
ぬれた春をのせて