自転車日本一周旅〜人生で大切なことはすべて旅で学んだ〜
季節は梅雨真っ只中の6月26日。
今日も雨が降りそうな怪しい天候。
ここに留まるか、出発するか、難しい選択である。
こういう迷いの時は動くに限る。ともかく動くのだ。
きっと、いい方向に物事が進むと信じて行動を起こそう。
本日は、讃岐国、伊予国の難所である第66番「雲辺寺」と第65番「三角寺」に挑む。
雲辺寺は、讃岐国の遍路ころがしで900m級の山頂近くに点在する。
カッパを着込んで雨対策を万全にして雲辺寺に臨んだため、シャツや衣類が雨と汗でビショビショになる。
標高を上げていくに従って雨足は強くなり、気温も下がる。
身体が冷えていく。体調がすぐれない状況でこの冷え込みだ。やばい感じがする。
雲辺寺に着き、納経帳に御朱印をいただくと即、次の三角寺へ向かう。
三角寺も400m級の山頂付近にある。きつい上り坂が3kmに渡って続く。
自転車を押してヘロヘロになりながら到着。
この2つの難所を無事に打ち終えた。
後は22の札所を残すのみ。
と同時にこの遍路が終われば、1年3ヶ月に及ぶ自転車日本一周旅の終演を迎える。
翌日、第67番「大興寺」から第78番「郷照寺」までの12札所を打つ。
その次の日、第79番「天王寺」から第88番「大窪寺」までの10札所を打ち終え、結願を果たす。
讃岐国は「涅槃の道場」だ。涅槃とは煩悩や不安が消え、悩みや心配事から脱して安楽の境地に達するとの意がある。
短いようで長かった、いや長いようであっという間の自転車旅を回想しながらの札所巡りとなった。
思えば1年前の出発当初、頭の中は不安要素で一杯だった。
交通事故に巻き込まれたらどうしよう。
財布や自転車を盗まれたらどうしよう。
強盗に襲われたらどうしよう。
野生動物に遭遇したらどうすればいいの?
体調を崩したらどうしたらいいの?
社会復帰はできるんだろうか?
社会人としてお気軽な旅が許されるのだろうか?
パンクの修理はできるのか、修理屋さんが側にあるのだろうか?
起こりそうなことからどうでもいいような悩みまで、頭の中は不安と心配事に支配されていた。
しかし、一歩を踏み出してみると何とかなった。
頭の中にある不安と心配事の9割は実際には起こらない。
昔、アメリカの大学で心配事の調査をしたらしい。
その調査の結果、 心配事の90%は、実際には起こらずに済んでいたらしい。
実際に起きてしまうのは、残りの20%らしい。
しかし、 その20%の8割は、事前準備して対処すれば大事に至ることはない。
賢い準備が明るい未来を作るのだ。
ということは、 20%×8割=16%になる。
実際に起こる心配事は、残りの4%。
100日の内、心配事が発生する可能性がある日数は、たったの4日だ。
ということは、 頭の中にある不安や心配事の96%は、ただの取り越し苦労なのだ。
確かにそうかもしれない。
この自転車旅で本当に怖い目に遭遇したのは数えるほどだ。
北海道で大型ダンプカーに引かれそうになって、牧場のようなところに自転車ごとダイブ。着地した場所が運よく牧草地帯だったのでクッションになって難を逃れた。
沖縄県小浜島でサトウキビ収穫中に猛毒ハブに噛まれそうになった。
沖縄県宮古島で数千匹の蚊に刺し殺されそうになった。
430日以上旅をし続けていても、難があったと感じた出来事は、3回ほどだ。
たった3回だ。
心配事のほとんどは取り越し苦労に終わるのだ。
大事なのは、今この瞬間を生きることだ。 過去の失敗も引きづらない。 未来の心配もしない。
今、この瞬間を楽しむことだ。
しかし、やっかいな出来事は4%の確率で確実にやって来る。
それが旅であり、人生だ。
起こったときは、どうすればいいのか?
4%という超難関高倍率の狭き門をくぐり抜けて、俺のところにわざわざやってきた厄介くんと思えばいいのだ。この4%の実際に起こった問題が、自分を成長させてくれる種になる。
新しい挑戦をすると大変なことが起こるけれど、オレはそれを教材と呼んでいる。
大変なことが起こった時は、自らの心を大きく変えるチャンスが到来したと思えばいいのだ。
もしくは、今までに起きていたことはすべて、自分にとってありがたい現象だと思えばいいのだ。
困難が無い人生は、無難な人生。
困難が有る人生は、有難い人生。
困ることは、実は有難いこと。
成長の成分表示がもしあったとしたら、96%は取り越し苦労。
4%の実際に起こる心配事が、ピンチのフリしてやってくるのだ。ピンチがチャンスになるのが人生。
ピンチとチャンスはミンチなのだ。
ここで自転車日本一周旅の総括と四国88箇所の結願記念に、さすらい人が発見した「夢を叶える三大理論」を発表する。
1年3ヶ月を要した自転車日本一周旅で見つけた「夢を実現するための3つの方法」だ。
【夢を叶える三大理論】
①空足元空(くうそくげんくう)理論。
②ホンマカイナー理論。
③はい、わかりました理論。
①「空足元空理論」は、般若心経の唱え文句のようだが、俺の造語だ。
これは遠い空を見ながら、今日の確かな一歩を踏み出す。
遥か彼方の日本最北端「宗谷岬」を見定めながら、今日の一漕ぎに集中する。
チリも積もれば山となる。
山も分ければチリとなる。
大きな夢も一歩から始まるのだ。
高度な目標に何度も失敗するより、適度な目標を何度も達成する感覚だ。
②「ホンマカイナー理論」は、南米のアマゾン先住民族の話。
その地域では代々「雨乞いダンス」が伝承されている。
雨季には大量の雨が降る地域でも、乾季となると水不足に悩まされることは珍しくない。
水不足が深刻化してくると、その民族長は、若い男達に「雨乞いダンス」を踊るよう指示するのだ。
この「雨乞いダンス」を踊ると必ず雨が降るというのだ。
日本の科学者、本間海奈(ホンマカイナ)氏は、その実態を調査するためにアマゾンの現地に赴いた。
そして、調査した結果、驚愕の事実が明らかになった。
彼らがダンスを踊ると本当に雨が降るのだ。
例外なく必ず降る。
さて、この奇跡が起こる理由は何だと思う?
それは、雨が降るまで踊り続けるからだ。
彼らは、雨が降るまで、3日間でも1週間でも踊り続けるのだ。
つまり、慌てず、焦らず、諦めなければ夢は実現するという、ウソみたいなホンマの話だ。
だからホンマカイナー理論。
③「はい、わかりました理論」は、人間力を磨けということ。
旅は人との関わりに比例して充実度が満たされる。
いかに人に可愛がってもらえるかが、充実した旅へのポイントになる。
新しい人との出会いは新しい自分との出会いと同じである。
人と関わらない旅は虚しいものだ。その楽しさは半減する。
人が事を為すのに必要な力が3つある。
自力と他力と神力の活用だ。
「自力」とは、本人のやる気、元気、根気、本気さ、努力、忍耐など。
どんな人にも4つの木が宿っている。
元気、本気、勇気、根気。
この4つの木を上手に育てていくことだ。
4つの木の栽培は旅が適している。
自力とは、自ら生きよう、成長しようとする生成力だ。
「他力」とは、周囲からの援助、支え、励ましだ。
自分を取り巻く環境に感謝すること。
他力とは化育力だ。4つの木は太陽の光と熱の恩恵を受けて育つ。雨降りの日もある。時に突風や台風だったり試練を与える。何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばし、人間力を養っている時期と考える。
自力を育もうとする力が、他力であり、化育力だ。
「神力」とは、目に見えない大いなる御力だ。
天候や出会いのタイミング。人間心では計り知れない神の領域の力だ。
神力とは、自力と他力を超越した「生成化育発展力」だ。
人事を尽くして天命を待つように、自力を尽くし、他力に感謝し、後は神力にお任せする。
すべては良き方向に進み発展していると自らに言い聞かせるのだ。
この3条件が整った時に人の夢は実現する。
諦めないという土に、念いという種をまき、信じるという水をやる。
希望という芽が伸びて、夢という花が咲く。
「はい、わかりました」理論は、自力と他力と神力を意識しながら、「はい」という素直な心と「わかりました」という謙虚な姿勢を実践する。そうすれば夢は叶いやすくなる。
旅先では、貧乏だった。
だから、いかにただ飯を食うか。
人に出会っておごってもらうか。
セコイけれど、お金を使わずに生きる術のような実験をした時期がある。
分かったことは、人に可愛がってもらわなければ、快適な未来はない。
だいたい自分のポジションは人に引き上げてもらって決まることが多い。
だから、遠回りのようだけど人間性を重視して、自分を磨くことだ。
これは旅だけではなく、日常生活でも応用可能だ。
これら「自力」「他力」「神力」の条件を獲得するための根源は、人間力だ。
人としての魅力を磨くことだ。
人間力を磨く方法は、素直な心と謙虚な姿勢だ。
人間力を鍛える方法は、「はい」という素直な心と、「わかりました」という謙虚な姿勢。
いつもで自分がやるべきことは簡単だと考えることだ。するとそうなる。
夢は大空に。努力は足元に。
諦めないなら焦ることはいさ。ゆっくり進め。
遅すぎない。早すぎない。ちょうどいいペースで人間力を磨く。
要はデカイこと言ってやらないのは最低。
ハッタリぶっこいてやっちゃえば最強なのだ。



















