数学最強トーナメント -10ページ目

数学最強トーナメント

数学最強を決める熱い戦いが今、始まる

国際数学オリンピック。

世界中の数学好きの知の祭典は、今や武の頂点を決める場ともなっている。

その過酷なルールにより毎年大量の死者を出すことで有名である。
中でも最も恐ろしいのは決勝戦バトル・ロワイアル。
10人にまで絞られた数学の達人達による己の全てをかけた殺し合い。

勝ち残ったその年の金メダリストですら癒えぬ傷を負い、翌年からは参加出来ないと言われるこの大会にある年事件が起こった。




……圧倒的強者の出現。


その年のバトル・ロワイアルは開始10秒で決着した。
以降5年間メダルを取り続けたその男の名はー




ピーター=フラクタル。





町外れに、一人の男がいた。

「うおおお!数学最強トーナメント、楽しみだぜえええっ!」

光速の機関銃・真北信二


その言葉をとある英国人が聞きつけた。いや、聞きつけてしまった。


ピーター「数学最強トーナメント?失礼ですが詳しく聞かせていただけないでしょうか」
真北「あん?いいぜ。天皇陛下が数学最強は誰か決めるためにトーナメントを開くんだよ」
ピーター「なるほど。ワタシも参加できますかね?」
真北「はっは、残念だったな、もう締め切ったみたいだぜ、受付は。まあ俺様の餌食にならずに済んだと思って諦めるんだな」
ピーター「ほう、つまり参加辞退者が出ればワタシも参加できると」
真北「お、まあそうなるかもな」
ピーター「それでは失礼します」

そう言うと英国人は両手を前に出した。

真北「俺様から出場枠を奪おうってのか?おもしれぇ、喰らえよ、実数弾・マシンガン!!!!」


真北信二。フラッシュ暗算による高速計算で、通常成し得ない実数弾の10発同時・無限連射を操ることを可能にした。暴風雨のような実数弾の連射は一瞬にして一個小隊を全滅させてしまう。

その、機関銃の弾が、全て、一人の英国人に、放たれた!




ピーター「・・・」



…真北は目の前の英国人の前にいつの間にか球が浮かんでいることに気づいていた。それが次第に大きくなっていることにも気づいていた。

本能の大音量の警告。
実数弾の連射で圧倒しているようでいながら実は追い詰められているのは自分だということにも、気づいていた。

だが真北にはそれしかできなかった。

連射、それ即ち真北自身。
実数弾・マシンガンの敗北は自らの敗北を意味していた。


真北「木端微塵に、なりやがれーっ!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド





ピーター「少し遊びすぎましたかね。終わりにしましょうか、『発散』」

ピーターの前に浮かんでいた巨大な球体は、次の瞬間真北に突き刺さっていた。
莫大。
この英国人は先程からこの一撃のためにエネルギーを溜めていたのか。

否。そのエネルギーの正体は、真北が打ち続けていた実数弾であった。



狂気を極めし男・ピーター=フラクタル(極限)


真北の放つ実数弾を全て自分の手前に『収束』させていたのである。
嗚呼、哀れな真北は自分自身の誇りを懸けたそのエネルギーで自ら木端微塵になってしまった。
どこで間違えたのか。衝突の刹那、真北は振り返ったが答えは見つからなかった。
それもその筈。この英国人に出会った時点で真北の運命は既に決定していたのだから…



ピーター「しまった、死体を持っていかないと証明になりませんね。『収束』」





…英国人は「真北だったモノ」を携えて皇居に向かう。
トーナメント開幕まで残り5時間。