2022年9月19日 午前4:20

 

突然、僕のスマホに電話が入った。母からだ。

 

3時頃に目が覚め、台風接近で強風が吹き荒れ、

その音のせいか、なんとなく眠れずにいたので、

すぐに電話に出た。

 

もしもし。どしたん?

 

ごめん。家の中が荒らされとるんよ。ちょっと来てもらえる?

 

わかった。鍵とか開けんでええけん、そのままにしといてや。

 

多分妄想だろうな..と思った。

幻視であれば、母は結構な割合で、幻視と判断ができる。

本当に物が動いてる?良い予感は全くしない。

急いで実家に走った。

 

実家に着くと、部屋という部屋の電気が点いている。

 

鍵を開ける前に幾つか確認。

誰かが開けた形跡なし。

 

玄関の中で人の気配がある。

鍵を開け戸を開けた瞬間、立っていた母が、棒を振り上げた..

 

大丈夫。僕よ。

 

あんたかね。まぁ上がって見てみて。誰かが入って部屋が荒らされたんよ。

 

荒らされたのは、母の部屋だとの事。

母の部屋に入ると、小さな机が不自然な場所にあり、テレビの回転台も妙にせり出している。

 

ね。おかしかろ?この机は、寝る時はこっちに置きよるのに..

 

と、普段おいている場所を指さして、説明する母。

机を戻そうとすると

 

触られんよ。警察呼ばないかん。

 

うん。大丈夫。誰かが入った訳じゃないよ。

 

辛い..

今回は、どうしても現実を突きつけないといけない。

 
納得できていない表情の母。そりゃそうだろう..
 

玄関の鍵は閉まっとって、テープもそのままやったろ?

 
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去年秋頃だったか..玄関の鍵の閉め忘れが多発していた時期があった。

その時母は「自分は閉めたつもりなのに、開いていた」と言っていた。

その時に、

 

「じゃあ、カギ閉めた時に、テープ貼ってみる?

朝、鍵が開いていて、テープが無かったら閉め忘れやね」

 

戸を開けるとテープが剥げる位置に、テープを貼るように言った。

それを母はしっかり守るようになり、以降、習慣付いて、今も続いている。

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鍵は締まっていた。

そのテープは、外から貼ることはできない。

実家に着いた時、そのテープが剥げていない事は確認済み。

と、いう事は、夕方から今まで、誰も玄関を開けていない..

 

どうやって話を進めよう..
とりあえず、僕の動揺や落ち込みを、表に出してはいけない。

そう思いつつ、少しずつ話を進めた。