大海賊【バーソロミュー・ロバーツ(通称ブラック・バート)】
(恐るべき統率力、判断力を持ってカリブの海賊全盛時代に最大の規模を誇った大海賊)
カリブ海の海賊が全盛時代を極めていた1720年代、その中でもたった3年間で、400隻もの船を
略奪し、新大陸の貿易に致命的打撃を与えていた、海賊船長【バーソロミュー・ロバーツ(通称ブラッ
ク・バート)】は文句なしの大海賊と言えるだろう。
【バーソロミュー・ロバーツ】はイギリス・ウエールズ出身の長身、浅黒い肌の、大変オシャレで、ハ
ンサムな船長だったと言われています。歳は40歳前で、特徴として当時の海賊の例外的に、飲酒を好ま
ず、お茶を愛飲し、豪華なビロードのガウン、羽根付きのオシャレな帽子、ダイヤを散りばめた豪華なク
ロスペンダント、お貴族趣味なエレガントな服装を愛し、豪奢な食事を愛した人間だったようです。
身なりはスノッブでも才能は恐るべしで、有名な【ブラック・バート】の掟を定め、抜群の統率力を発
揮、20隻以上の海賊大船団を指揮して、大海賊の名前を欲しいままにした、カリスマ的人気の人物で
す。
【バーソロミュー・ロバーツ】は、イギリスはウエールズに生まれ、少年時代から、水夫として働いて
いましたので、貧しい生まれだったのでしょう。当時,航海は大変危険な職務で、貧しい人々がついてい
ました。又大変厳しく、過酷な仕事でした。カリブ海で航海中に、海賊ハウエル・デイビス船長の船に拿
捕さ、海賊仲間に加わります。ロバーツはその当時、「海賊の方が、ずっといい。楽しいし、自由だし、
しくじっても、ちょっと睨まれるだけだ」と語っております。
【バーソロミュー・ロバーツ】の活動範囲は広く、遠くはニューファウンドランドから、アフリカ沿岸
にまで及びました。多くの人員を抱えていたので、統率するのが大変だったようで、威厳を保つ為、時に
は厳しく高圧的な態度で臨んだようです。なにせ血気盛んな「むちゃな荒くれ男達」なので、いつでも氾
濫の危険性があり、そのロバーツでさへ、命を狙われるケンカや、船ごと盗んだ部下に逃走されたり、苦
労は多かったようで、そんな時、定めたのが有名な【ブラック・バートの掟】で(「厳しい海賊の掟」を
ご覧下さい)、略奪品の分け前(船長は2倍、操舵主は1・5倍、上級船員1・25倍、あとは公平均等
分配)、他人の財産の盗みの禁止、逃亡逃走の禁止、厳しい罰(銃殺、島流し)、飲酒時間、消灯時間の
厳守、負傷した者への手当て、安息日の厳守など10項目におよんで厳しい掟が決められ、これに違反し
た者には、実際に銃殺、島流しなどの恐ろしい刑も実行されていたようです。
ロバーツの掟は多くの海賊達の模範となりました。バーソロミュー・ロバーツは大きな船団と多数の船
員をかかえていながら、非常に上手く運営をした、カリスマ的人望をもった人間で、彼が最後英国軍艦と
の戦いに敗れ、死亡した時、彼と運命をともにした人間もいました。
面白い事に、ロバーツは海賊でありながら、敬虔なクリスチャンで、日曜日の礼拝や海賊行為の禁止を
厳格に守っており、楽士までやとって皆に礼拝まで徹底していました。
荒くれ男の海賊どもの中で、飲酒酩酊を好まなかった事も彼の業績を、偉大にした原因だったようで
す。浮かれ騒ぐより、お仕事熱心だった船長でした。そのうえスノッブな貴族趣味、ちょっと一味違った
偉大な船長でしたね。
大海賊だっただけに、恐ろしい残虐非道な行いはしない人間でしたが、町の攻撃や、多くの船の略奪を
欲しいままにし、全体で現在の60億円もの稼ぎを揚げ、新大陸の貿易の息の根を止める勢いで、街はロ
バーツに襲われないよう城壁の建築にやっきになったようです。
最後はギニア湾ロペス沖(現ガボン)で、優雅で豪華な朝食中に、つい気を抜いていた時、英国軍のフ
リゲート艦の攻撃を受け、いつもの豪華な衣装に身を包んで、戦闘にいどみましたが、船員達は前の晩の
飲酒騒ぎで二日酔いでフラフラで、あっけなく【バーソロミュー・ロバーツ】は、攻撃用のぶどう弾(散
弾のような大砲)にやられ、絶命しました。船員達はおお泣きに悲しみながら、生前の遺言どうり彼を
「さらしもの」にされないように、綺麗な衣装を着せ、「海」に水葬にしたそうです。
【バーソロミュー・ロバーツ】の死は、海賊全盛時代の終わりを告げる、象徴的なものでした。
貧しい境遇に生まれ、苦労して水夫として働き、海賊となって大出世を遂げた、ロバーツのような人物
は、別の場所、例えば現在の大会社の社長などにつけば、素晴らしい仕事が出来る、とても優秀な人間で
はなかったでしょうか?本当に、素晴らしい統率力、的確な判断力、大胆な仕事、どれをとっても、たか
が海賊といえど、偉大な人物だったようです。
当時は産業革命以前で、一般人にロクな仕事や出世の道が無く、海賊に身を落とす人間が後を絶ちませ
んでしたが、ろくでなしのクズどもと、人括りに言ってしまえない、輝きを放つ人間は多く、それが私達
を、映画や、物語でいつまでも魅了する理由ではないでしょうか?
現在のように、盗賊や海賊をしないでも暮らせる、豊かな時代になった事は、本当に幸せな事ですよ
ね。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」の中で部下が、提督ノリントンに、「海賊ながらあっぱれな奴です
ね」と言ったセリフが心に残ります。成功した海賊は、場所さへ違えば、例えば、軍隊や、大企業や、芸
術家など、素晴らしい働きが出来た才能豊かな人々で、しかも時代を切り開く、パワーとエネルギーに満
ちた連中だったのではないか・・とふと思います。
それだから、いつまでも私達を魅了し続けてるのかもしれません。
(なかなか良い写真が無いのですが、黒旗は【バーソロミュー・ロバーツ】のもので、当時の海賊達はオ
リジナルな船長別のジョリー・ロジャーを使用しました。)

