オバシギとエリマキシギが※入ったとの情報をいただき、千葉県南部の水田へと向かいました。
残念ながらエリマキシギは※抜けていましたが、オバシギは見ることができました。
(2024.8.20 千葉県南部)
(※=「入る」とは野鳥が「○○に飛来したよ。」と言う意味。「抜ける」は逆に「もうそこの場所には居ないよ。移動しちゃったよ。」という意味です。いわゆるバーダー用語です。今更ですが、いちおの解説…)
黄金色に輝く水田の一角。水が張られた休耕田にいた1羽のオバシギ。
オバシギはシギ科オバシギ属のシギの一種。全長28センチ程でユーラシア大陸東部のツンドラ地帯で繁殖し、冬は南アジアなどで越冬します。日本へは春と秋のシーズンに見られる言わば渡り鳥です。
しきりに浅い水辺を歩き。小さな水生生物を捕えます。
やや地味系の鳥ですが、何とも言えぬ独特の存在感があるんですよね~このオバシギって。
嘴をしきりに水に突っ込み餌を探します。これから長い長い旅路が待っています。
オバシギの中には遙かインドネシアまで渡る者もいます。
北の大地からの旅はまだ半分ほどの距離。たっぷり栄養補給しなければ、体力がもたないですからね。
もし体力が尽きてしまったら命をも落としかねません。ましてやそれが海の真ん中だったら、もはや助かる見込みは無いといえます。
ですから彼らは必死で餌を採り続けなければいけません。この旅の中継地日本で、十分な栄養補給をしなければならないのです。
そんなオバシギですが、突然大事な餌採りを中断し、走り出しました。いったいどうしたのでしょう?
あっ、とうとう飛んでしまいましたよ。
原因はこちらのハシボソガラスたちです。ここはカラスたちにとっても大事な餌場なのです。
体格の遙かに大きいカラスは、小型のシギたちにとって実に厄介な存在です。
しかもこの内の1羽が、何故かオバシギを執拗に追い回していました。餌採りの邪魔な相手を追い出すというより、興味があり追っかけ回していたようです。単なる好奇心からでしょうが、追い回されるオバシギにとってはいい迷惑です。
しかしオバシギも遠くに逃げようとはしません。何度追い回されても、ちょっと離れた場所に降りて、餌採りを再開していました。
なかなかの度胸の持ち主です。
終いにはハシボソガラスの方が飽きてしまったのか、追い回すのを辞めていました。
どうやらこの勝負、オバシギの粘り勝ちのようです
もう大丈夫かな?後方のカラスたちを気にしていますが…
すぐに餌採り再開です。カラスを相手にしている場合ではないのです。
それだけオバシギは栄養補給に大忙しなのです。
ん?今度は急に上空を気にし始めました。どうしたのでしょうか?もしかしたら猛禽類かな?
もし猛禽類なら危険度はハシボソガラスの比ではありません。(マジで、やべーっす)
しかし、私もいちお見てみましたが、特に何も見つけられませんでした。
しばらくすると今度は羽繕いを始めました。
ちょっと呑気にくつろいでるようにも見えますが、羽のメンテも重要です。彼らにとっては必要不可欠な行動の一つなんです。
羽繕いが終わるとまた歩き始めました。
そして再び餌探しです。とにかく忙しい!忙しい!
オバシギは今回のような水田や干潟などで餌を採ります。この他にも磯や河川にも飛来すると言われ、幅広い環境に適応したシギの一つと言えます。
かつては私も内房(房総半島の東京湾側)で群れを観察したこともあります。
しかしそんなオバシギたちも現在は数を減らし、なかなか群れで見ることは無くなりました。いや、それどころか単体ですら見る機会は少なくなりました。
これはオバシギに限らず、近年の数の急激な減少はシギ類全体に見られる現象です。
移りゆく季節の到来を告げる湿地のシギたちは、古来から日本人に親しまれてきました。
彼らのこれ以上の減少に歯止めがかかるよう、切に願うばかりです。
と言うことで今回はオバシギのお話しでした。今回もご覧いただきありがとうございます。
次回も是非!ご訪問お待ち申し上げております。
それでは次回またお会い致しましょう~。
では👋皆々様方~またでーす
ちなみにハシボソガラスのことはこちらで解説してま~す
カラスたちも魅力一杯の野鳥なんですよ。嫌わないでくださいね!↓