Never land Forever ・・・see you! | ・・・・・・・KAKUTAの桑原裕子さんのデエトブログがいずれは引っ越しするお部屋です。

Never land Forever ・・・see you!



ピーターは一人で飛んでいるわけじゃありません。
スーパーサイヤ人ではないので飛ぶのにはある力が必要です。
もはやご存じない方は居ませんね?
飛ぶのに必要なのは、楽しいことを考えることと、もうひとつ。
そう、妖精の粉です。



と、いうわけで、こちらが妖精の皆さん。フライングチームCCCです!

彼らが上腕二頭筋をはじめ、筋肉とまごころをフルに使って、ふうかピーターを飛ばしているんですね。
私のとなりにいる真ん中のボスが松藤さん。ピーター飛ばして24年。
チームメンバーにはめちゃくちゃ厳しいですが、それもこれも、人の命を預かるからこそ。
「俺は、本当にラッキーです。メンバーは俺の宝」と私に教えてくれました。
だから、どんなに松藤さんが怒っても、次の瞬間には笑い合っている方々です。
男だぜ!!ブロマンズだぜ!!かっこよくて気さくなCCC!!

さて、そんな松藤さんが、大千秋楽の前日、帰りがけに私へ手招きして言いました。
「バラさん、明日、これやるから」
松藤さんが指さしたのは明日のタイムスケジュールを書いた張り紙。
そこに書いてあったのは・・・、

9:45 桑原さんFLY!

えっ

い、い、い・・・・・、

いやったーーーーーー!!!

ええっ、ホントに飛ばしてもらえるのですか?!!
イヤ、そりゃ、飛んでみたかったですよ。というか、ネバーランドの住人ならば誰だって飛んでみたいですよ。舞台上空のビッグスウィングに、客席フライング・・・それはもう、夢ですよ。

だけど、演出家が、この恐ろしくハードなスケジュールの合間を縫って、「私も飛ばせてください」なんて、たまさか、言えませんわな。
というか、願って良いことだとも思ってませんでした。
だけど・・・そんな夢が・・・叶っちまった・・・‥!
演出家なのに・・・・・すんません・・・・・!!!

まったく、嘘みたいな話ですが、そんなわけで私、飛びました。
萌乃ウェンディ、ふうかピーター、そんでもって私、でビッグスウィング。

三人で飛んでいるとき、
「バラさん、手のつかみ方が違う!もっとしっかり」とか、
「ほらバラさん、ここで台詞ですよ」などどいって笑う二人を見ていたら、どうしようもなく泣けてきた。飛びながらめそめそしてしまった。
いつの間に、この子らは、こんなに強くなったのかしら。

そしてなんとまあ、客席まで飛ばしてもらっちゃいました!!!

それはそれは素晴らしい体験でした。
萌乃やふうかと飛んだ写真は諸々理由合ってアップできないのですが、シルエットの、これくらいは許してもらえるかしらん?



わたし

ワハハハハ、とんでいる!!!
アイキャンフライ!!!
アイムフライング!!!

客席では、キャストやスタッフがカメラを構えて見守ってくれました。
そのうれしさと言ったら。
空から見る劇場の美しさったら。



本番と同じく、インディアンの二人が、地上へ戻ってきた私をキャッチしてくれた。
そのときの信頼感と言ったら。ほんとにかっこよかった。
フライングは、まったく怖くありませんでした。
CCCが飛ばせてくれてるんだと思うと、このインディアンたちがキャッチしてくれると思うと、何も心配要らないのでした。

ふうかピーターは、この景色を毎日、どんな気持ちで見つめていたんだろう。そして、これから何度、この景色を見つめていくんだろう。
できれば、できるかぎり、たくさんたくさん、この景色を眺めていてほしい。

一生忘れられない、そんな朝から始まった大千秋楽。
飛ばしてもらって感涙した後は、

黒服に着替えて、千秋楽だけのお楽しみ、舞台袖探訪。
もはやだめ出しする必要がない千秋楽では、毎年舞台裏の様子をこっそり覗きに行かせてもらいました。


コチラが大好きな舞台監督、ニヘイさん
右はニヘイさんのお気に入り、演出助手のタムちゃん


フライングスタッフや演出部の働きぶり、キャストの頑張りを、邪魔にならないところで見させてもらおう・・・と思ってたら、チョウチョを登場させる役割を仰せつかったり(一匹だけやたら元気な蝶がいた、とだめだしをされた)、ウェンディハウスの道具を手渡したりと、こっそり演出部が仲間に入れてくれてお手伝いさせてくれました。

海賊が登場するときに高台の舞台を下で押さえてたら、「演出家がなにやってんだ」と皆に笑われ、ホントに良い体験をさせてもらいました。




というわけで、しつこくアップし続けたネバラン小話もラスト。
未だになるしー(13歳のくせに)が作成してくれたネバーランドLINEのグループでは誕生日祝いやホームシック(?)の声が毎日溢れていますが、皆それぞれに、次の場所へと歩いています。
だからここで、しばしの別れだネバーランド。

なにもかも、瞬く間に過ぎていって、



スタッフさんたちにゆっくりお礼をいう間も、


(嗚呼、ちあきちゃんぶれてごめん)

気が済むまでお喋りする時間もありませんでした。

けれど、不思議なくらいに、思い残すことは何もないし、



しんどかったぶんだけ、楽しかった。



大人も子供も汗だくで挑む、この舞台に参加できたことを、

心から感謝しています。

日本でこの先も、何十年先も、ピーターパンが上演され続けますように。



また行くわ、ネバーランド。