< このブログではニュースをご紹介していますが、筆者が紹介したいと思うものを選んでおり、全ての記事を公平平等にご紹介しているものではありません。また文中意見は筆者個人のものであり、同意できない方と議論するつもりはありません>
トロントより
おはようございます。
住宅市場が沈みかけているようです。
住宅バブルと言われて15年以上になりますが、リーマンショックの影響も最小限、その後海外投機家による不動産投機の対象になり、コロナによる史上最低金利(0.25%)で資金が市場にあふれ、バブルをさらに膨らませました。
結果、トロント市及び近郊では、普通の古い住宅が1ミリオンを超えるという異常な住宅市場になり、つられて賃貸相場、コンドミニアムなどの集合住宅も高値になりました。続々と建設される新規住宅も高値で推移し、とても一般世帯が買えるものではなくなっています。
しかし、コロナ収束が見え、停滞した経済を再起させようとした矢先、サプライチェーン分断、エネルギー供給問題、不作による食料問題など物価高騰が起き、それを抑えるために、金利引き上げ策が取られています。
金利引き上げは景気後退を生むと言われていますが、それに加えローン金利引き上げとなり、家計債務を直撃しています。
もともとカナダの家計債務は先進国の中では、韓国と並び世界最悪となっており、行き詰まるのは時間の問題と言われていましたが、金利引き上げはそれを前倒しにしたことになりそうです。
金利引き上げは、家計債務の返済を増やします。低金利時に限度ギリギリでローンを組んだ家計では、金利引き上げによって返済不能になるケースが出てきます。返済不能になると、住宅の放出しか手がなく、市場に供給されます。供給が増えれば、需要者(買い手)が減らない限り、価格は下がります。すると、担保価値が下がり、またそれは住宅ローン限度に跳ね返ってきます。この繰り返し、悪循環が起きることになり、住宅市場はますます沈んでいくことになります。
実際に、既に住宅価格は下落を続けており、今年も下がる見通しです。
更なる金利引き上げには、ちょっと懐疑的な意見も出始めましたが、すぐに金利が下がり始めるのは期待できない状況です。
住宅価格、金利、家計債務、景気後退、雇用不安、などなど経済と住宅市場の先はまったく不透明といえるのではないでしょうか。
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