花びらが

恥じらいを持った

娘のように

精いっぱい開いて



向けられた

視線を

知っていた




差し出されたかわいい鉢を

受け取って窓辺に




脊は見上げるほどに高く

えくぼが若いと感じさせて


まぶしい




思わせぶりは

罪だからと


薄い壁を張る



壁の距離感は


危険から

互いの身を守る




憧れなんて

長続きもしないと


壁は日ごとに高く

累々と


窓辺の鉢は

いくつかの春をめぐって

枯れてしまったのを

君は知らない







街の花屋の前を通り

かすかな胸の疼き


自然の隔たりを懐かしく思う


通り過ぎた花屋に急いで戻り



二鉢のジュリアンを求めた


バラに似せた絞りの

芳しき




オレンジそしてホワイト

芳しき