< このブログではニュースをご紹介していますが、筆者が紹介したいと思うものを選んでおり、全ての記事を公平平等にご紹介しているものではありません。また文中意見は筆者個人のものであり、同意できない方と議論するつもりはありません>
トロントより
おはようございます。
トロントの住宅問題はますます深刻になっています。
購入する住宅は、物件が少なく価格も一般家庭が購入できるレベルでありません。コンドミニアム(集合住宅)建設も進んでいますが、どれも高額物件で低中所得層の人が入れるものではなく、問題解消にはなりません。
コロナ禍では、テレワークなどの普及でトロントを出て校外に移住する人が増えたことや、新規移住者や留学生などがなかったことから、市内の住宅需要はやや落ち着き、それは賃貸アパートなどにも影響が見られ、借手市場となっていました。
コロナがほぼ収まり、職場復帰が始まる一方で金利は引き上げとなったことから、住宅購入を様子見として、一旦市内の賃貸物件に住むことを検討しているケースが増えたことや新規移住者・留学生ワーキングホリデーの若者などが戻ったこと、さらに、そうした動向を見据えて、住宅の改装、小部屋を作り賃貸に出すケースや、これまで賃貸に出していた物件を家族・親族で使うといったケースが多くなっているようです。
その影響を受けているのが、この女性のような年金暮らしの高齢者。
この女性は、長年住んでいたアパートを出されることになったそうです。年金での一人暮らしで、幸いにも月1000ドル以下のアパートで暮らしていたそうですが、そのアパートが売りに出され新しいオーナーは、改装して家族・親族で使うということから、彼女は住めなくなってしまいました。
年金暮らしで収入が限られているために、最大工面できる賃料は月1500ドルまで。しかし、今市内の小さな部屋(Bachelorタイプ)の平均賃料は1937ドル。それさえも、見つけることが難しい状況で、大変困っているそうです。
こうした高齢者に加え、日本人留学生やワーキングホリデーの若者も住居確保ができずに困っているという話を昨日行われた総領事館主催安全対策協議会で伺いました。日本の賃貸相場から考えれば、こちらの住居費はとてつもなく高いものですがそうした情報を調べないまま、こちらに来る若者が多いようです。現実的に、今、トロント市内では、一人住まいのアパートとなると月2000ドルは覚悟しなくてはなりません。
大変住みにくい都市になりましたが、解消の見通しは立っていません。
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