空気中の水分が
結晶して
すべて
とどまった
その中に
古い時計を
見上げた
一年のときはゆっくり
巻き戻り
細切れに
その表情を変える
このころ
わかっていた
離れていく
クレイジーの
背中を
みつめていたんだ
深い蒼の底に
身を横たえる絶望が
確かにそこにはあった
全身でそれを感じては
悲しんでいた
不惑に
飛び込む人は
何もかも
忘れたかったのかもしれない
古い時計は
わたしを 決して
忘却へといざないはしないのに