医師であり教育家であるモンテッソーリによると、
0〜3歳までは、あらゆる感覚的な印象を
全て溜め込んでいく時期なのだそうです。
そして4〜6歳には、
そうした溜め込んだ感覚的な印象を整理し、
分類し、秩序化していくのだとか。
モンテッソーリは、子どもが自分の内側の「これしたい!」と敏感になっている活動に取り組んで、深い集中した状態(モンテッソーリはこれを集中現象と呼んでいます)を経ると、次のような変化が見られるとしています。
自発的になり、自信と忍耐が育つ。
器用になる。
観察力、注意力が増す。
対象への深い知識と高い技能が身につく。
作業を好む。愛情が育ち、他者との関わりが良好になる。
情緒が安定する。規律と秩序を重んじる。
1歳4ヶ月のこぐまくんは、日々、見て、聞いて、触れてみて、
感じ取った印象を溜め込むのに大忙しです。
こぐまくんの遊びを観察しながら、
「こぐまくんの旬の興味はこれだな」と気づいたら、
満足するまでやりたいことを繰り返せるように
環境を整えるようにしています。
こぐまくんが繰り返しやりたがるのは、
「袋から中身を取り出す」「箱のふたを開ける」
「円柱状のものを立てていく」「棒を差し込む」
「リングを棒に通す」
「クレヨンでなぐり書きをしたり、スティックのりを塗ったりする」
「ぬいぐるみとごっこ遊びをする」
「穴に物を入れたり、トンネルにミニカーをくぐらせたりする」
「ひもをひっぱる」
「絵本の読み聞かせを聞く」
「手遊び歌で踊る」
「生き物を見ると、大きな声をあげて指差す」
「砂やおはじきの感触を楽しむ」
「ブロックをはずす」
「水に触れる」
「カップを重ねる」
「紙を引き裂く」
「セロテープを貼る」
「紙を折る、丸める」などです。
「この活動に敏感期だな」と気づいたものがあれば、
とことん納得するまでやり尽くさせてあげたいので、
一つ一つの活動を、じっくり探究できるように工夫しています。
たとえば、「穴に物を入れたり、トンネルにミニカーをくぐらせたりする」でしたら
こんな感じです。
折り紙を半分に折ったものでも、前足と後ろ足の間に少し隙間がある動物の人形でも、
細長い紙箱でも、
くぐれそうな穴があれば、即、トンネル遊びを始め出します。
そこで、「1歳3ヶ月 レゴデュプロでの遊びが本格的になってきました♪」で紹介したような
上からのぞけるトンネルを作ったり、
工作でトンネル作りを楽しんだりしています。
こぐまくんが感覚的な印象をたっぷり溜められるように、他にも、こんな工夫をしています。
①いろんな方向から入れたり出したり
ブロックでトンネルを作る時、左右、上下、いろんな方向から
車を入れたり出したりできるようにしています。
こぐまくんは、右から入れて、左からも入れると、
車と車が正面同士、ごつんとぶつかることに
気づいて面白がっていました。
(あんまりいそいでゴッツンコ〜♪という童謡の節が
好きなので、このゴッツンコを再現して遊んでいます。)
また、同じ方向から車を一台、二台と続けて押し入れると、
先に入れた車が前へ、前へと押されていくのが
不思議なようでした。
積み木や空き箱でも、同じように、
いろんな方向に入口を作って遊べます。
スロープの下にブロックを移動させて
自己流の遊び方をあみだしていました。
②サイズの異なる車やボールを用意する
手作りの透明の筒にボールプール用のボールを入れるのが好きなこぐまくん。
(この筒、ペットボトルの再利用ですが、他のどんなおもちゃよりよく遊びます。
筒を使ったさまざまな遊び方は別の機会に書きますね)
小さいボールの中に、少しサイズの大きなボールを混ぜています。
大きめのボールを筒に入れようとすると
詰まってしまうという体験を繰り返したこぐまくん。
わざわざ大きめのボールを選んでは入れようとすることを繰り返し、
しまいには、そのボールを手にした時点で、
「あーあ」とため息をつきながら
首を傾けるリアクションをとり、入り口の手前まで持っていって、
入れずにポイっと他所に投げるという遊びをはじめました。
こうした遊びに集中した後から、こぐまくんは、
物のサイズにとても敏感になりました。
ブロックで枠を作って遊んでいる時も、
自分自身がその中に入ってみようとしたり、
さまざまな大きさのものがそこに入るか試したりしていました。
自分の思っていた通りだった!という時の笑顔。
この遊びを堪能した後から、「正しいか、正しくないか」に
敏感さが出てくるようになりました。
③エレベーターの入り口
自分自身が出たり入ったりする場所の中でも、
エレベーターはとても不思議な気持ちがするものの一つのようです。
ドリップコーヒーの空き箱でこぐまくんのトミカ用のエレベーターを
作ってあげたところ、
上の穴から車を入れるたびに、重みでエレベーターが
ズン!ズン!と音を立てて降りていくたび
大爆笑していました。
何度も何度も遊ぶうち、上から入れるのに、下の入り口から出てくる
しかけがわかってすごく喜んでいました。
いろんな方法で車を出し入れして遊ぶこぐまくん。
★このエレベーター付きの手作りトミカタウンについて、虹色教室通信で書いています。