今日は夏至でした。

北海道の札幌は日の出が3時55分、日の入りが19時18分、福岡は日の出が5時9分、日の入りが19時32分と、札幌のほうが昼間の時間が1時間30分くらい長いのですね~

 

昨年の6月に札幌に行きましたが、3時過ぎに白々と夜が明けてびっくりしたものでした。

日の出が早いと日の入りも早くなるわけじゃなく、むしろ北に行くほど昼間は長くなり、5月から9月まで北極圏では「白夜」になるのです。

 

明日から少しずつ昼間は短くなり、早くも秋に向かうわけです。

これから夏本番なのに、自然とは摩訶不思議なものですね。

 

ニュースの隅っこに、ベニシアさんの一周忌という記事を見つけました。

 

NHKの番組「ネコのしっぽカエルの手」で、京都大原の古民家生活と、大原の人々の暮らしや自分で育てているハーブを使った料理、生活のための手作り品などを紹介する番組でしたが、人気が出るにつれて大原を訪れるファンが自宅にまで押しかけるようになり、家族や周囲の人たちにも迷惑がかかるようになったのだとか。

 

2009年から2013年までの放送当初は「京都大原 ベニシアの手作り暮らし」

その後は2013年から2023年までEテレで再放送が10年間続き、2016年に3年ぶりに新作が放送され、この時のみ「ネコのしっぽ カエルの手 2016」というタイトルがつけられたそうです。

2021年以降は再放送も終了し、時々あまり体調がよくないという話がどこからともなく聞こえていましたが、昨年の6月21日、72才の生涯を終えました。

 

1950年にイギリスの貴族の家庭に生まれ、19歳の時、貴族社会に疑問を持ち、家を出て20才で来日。

日本に来た当初は、英語教師をしていたことは番組でも観ました。

私と同年齢ということもあり、この番組は私も興味深く大好きでした。

 

夫の正さんは、ベニシアさんが亡くなられた年にも「だんだん病状が悪くなり、グループホームに入れたけど、コロナ渦の後、最後の9か月をまた大原に連れて帰って一緒に過ごせたことは何よりよかった」と書かれていました。

 

今日見た記事では、ベニシアさんの病気が「後部皮質萎縮症」という脳の病気とわかり、そのせいで失明し、続いて認知症の症状も出始めたため、このままでは家から離れられず自分も仕事ができなくなると追い詰められてグループホームに入れたのだそうです。

その時は自分のことしか考えていなかった、と正直に反省しています。

 

自責の念から毎日面会に行き、丁度その頃からコロナ渦が始まり面会も思うようにもできず、40日ぶりに面会できたときには日本語も「すみません」以外は喋れなくなり、英語だけの会話になっていたそうです。

心を通じ合える人との会話がないと、失語症のようになってしまうのですね。

 

外出許可が出るようになって時々は家に連れ帰り、友だちを招いてのランチ会などして楽しい時間を過ごした後でも、ベニシアさんは「施設に戻りたくない」とは決して言わなかったそうです。

迷惑をかけたくなかったので我慢していたのだろうと。泣くうさぎ

 

 

ついに2022年にベニシアさんも新型コロナに感染。

面会できなかった一か月の間に60キロあった体重は37キロに落ちていて、

 

 

病院から呼ばれて駐車場を散歩させていると、医師や看護師、理学療法士まで集まって来て「ベニシアさんは帰りたがっています。家で看護したらどうですか」と言われても「仕事もあるし」と渋ると「仕事なんてやめればいいじゃないですか」と言われたのだそうです。

 

びっくりしながらも、もう長くはないと宣告され、家を買って引っ越した時にベニシアさんが「この家を終の棲家に」と言ったという、愛する大原の家に連れて帰ったのです。

 

昨年の5月に再入院、その2週間のうちに生きる力が小さくなっているのを感じ、6月8日に退院。

「もう病院でできることはなくなり、僕はベニシアの手を握り締めて「大原の家に帰ろう」とできるだけ明るく言うことしかできませんでした」

 

「一年のうち最も太陽の力が強い夏至の日を、ベニシアは死ぬ日と決めたんです」

 

 

ベニシアさんが元気なころは正さんも山岳写真家として活躍されていましたが、ベニシアさんは日本語を話すことはできても読み書きは出来ませんでした。

 

本や新聞記事の原稿を正さんが翻訳、校正までしても、自分が撮った写真を使われても、注目されるのはベニシアさんだけ。

「ベニシアさんの夫」というのが、ひがみ、鬱屈となり、他の女性と暮らそうと家を飛び出したこともあったそうです。

 

病気になって異国の地で頼れるのは自分だけなのだとわかり、最後はベニシアさんを中心に生きることができてよかった、と言います。

 

誰にも訪れる「死」が、私もそんなに遠い日のことではなくなりました。

どちらが先になろうとも、最後は心穏やかに送り、送られるといいと思いますね。

 

 

今日はベニシアさんに、ハーブとお花を捧げます。

 

 

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