押し入れ | 天から降った災難ー卵巣癌になって

天から降った災難ー卵巣癌になって

2009年1月、腫れた卵巣を切ったらガンが見つかった。Ⅰaが術中の破綻でⅠc期になり、抗ガン剤治療を余儀なくされました。
2010年4月には、まさかの乳ガン告知。
二年連続で抱えた病気に悲鳴を上げながら、何とか暮らす日々。

夕べのこと

2階でのんびりと小鳥たちのお世話をしていたら、隣の部屋の押し入れ辺りからただならぬ物音が…。明らかに哺乳類の立てる物音。最初、クマが勝手に途中まで上がってきたのかと思い、下まで降りてみました。スピスピと寝息をたてているクマが見えます。再び上がってしばらくすると、今度はガサコソという音。築ゆうに八十年は超してる我が家。びえ~、久々に聞くこの音は…この音は…そう、ネ、ネズミ~です、紛れもなく…。「お母ちゃん~!」と思わず叫んでしまいました。母はものともせずネズミ退治ができる人でした。冷静に、粘り強く穴を捜し出し、塞いでいました。出るとおっかけ回して棒で殴りつけてました。しかし、十年ほど前、母は大工さんを頼んで押し入れや天袋を全て修理していたはずですが…。「自分がしっかりしているうちにちゃんとしておきたいからね。」なんて言ってましたが…。音がした辺りをそろりそろりと探り、くだんの押し入れを開けると、あったあった、もう天井板が古くなって一部落ちてきています。大きな隙間が空いています。ここだけは修理が入っていなかったことに、なんだか初めて気づきました。ここは母が寝ていた部屋で、押し入れの中は母の衣類が多いので、近頃使っていませんでした。母は自分の押し入れは手抜きしたのでしょう。今朝早起きして、早速ガムテープで応急処置をしました。大工さんを予約するまでしばしの我慢。押し入れを開け、母の衣類を見てやはり切ない気持ちになりました。去年買ってしばらく着せていた拘束服は捨てました。もう着せないし、自分が着ることまではあんまり考えても仕方ありません。母は18日に「あと2日くらい」と言われ、翌19日には、「今日検査してみたら昨日よりずっと体調が改善しているから前言撤回。」と言われました。とどのつまり、良くはならないが、あまり変わらない、ということのようです。3週間で2回も余命宣告され、私は疲れ果てました。親を看取った同僚からは「年寄りはねえ、そういうことを何回も繰り返すのだよ。でも、いつか別れるんだから、よく兄妹で相談しときなよ。」とアドバイス受けました。そうだよね、わかってるんだけど…、やっぱり心の中でどっか母ちゃんを頼ってる自分を発見しました。カナシイ…