まさかのベニバト!
よもや千葉県でこの鳥に出会う日が来るとは、夢にも思いませんでした。
(注意! ベニバトはもう抜けてしまいました。)
(2024.7.1 千葉県)
6月30日の夕方のこと。いつもお世話になっている先輩バーダーのお一人から2枚の写真が送られて来ました。(最近このパターン多いです。)
まさか、、、またこの前のアネハヅルみたいな珍鳥とかではないよね~ハハハ。などと思いつつその2枚の写真を見ると…
(しばし硬直)→(脳内の野鳥リストを再度確認の為、高速検索)→(数秒後…確認終了)→(ではいきます)
きゃ~!!!これって!ベニバト!
(失礼しました。)
思わず一人で叫んでしまいました。(ご安心下さい。自宅です。)
アネハヅルの時同様に、目ん玉飛び出る驚きでした!
ベニバトは全長23センチ程のハト科キジバト属のハトの仲間です。キジバトやドバトなど、いわゆる普通のハトの全長は30センチはあるので、それらに比べかなり小型。日本で記録されているハト類中最小の種です。
雄の頭部は青灰色で、背中から腹部にかけて赤味がかります。雌はほぼ全身褐色。雌雄異色はハト類では珍しいです。(ということで今回、千葉県に現れたこの個体は雄ということになります。)
分布は東南アジアやインドなど。日本では近年、先島諸島の一部で留鳥として生息していると言われます。それ以外の地域では旅鳥や冬鳥として渡来します。ただし、その数は少なくなかなか出会えない野鳥なのです。
嬉しさと興奮で、何なら今から行くか!?などと思いましたが、時間的に無理があるので断念。仕方なく明日行ってみることにしました。
しかしここで気になることが…先輩曰く「ほんの数秒、目を離している内にいなくなってしまった。」とのこと…これってどういうこと?
さてさて、翌日現場へ急行しました。
教えていただいた農耕地へ行くもなかなか見つかりません。話ではドバトと一緒にいたとのことですが…ン~ドバトの群れはいますが…いません。
その内、雨が降って来ました。一度探索を中断し、仕切り直すことに。1時間ほど別の場所で所用を済ませ、探索再開。しかしやはりいません。
現場の状況としては、農耕地を分断するように川が流れています。川は竹や樹木に覆われており、外から見るとまるで林で農耕地が分断されているように見えます。目撃場所はその川のすぐ脇の農耕地です。いちお川の反対側の農耕地もチェックします。しかし…やはりいません。
諦めようかどうしようかと悩みつつ、昼食をとりに現場を離れました。昼食後に先輩に連絡をとると、先輩も現場に来ているとのこと。う~ん!これは行くしかあるまい!三度目の正直!現場へ直行しました。
先輩と合流し、今度は2人で探索です。ドバトやキジバトはいますが肝心のベニバトは…んんん~見当たりません。しかし諦めずに、なおも探します…が…やはり…見つからず…あ~もう~やはりいないのでしょうか?
ほとんど諦めモードの私に、先輩がつぶやきました。「もう少し先まで探してみましょう。あっちにいるかな…」と、少し歩き始めたその時!
小さな赤っぽい鳥が川の林の方へ飛んで行きました。「あっ!ベニバト!いた!」ついにベニバトが姿を現したのです。やはり小さい。一瞬ツグミのようにも見えました。しかし流石は大ベテランの先輩です。もの凄い勘の良さです!
林の方へ行ったということは、反対側の農耕地にいるはず!急ぎ川向こうへ移動します。ちょうど真裏の畑を探します。しかし
いません。おかしい。確かにこちらに飛んで行ったはずなのに…。消えてしまいました。ムムム~💧
先輩は残念ながらここでタイムアップ。用事があるとのことで帰られました。しかし私は諦められません。一度チラ見とはいえ、見てしまったので…どうしても諦められなくなってしまったのです。
再度、先程の真裏の畑に向かいました。すると…ん?…んんんんん~!!!
ぬおおおおおおお!!!!
いた!いた!いた!いた!いた!
可愛い!!!
こんな可愛くて、綺麗なハトがいるとは!
後ろに写っているのはキジバトです。比べるとベニバトの小ささが分かりますよね
地上の餌をついばみます。彼らの餌は草の種子など。
帰ってしまいましたが、これは先輩に連絡せざるをえません。電話をすると、すぐに引き返すとのこと。
電話を終え、さあまた観察するぞと畑を覗くと…あ、あ、あれ?いない!えっ?なんで????
いない。いません。おかしいです。ほんのちょっと前までそこにいたはずなのに?
到着した先輩に「いや、本当に今までいたんですよ。急に消えちゃったんです。」と何だか訳の分からない言い訳をする始末。
一緒にいたドバトやキジバト、ハシボソガラス、スズメまでもが平然と餌をついばんでいます。なので、私が驚かしたとか、何か外敵が来たとか、そういうことではないようです。そうなんです。何故かベニバトだけが忽然と姿を消してしまったのです。
ミステリーだ~。ヒエ~
狐につままれたような気持ちでしたが、それではと、今度は最初に見かけた場所に行ってみました。
あっ!!!
いた!いましたよ。あれれれ?
これって…どういうことよ???
もう何がなんだか意味分からん~
ベニバトの周りには数羽のキジバトがいましたが、しばらくすると1羽が川向こうの方へ向かって飛んで行きます。
するとそれにつられるかのように、ベニバトも飛び立ちました。そうして飛び立ったベニバトは、なんと川沿いの林の中へ入って行ってしまったのです。
ベニバトの隠れ術見破ったり~!!
そうなんです。このベニバト、ちょっとでも周りが動くとすぐに川沿いの林に入り込み、中から様子をうかがい、安全を確認してから再び姿を現す…を繰り返しているようなんです。
これじゃ~なかなか見つかるはずが、ありませんよね。
その翌日も、鳥仲間の方と見に行くことに。
この日はなんと、キジバトと一緒に電線にとまる姿を見ることができました。
(2024.7.2 千葉県)
やはり小さいですね~。
キジバトとの大きさの違いがよく分かります。
この後すぐにキジバトが飛び立ち、ベニバトも一緒に飛び去ってしまいました。
そうして、この日を最後に、ベニバトは確認できませんでした。
今回、たいへん珍しいベニバトに出会えて本当に嬉しかったです。もう少し見たかったのですが…まあこれは少し贅沢か?
さて、先日このベニバトのことを、いつもご教示いただいている方に伝えたところ「野鳥観察する人の目が増えたせいなのかもしれないが、温暖化の影響で、南方系の野鳥の記録が増えているように思える。」とおっしゃっていました。
なかなか見られない野鳥を見るのは単純に嬉しい限りです。でもその背景に何があるのか?または無いのか?いろいろ考察してしまう昨今です。
とはいえ、ベニバトに出会えたことは、単純にたいへん喜ばしいことに違いはありません。
またもし出会う機会があるのなら、今度こそはもっとじっくりと、観察&撮影にチャレンジしたい思っております。
と、言うことで、今回はこの辺で…
最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた次回お会いしましょう。
それでは皆様…👋またでーす