ーUAEパビリオンへー
「あぁ……俺の万博が、終わってしまうんだな」
そんな思いを胸に抱きながら、この日、最後に選んだパビリオンは、アラブ首長国連邦(UAE)パビリオンでした。
ここを選んだ理由は、実に現実的。
仕切りのない館内を自由に散策できる構造のため、混雑している時期でも、ほぼ待ち時間ゼロで入館できる。
この日の到着時刻は、18時45分。
迷っている時間は、もうありません。
■大地から天空へ
UAEパビリオンのテーマは、「大地から天空へ」
没入感のある空間演出と、視覚・聴覚・触覚・嗅覚といったマルチセンサリーな体験を通して、宇宙探査、医療革新、そして持続可能な未来を切り拓く「夢を実現する者たち」の物語に触れられる――
そんなコンセプトなのだそうです。
館内に一歩足を踏み入れた瞬間、空気が変わりました。
■知っていたつもり、知らなかった国
UAEと聞いて、これまで私が持っていたイメージはというと――
「お金持ちが住む国」
「高層ビルが立ち並ぶ国」
そして、競馬好きとしては
「ドバイワールドカップ」(笑)
……正直、それくらいでした。
ところが館内では、繊細な工芸品の展示や、最先端の医療・宇宙技術に関する紹介が並び、伝統的な民族衣装の奥に、 **しっかりとした“先進国の顔”**を持つ国なのだということが、自然と伝わってきます。
「古くからの文化」と「未来への挑戦」。
その両方を大切にしている姿勢が、この空間全体から感じ取れました。
⸻
ーそして、帰路へー
パビリオンを出たのは、18時53分。
まだまだ会場にいたい。
正直、名残惜しさしかありません。
でも、明日からは現実が待っている。
今回のこの2日間、万博に行くことが決まったのは、ほんの3週間前のことでした。
急遽チケットを取り、急遽来場日時を予約し、そして、急遽いただいた貴重な余暇。
明日は休養日ではありません。
明日の仕事に差し支えないよう、ここで帰るのが正解だと、自分に言い聞かせます。
■見納めの景色
パビリオンを後にし、東ゲートへ向かって歩き出したその時。
大屋根リングの向こうに見えた、シャインハットに映し出されるプロジェクションマッピング。
これがもう……
鮮やかすぎて、きれいすぎて、余計に切なくなる。
「この景色も、もう見納めか」
そう思いながら、
しっかりとこの目に焼き付けました。
↑シャインハット
名残惜しい気持ちをぐっと抑え、
一歩一歩、東ゲートへ。
■万博、退場
19時02分、東ゲートを通過。
混雑はしていましたが、
昨日とは違って流れはとてもスムーズ。
せっかくなので、ポールの上で揺れる万国旗の下を通りながら、最後まで万博の余韻を噛み締めます。
そして、夢洲駅に到着したのは19時12分。
昨日より、約20分も早い到着でした。
↑夢洲駅
■現実へ戻る道
大阪メトロを乗り継ぎ、
新大阪駅に着いたのは20時ごろ。
駅にオフィシャルショップがあると聞いていたので、新幹線の予約時間より少し早めに到着。
……が。
探しても、探しても、
それらしきお店が見つかりません。
仕方がないので、
通りがかりに見つけたお土産屋さんへ予定変更。
「万博っぽい雰囲気」はあるものの、
品揃えはいまひとつ。
結局、これといったものは買えずじまい。
まぁ、こういうこともありますね。
■帰宅
20時48分発の新幹線に乗車。
名古屋駅からは在来線に乗り換え、
自宅に到着したのは、22時40分ごろでした。
こうして、
私の万博の夜は、静かに幕を閉じました。
⸻
ー万博 振り返りー
■2日目総括
″7時間″という限られた時間の中で、入場規制がなかなか解除されなかったパビリオンがあったり、次の予約時間に追われ、駆け足でしか見られなかったパビリオンがあったり。
思うようにいかない時間帯も、正直ありました。
それでも、結果的に6つのパビリオンを見て回ることができ、大屋根リングを一周しながら、あの圧倒的な景色をしっかりと堪能。
さらに、大人気グルメのロティーチャナイまで味わうことができた。
特に印象に残っているのは、EARTH MART。
時間に追われることなく、じっくりと展示を見て回り、「食」という身近なテーマを通して、多くの学びを得ることができました。
せっかくの万博、「シグネチャーパビリオンのどれか一つでも行けたらいいな」そう思っていたところに、「いのちの未来」と「EARTH MART」、まさかの2つも体験できたことは、本当に幸運だったと思います。
■この2日間を振り返って
大混雑の万博を楽しむには、
やはり事前計画がすべて。
行くことが決まった日から、現実的に回れそうなパビリオンやグルメをピックアップし、かなり入念にスケジュールを組みました。
その結果、ほぼ計画通りに行動できただけでなく、当日登録など、想定外の楽しみまで味わうことができた。
本当に、濃密で、充実した2日間でした。
もちろん、
「朝9時のチケットが取れていたら」
「モンハンの予約が取れていたら」
「住友館に行けていたら」
……と、欲を言えばキリがありません。
それでも、東ゲートを出たときに自然と浮かんだのは、**「大満足だったな」**という気持ち。
それが、今でも強く心に残っています。
■万博の感想
今回の大阪・関西万博。
振り返ってみると、**合計5回(5日間)**訪れていました。
きっかけは、妻に誘われて行った5月の初訪問。
正直そのときは、会場の地図もよく分かっておらず、思うようにパビリオンを回ることもできませんでした。
それでも、
あの会場の空気感に完全に心を掴まれ、
「また行こう!」と、夫婦そろって即決。
そこからは、YouTubeなどで万博情報を毎日のようにチェックし、次の来場に備える日々が始まりました。
愛知に住んでいながら、「愛・地球博」にはまったく興味を示さなかった自分が、ここまで万博にハマるとは、正直、夢にも思っていませんでした。
以前、「万博、めちゃくちゃ楽しかった!」と友人に話したとき、「どこが良かったの?」と聞かれ、うまく答えられなかったことがあります。
でも、今なら分かります。
それは――
会場のスケール
入場ゲートの高揚感
人混みや行列
建築物の存在感
ホスピタリティあふれるスタッフ
イベントや音楽
会場に漂う匂い
コブクロの曲
場内アナウンス前の心地よいチャイム
各国のグルメ
個性豊かなパビリオン
ミャクミャク
そして、大屋根リング。
そのすべてが、少しずつ、でも確実に、心に突き刺さっていたのだと思います。
何気ない瞬間に感動し、
ふと目が潤むこともあり、
たくさんの展示を見て、考え、
自分自身も少し成長できた――
そんな貴重な時間でした。
今回の万博、そして2025年は、きっと一生の思い出として心に残り続けるでしょう。
この記憶が色褪せることは、きっとありません。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
■訪れたパビリオン一覧
5月30日
・オーストラリア
・ウズベキスタン
・コモンズC
・日本館
9月19日
・ドイツ
・フランス
・ベトナム
・アメリカ
・電力館
9月20日
・BLUE OCEAN DOME
・トルクメニスタン
・イタリア
・タイ
10月5日
・PASONA NATURE VERSE
・シンガポール
・スペイン
・インドネシア
・いのちの未来
・飯田グループ×大阪公立大学共同出展館
・サウジアラビア
・大阪ヘルスケア
10月6日
・モザンビーク
・マレーシア
・ペルー
・EARTH MART
・未来の都市
・アラブ首長国連邦
以上、27パビリオン












