今日は旅支度で
張り切ってうちを出た
雨上がりの路面はぬれてしっとり
歩いて15分
そして列車のひとに
あとひとえきで目的地
私といえば耳にはTAMAKI
手には「真珠色のコーヒーカップ」
一人で4人がけに
すわっていた
いきなり
高みから私を覗き込む、男の人?
笑いかけるその笑顔に見覚えが
見上げるわたし
おや、いい男?
「ああ~どうぞ、座って…あれ?N少年?」
「今年3年だよね。進路は?」
すると来年は大学生
努力して入って
がんばってなどと
やがて
私の降りる駅が近づいて…
「良く声かけてくれたね。ありがと、かけてもらわなかったら、わからなかったかも」
「好きっスもん。だって。。。俺たち仲よかったじゃないですか…」
「いやぁ、好きといわれても…」
なんていって 思い直した
こんなにお客さんが乗っている中でいってくれたのにね ごめんごめん
だから言った わたしも
「わたしも好きだよ」って
ありがたいな
みんなに誤解されそうな言葉を列車の中で
ついそれを気にして
ちゅうちょしたわたしがわるかった
あのころの気持ちを
14の気持ちを
大人に近いいま
投げてくれる
気恥ずかしい照れくさい
でもとてもうれしかった