今回も、無事に終えることができた四国歩き遍路の旅。
5回目の区切り打ちだった今回は、これまでで一番“感情が揺れた旅”だったかもしれないです。
そんなお遍路旅を振り返ってみたいと思います。
ー今回の行程についてー
これまでの区切り打ちは、基本的に4日間の日程で歩いてきました。
しかし今回は、あえて3日間という少し短めの日程で計画を組みました。
理由のひとつは、今年のゴールデンウィークの暦。例年より連休が短く、4日間を確保するのが難しかったという事情があります。
さらに、もし今回を4日間にしてしまうと、区切り地点が足摺岬付近になる可能性が高く、次回スタート時の移動がかなり大変になりそうだったのです。
そしてもうひとつ。
今回と次回の行程バランスを考えた時、どう考えても次回の区切り拠点は「宿毛」一択。
そうなると、今回だけ距離を伸ばし過ぎるよりも、今回と次回で日数や負担をある程度平準化した方が良いだろう――。
そんな判断から、今回は3日間という形になりました。
ーなぜ人は峠を越えるのかー
今回の歩き遍路では、「遍路道」に対する考え方も、少し変わった気がします。
岩本寺までの道のりでは、焼坂峠、そしてそえみみず遍路道と、2度の峠越えがありました。
これまで、こういった本格的な峠道はあまり経験がなく、正直、多少の緊張感もありました。
実は旅に出る前までは、
「なんで皆わざわざ山道を歩くんだろう?」
「多少トンネルが辛くても、国道の方が早いし楽じゃね?」
そんなふうに思っていた部分もありました。
もちろん、昔ながらの遍路道を歩くこと自体に価値や醍醐味を感じて、あえて峠道を選ぶ人が多いのだろう――
そのくらいの認識でした。
……とはいえ、結局自分も行くんですけどね(笑)
でも、今回実際に歩いてみて分かったことがあります。
それは、「距離」や「効率」だけでは測れない魅力が、遍路道にはあるということ。
国道歩きは、確かに歩きやすいです。
道に迷う心配も少ないし、距離的にも効率が良い。
ただ、それが何時間も続くと――
飽きます(笑)
景色の変化が少なく、ただひたすら前へ進むだけの時間になると、気持ちまで単調になっていく感覚がありました。
それに対して、昔ながらの遍路道には、景色の変化や、その土地ならではの空気感がある。
山道を抜けた時の達成感もそうですし、
「こんなところを昔の人たちも歩いたんだな」
そんなことを自然と考えながら歩ける時間がありました。
結果として、多少遠回りになったとしても。
到着時間が少し遅くなったとしても。
時には、そういった遍路道を選んだ方が、より“お遍路らしい旅”になるのかもしれない。
今回の旅は、そんなことを感じさせてくれる区切り打ちでもありました。
「早く着くこと」だけが、お遍路の正解じゃない。
今回の旅は、そんな当たり前のことを、身をもって教えてくれた気がします。
ー雨が教えてくれたことー
これまでのお遍路でも、雨に降られたことは何度かありました。
ただ、そのほとんどは「歩いている途中から降り出す雨」
今回のように、宿を出発した瞬間から、次の宿に着くまで一日中降り続ける――
そんな本格的な雨歩きは、実は初めての経験でした。
しかも今回は、ただの雨ではありません。
強い雨が延々と続く、まさに“修行モード”の一日。
ここまでハードだと、雨具の性能差がハッキリ出ます(笑)
百均やホームセンターで売っているようなビニールカッパ。
もちろん、小雨の時や、ちょっとした外出には十分便利です。
ただ、今回のような「長時間+本降り+歩き続ける」という状況では、やはり限界がありました。
実は今回使っていたカッパ、妻が以前買ってくれたものでした。
「どれくらい使えるかな?」という思いもあって、試しに今回投入してみたのですが、結果としては途中で破れてしまい、役目を終えることに(笑)
やっぱり、今後は以前使っていた、防水性もしっかりしたワー〇マンのレインコートに戻そうと思います。
また、シューズカバーも課題が残りました。
もともと安価ということもあり、長時間の豪雨には耐えきれず。
もう少し性能の良いものを探すのか、あるいは別の対策を考えるのか。
今回の経験を踏まえて、今後の装備を見直していきたいと思います。
でも、不思議なもので、あれだけ過酷な雨を経験したことで、以前より“雨そのもの”への恐怖は薄れた気がしています(笑)
もちろん、できれば晴れてほしい。
でも、「最悪を一度経験した」というのは、大きな自信になるんだなと感じました。
辛かった一日でしたが、終わってみれば、間違いなく“良い経験”だったと思います。
ー旅は、最後まで何が起こるかわからないー
今回のお遍路旅。
最後に待っていたのは、まさかの“帰宅ミッション”でした(笑)
瀬戸大橋が強風の影響を受け、一部の特急が多度津〜岡山間で運休。
その車内アナウンスを聞いた瞬間、頭の中は完全にパニック状態でした。
「えっ、これ、帰れないのでは?」
高知駅に着くまで、ずっと落ち着かず。
スマホで情報を調べ続けながらも、どこか不安が拭えませんでした。
結果的には、自分が乗る便は通常運行。
高知駅で駅員さんにも確認し、ようやく安心できたのですが、その頃にはすでに気持ちがかなり乱れていたんだと思います。
そして、その動揺が次の失敗へと繋がります。
岡山駅で新幹線への接続が危うくなり、慌ててスマートEXで予約変更。
ところが、焦っていたせいで、もっと冷静にやれば回避できたはずのキャンセル料や乗り遅れによるロスを発生させてしまいました(笑)
今振り返れば、
「もう少し余裕を持った時間の便に変更すれば良かった」
「予約を一旦キャンセルせず、単純に時間変更すれば良かった」
――そんなことばかりです。
完全に、経験不足と、ちょっとしたことでパニックになりやすい性格が出てしまいました(笑)
でも、これもまた旅なんでしょうね。
実際に痛い目を見たことで、今後同じような状況になった時は、きっと今回より冷静に動ける気がしています。
むしろ、これだけ盛大にやらかしたのだから、次は大丈夫だろうと(笑)
振り返れば、最後の最後まで波乱続きの旅でした。
それでも無事に帰宅できた今となっては、こうしたドタバタも含めて、忘れられない旅の思い出になったように思います。
ー印象に残った出来事ベスト5 ー
第5位 勘違い声かけ事件
すれ違った歩き遍路さんに声をかけたもののーー
「I can’t speak!」
返ってきたのは、まさかの英語(笑)
完全に日本人だと思い込んでいたので、めちゃくちゃ恥ずかしかったです。
思い込みは恐ろしい(笑)
第4位 岩本寺のマリリンモンロー
お遍路とマリリンモンローという異色すぎる組み合わせ(笑)
しかも、その絵画がなかなか見つからず、堂内をちょっと彷徨ってしまったのも思い出です。
第3位 滑りまくった市野瀬遍路道
今回の旅の“修行感”を象徴する出来事。
雨の中での山道は想像以上にハードで、かなり危険でした。
それでも、結果的には「行って良かった」と思える遍路道でした。
第2位 四万十川の絶景と、四万十大橋での強風との戦い
四万十ブルーの美しさ。
そして、橋の上では命懸けレベルの強風(笑)
飛ばされそうになりながらも、どうしても写真に収めたかった絶景でした。
「絶景」と「恐怖」のコラボレーション。
それが、この第2位です(笑)
第1位!
――と行きたいところですが、その前に。
惜しくもランク外となった出来事たちを、まとめて紹介します。
・入野松原&Tシャツアート展
・古民家独り占めのゲストハウス40010
・終日雨との戦い
どれも印象深い出来事でしたが、今回は惜しくもランク外です(笑)
そして――
第1位 帰りの特急ダイヤ乱れ&新幹線失態事件
やっぱり、これが断トツでした。
最後の最後で、まさかこんなことになるとは…。
普通、旅って“歩き終えたら終了”なんですが、今回はそこからが本番だった感すらあります(笑)
・瀬戸大橋強風
・特急運休情報
・帰れない恐怖
・車内カオス
・新幹線変更ミス
・牛歩状態
・精神的パニック…
もう、情報量が多すぎました(笑)
ー最後にー
今回の区切り打ちでは、
峠道の厳しさ。
終日降り続けた雨。
絶景との出会い。
人との交流。
そして、最後の最後まで続いた帰宅ミッション(笑)
本当に、いろんな出来事がありました。
辛いことも多かったですが、それ以上に、「歩いたからこそ味わえるもの」がたくさんあった旅だったように思います。
お遍路は、やっぱり歩いてみないと分からないですね。
そして私は今回、
「雨具はケチるな」
「強風時の瀬戸大橋は油断するな」
「スマートEXは落ち着いて操作しろ」
という、大切な教訓を得ました(笑)
次回のお遍路は、11月頃を予定しています。
またどんな景色に出会い、どんな出来事が待っているのか。
今からとても楽しみです。
その頃には今回の苦労も忘れて、「また歩きたいなぁ」と言っているんでしょうね(笑)
それでは、またお会いしましょう。