93『怪物の木こり』(2023公開:三池崇史)

12/2 イオンシネマにて舞台挨拶ライブビューイング鑑賞。

「怪物の木こり」という絵本に出てくる怪物の仮面を被った犯人が斧で相手の頭を割り、脳を奪い去るという連続猟奇殺人事件が発生。犯人は次のターゲットに弁護士の二宮彰(亀梨和也)を定めた。しかし二宮の本性は、犯人をも上回るほどの冷血非情なサイコパスだった。犯人はなぜ脳を奪い、なぜ二宮を標的にしたのか。事件の捜査が進められるなかで、警視庁の天才プロファイラー・戸城(菜々緒)、二宮の婚約者の映美(吉岡里帆)、二宮の協力者で自身もまたサイコパスの外科医・杉谷(染谷将太)、そして過去の殺人事件の容疑者・剣持(中村獅童)ら、さまざまな人物の思惑が複雑に絡み合い、事態は次第に混迷していく。

 

94『隣人X  疑惑の彼女』(2023公開:熊澤尚人)

12/4 新宿ピカデリーにて鑑賞。

故郷の惑星の紛争によって宇宙から難民として地球にやってきた「X」と呼ばれる生命体が世界中に溢れ、各国がその対処に苦慮する中、日本はアメリカに追随するように彼らの受け入れを決める。Xは人間にそっくりな姿で日常に紛れ込み、人々はXを見つけ出そうと躍起になって社会に不安や動揺が広がっていく。そんな中、週刊誌記者の笹憲太郎(林遣都)はX疑惑のある柏木良子(上野樹里)の追跡を開始。自身の正体を隠しながら良子に接近し、ふたりは徐々に距離を縮めていく。やがて良子に対して本当の恋心を抱くようになった笹は、彼女への思いと罪悪感、記者としての矜持に引き裂かれそうになりながらも、ある真実にたどり着く。

 

95『宮松と山下』(2022公開:関友太郎・平瀬謙太朗・佐藤雅彦)

12/8 WOWOWにて鑑賞。

エキストラ俳優の宮松(香川照之)は、時代劇で弓に射られたり、大勢のヤクザの1人として路上で撃たれたり、ヒットマンの凶弾に倒れたりと、名もなき殺され役を演じてばかりいる。慎ましく静かな日々を送る宮松だったが、実は彼は過去の記憶をすべて失っていた。自分について何も思い出せないまま、毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続ける彼のもとに、ある日男が訪ねてきて……。

 

96『PERFECT DAYS』(2023公開:ビム・ベンダース)

12/23 TOHOシネマズ府中にて鑑賞。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

 

97『恋のいばら』(2023公開:城定秀夫)

12/24 WOWOWにて鑑賞。

図書館に勤める富田桃(松本穂香)は、自分を振った元恋人・湯川健太朗(渡邊圭祐)のSNSを見て、彼に真島莉子(玉城ティナ)という新しい恋人がいることを知る。自分とは正反対の洗練された莉子に興味を抱いた桃は本人を特定し、ある理由から彼女に直接会いに行く。桃は莉子に、健太朗が撮った自分との秘密の写真データを取り返したいと話し、桃と莉子は秘密の共犯関係に陥っていく。

 

98『ほつれる』(2023公開:加藤拓也)

12/28 Amazon primeにて鑑賞。

夫・文則(田村健太郎)との関係がすっかり冷え切っている綿子(門脇麦)は、友人の紹介で知りあった男性・木村(染谷将太)と頻繁に会うようになる。ある日、綿子と木村の関係を揺るがす決定的な出来事が起こり、日常の歯車は徐々に狂い出していく。

 

99『オットーという男』(2023公開:マーク・フォースター)

12/30 Amazon primeにて鑑賞。

町の嫌われ者でいつもご機嫌斜めなオットー(トム・ハンクス)。曲がったことが許せない彼は、近所を毎日パトロールしてはルールを守らない人に説教を垂れ、挨拶をされても仏頂面で、野良猫には八つ当たりをするなど、面倒で近寄り難い存在だった。しかし、そんなオットーも人知れず孤独を抱えている。最愛の妻に先立たれ、仕事も失った彼は、自らの人生を終わらせようとしていた。ところが、向かいの家に越してきた陽気な女性マリソル(マリアナ・トレビーニョ)とその家族が、なにかと邪魔をして、死のうと思っても死ぬことができない。しかし、そんな迷惑なはずの一家の出現が、彼の人生を変えてくことになる。

 

100『7人の女たち』(2022配信:アレッサンドロ・ジェノベージ)

12/30 Netflixにて鑑賞。

舞台は1950年代のイタリア北部。雪が降りしきるクリスマスイブの朝、森の中の豪邸で、家長・マルチェッロの死体が発見された。背中からナイフで一突き、血まみれで自室のベッドの上にうつぶせに倒れている。雪に閉ざされた密室状態の屋敷にいるのは以下の6人。全員が容疑者だ。マルチェッロと25年連れ添った妻マルゲリータ(マルゲリータ・ブイ)。マルゲリータの実母ラケーレ(オルネッラ・バノーニ)、足が悪く車椅子で生活している、酒浸り、どケチ。マルゲリータの妹アゴスティーナ(サブリナ・インパッチャトーレ)、文学少女がそのまま大人になった、男性とつきあったことがない。マルチェッロ&マルゲリータの長女スザンナ(ディアナ・デル・ブーファロ)、ミラノからクリスマス休暇のために帰省した。スザンナの妹カテリーナ(ベネデッタ・ポルカローリ)、10代。3カ月前に雇われたメイドマリア(ルイーザ・ラニエリ)、料理上手。電話線が何者かによって切断されて警察に通報することができなくなり、車の配線も切断されて身動きが取れなくなる。お互いへの疑心暗鬼が強まっていく中で、紫色のコートをまとったブロンド美女、ベロニカ(ミカエラ・ラマツォッティ)という女性が現れる。

 

★12月に読んだ本

『アミュレット ホテル』方丈 貴恵

『准教授・高槻彰良の推察9 境界に立つもの』澤村 御影

『さよならドビュッシー 前奏曲~要介護探偵の事件簿』中山 七里

『どこかでベートーヴェン』中山 七里