4月30日(火)
 
3日目の就寝前まで、「ドリエル」(睡眠導入剤)を持って来ていたことを忘れおり、こちらを服用したら目覚ましが鳴るまで眠りに就くことができた。
でも、ただ疲れていただけかもしれないw
 
3日目の朝までは特に問題無かったが、4日目の朝になって足全体が筋肉痛に襲われていた。
やはりあの過酷な焼山寺への山登りが相当応えたようだ。
だがしかし、今後の歩きにはほとんど影響はなく、元気に出発できそうだ。
 
あと、2日目くらいから両人差指に多少の違和感ありで、致命的な痛みではないので1日30kmくらいの歩行であれば問題ないレベルなのだが、右側は内出血まで起こしており、要するに指がそこだけ長い感じがするので真っ先にシューズのつま先に当たってしまうのだと思われる。
このまま放っておくのも何なので、何か対策をと思いついたのが、テーピングテープを小さく切って、人差指の爪から裏側へ引っ張るように貼り、シューズのつま先と当たりにくいように施したところ、これがビンゴで、3日目以降は痛むことなく歩くことができた。
マメに関しては、毎日ワセリンを塗ってたおかげでできることは無かったので、もしそれに苦しむお遍路さんがいたら、是非真似してもらいたい。
 

 

朝食
歩き遍路さんには嬉しい、バランスのとれた健康的メニュー
朝も宿泊者さんと会話しながらの楽しい時間を過ごした。
 
植村旅館さんは、部屋も風呂もトイレも掃除は行き届いているし、チェックインしたらすぐに雨具を干してくれて、おまけにシューズまでウォーマーを使って乾かしてくれたのには心から感謝。
しかも洗濯(有料)までやってもらっちゃったし、料理も決して手は抜いておらず品数豊富でボリュームも満点で、次に向けて更に英気を養うことができた。
マニュアルに沿った上辺の接客ではなく、私たちが何をして欲しいのかを常に考え、本当に心から入った対応をしてくれているのが伝わって、感動の連続だった。
建物は古いけど、最高のホスピタリティでこちらも自然と笑顔になるような居心地のいい旅館で、同宿の方たちとも楽しい時間を過ごすことが出来て、本当に忘れられない思い出となった。
 
歩き遍路さんの人口が年々減少している中で、遍路宿の需要もそれに比例して減少傾向にあり、その中でもこの植村旅館さんのHPの予約状況を見ると、”満”になっている日が結構多いので、いかに人気の宿かってことがわかる。
厳しい時世ではあると思うが、今後もこういった宿には頑張って生き残って行ってもらいたい。
 
あっ、でも決して安楽寺の宿坊と、旅館吉野さんが悪いと言ってるわけではなくて、どちらも疲れた体を癒してくれたいい宿だったことを付け加えておく。
 
出発の際、「雨具干して頂き、ありがとうございました。お世話になりました」と若女将に告げると、「今日はどちらまで行かれるんですか?」と聞かれたので「17番まで打って帰ります」と告げて出発。
6時56分
 
植村旅館から13番へは約12km
宿を出てすぐに鮎喰川を渡り、未舗装路に入る。
 

 

おはようございます。お疲れ様ですw
 

 

駒坂峠
小さな峠を越えると、鮎喰川にかかる潜水橋が待っていた。
 
 

 

駒坂橋
これもブログで何度か見たことある風景。
ここも立派な遍路道で、見ての通り車は通ることができない。
 
ここで、私より先に出発していた北海道歩き遍路さんが私の方へ向かって来て何か言いたそうだった。
どちらかの女将さんと携帯でやり取りしており、リュックカバーの忘れ物は私の物ではないかと聞いてきた。
 
実は出発する時、私が最後の客なのに1枚のリュックカバーが干されたままだったので、誰の忘れ物だろうと若女将とソワソワ。
私は北海道遍路さんの物かなと勝手に思い込み、そう告げたら女将さんが車で届けに行くということがあったのだ。
きっと私がそう言ったから北海道遍路さんの携帯に若女将が電話をしたのだろう。
 
結局、北海道遍路さんの物でもなく、自転車遍路さんの物だった。
忘れた本人とも連絡が付き、自力で取りに行くとの事だった。
 
まったく、私の思い込みも甚だしい
勝手に決めつけてはいけないと反省。
 
それにしても、わざわざ私が来るのを待っててくれた北海道歩き遍路さんには感謝の一言だ。
 

 

ちょうど景色の良い場所での出来事だったので、お互い橋の上でのショットを撮り合う。
想定外のショットが撮れ、嬉しい限りだ。
 
そして再出発。7時15分
 

 

渡橋後、北側からの駒坂橋
 
しばらくは北海道歩き遍路さんの50mくらい後ろを歩く。
奇しくも歩くペースは同じくらいで、北海道遍路さんは淡々と、私は写真を撮りながら、追い抜くことも離れていくこともなく鮎喰川沿いを歩くw
 

 

私の前を歩く北海道遍路さん
 

 

 

 

歩く右手には鮎喰川と集落の風景
 
GWと言えど、この日は平日、ランドセルを背負って黄色い帽子をかぶった地元の小学生が大きな声で「おはようございま~す!」と挨拶をしながら全力疾走で私をスルーして行った。
とても嬉しかったが、寝坊して遅刻しそうだったのか?w
 

 

スルーしていった小学生と北海道遍路さん
 

 

広野郵便局
広野の集落まで来た。
全力疾走の小学生はきっと広野小学校の生徒だろう
 

 

阿野橋
ここを渡った後、鮎喰川の南側を歩く
 

 

 

 

鮎喰川を臨みながら歩くのはとても気持ちが良かったが、併走する県道21号線の交通量は結構多い

気温もそんなに高くなかったはずだが、何かと蒸し蒸しする気候だった。

 

そんな中、前方を歩いていた北海道遍路さんが何やら80代くらいのおばさまと絡んでいる様子。

私も追いつき伺ってみると、なんとお接待を頂いてるではないか。
 
そしておばさまは遅れてきた私に対しても「ちょっと待っててね」とお家に戻り、そのお接待を持ってきてくれたのだ。
 

 

頂いたお接待
これが記念すべき初のお接待(1番で頂いたフクロウは、お遍路さんからということで除外)。
北海道遍路さんも私も、納札を渡してお礼。
現金だったので、賽銭として納めようと思っていたが、「これでコーヒーでもお茶でも飲んでね」と言われたので、それに従うことにした。
 
ちなみに、お接待用の納札には、日付、名前、住所、年齢を書くのは変わらないのだが、願い事は書かない方が良いとされてるので、私の場合は裏の白紙に「ありがとうございました」と記入しておいた。
お接待用の納札は出発前に5枚用意しておいたのだが、ここまで一度も渡すチャンスが無くて、無駄だったかなと思ってたところでこれだったので、1枚でも渡せてホント良かった。
 
それにしても、「本当にお接待ってあるんだね」と北海道遍路さんに話しながら、思わぬ出来事にしばらく興奮気味だった。
四国ならではのお接待文化、素晴らしいの一言だ。
 
 

 

 

 

この後もひたすら県道21号を道なりに進むルート。
 

 

甘夏12個500円
まぁ、安いんでしょうねw
 
 
徳島市に突入
長かった神山町ともお別れ 8時38分
 

 

この遍路小屋も何度かブログで拝見済
「おやすみなし亭」
方言で、お休みなさって(^^)、という意味なのだろうか?
 

 

13番まであと1.8km    9時2分
この頃、小雨が降り始めた。
 
13番まではもうすぐだったが、久々の遍路道にあるコンビニで非常食とドリンクを調達。
意外にもカロリーメイトのような栄養食は売っていなかったあせる
 
 

 

そして13番札所 大日寺に到着
9時32分
 
ここから参拝ラッシュが始まる。
 
つづく・・・