今回は鶴の世界の女王とも言えるアネハヅルのお話しです!
(注意!アネハヅルは現地にはもういません。)
美しきアネハヅル。
(2024.5.27 千葉県)
先月の23日こと。先輩バーダーよりアネハヅルがいる!との緊急情報が入りました。
いただいた写真を急ぎ見ると、えー!!! こりゃマジかいっ!これって、すっごいんじゃーないの!!!しかもド成鳥だよ。
いやはや、目ん玉飛び出るほどの衝撃を受けました!
アネハヅルは全長90センチ程のツル科アネハヅル属のツルの仲間。ツルの中ではもっとも小さい種です。
ツルの中でもたいへん特徴的な容姿で、その最大の特徴は目の後ろにある美しい白い飾り羽。また胸の長い飾り羽も目立ちます。
姿が美しい為、その名前の由来も女性をイメージしており、和名の漢字表記では「姉羽鶴」となります。
(綺麗なお姉様~♡…あっ、すみません。また、オッサンがこんなことを~)
さて、さて、実は彼らはヒマラヤ越えをすることで有名な野鳥です。皆さんもテレビとかで見たことあるかもしれません。
アネハヅルの繁殖地は中央アジアの高原地帯。夏、平原で子育てを終えた彼らは秋に越冬地へと向かいます。彼らの多くはインドで越冬します。遙か彼方のインド亜大陸への旅。しかし、向かう先には世界の壁ともいえるヒマラヤ山脈が立ちはだかります。
7000m超えの峰々を飛び越して行くのですから、その旅路は過酷としか言いようがありません。
とても厳しく、そしてドラマチックかつ雄大な生活史を持つ鳥。それがアネハヅルなのです。
そんなアネハヅルですが、日本へもやって来ることがあります。ただしそれは、ごくごく少ないことのようで、鶴飛来地で有名な九州の出水(鹿児島県出水市は、全国でも有名なナベヅル、マナヅルの越冬地)にでさえ、飛来しても1羽程度。しかも毎年はやっては来ないそうです。ですから他地域で見られることは、なおのこと、珍しいことと言えます。
そんなアネハヅルが、我が千葉県に来たと言うのですから驚きなんです!早速現場へ急行しました。
現場に到着すると…おおっ!
いらっしゃいました!アネハ姉さん!…まあ~雄かもしれませんが…笑(ちなみにアネハヅルは雌雄同色です。)
(2024.5.23 千葉県)
う~ん…気品あるお姿…
(2024.5.24 千葉県)
おお~このポーズ、いいですね~。
(2024.5.24 千葉県)
顔をカキ、カキ
(2024.5.24 千葉県)
お次はノビ、ノビ~。うんうん、こちらもいいですね~。
(2024.5.24 千葉県)
畦から降りて乾いた休耕田へ。
(2024.5.24 千葉県)
何をするのかな?歩き出しました。
草の実かな?ついばみ始めました。
ついばむ、ついばむ…
美味い、美味い、といった感じ?のこの表情。
瞬膜(鳥類と一部の哺乳類にある、瞼の下にある半透明の膜)を閉じていますね。
こっちは何だか笑ってるみたい。
嘴の中には何かがいっぱい…やはり草の実?
拡大すると…おっ、やっぱり。
嘴から種がこぼれ落ちてます。イネ科植物の種でしょうか。
アネハヅルは休耕田に生えた野草の種を、しきりについばんでいたんですね。
乾いた草原で繁殖するだけのことはあって、湿地よりこういった草地を好むようです。ほとんど水をはった田んぼの方には、行きませんでした。
餌採りの後は喉を潤します。結構何度も水溜まりの水を飲んでいました。
羽繕いするアネハヅル。
というか、なんだか凄いところの羽広げてますね。
羽繕いに余念の無いアネハ姉さん。
美しさは、日々のお手入れから
(2024.5.27 千葉県)
畦で何かを捕えました。虫のようです。ヤゴ?かな?
(2024.5.27 千葉県)
片脚立ちしてくつろぐアネハヅル。
(2024.5.27 千葉県)
今回思いがけず珍しいアネハヅルに出会うことが出来ました。
教えていただいた、先輩バーダーさんに感謝、感謝です!
さて、この後アネハヅルは、少し離れた場所に移動しました。移動先では多くのカメラマンさんたちで賑わったそうです。
(私が撮影した時はほとんどギャラリーはいませんでした。)
私は結局3回アネハヅルに会いに行けました。ただ移動先にはタイミングが合わず、出向きませんでした。
現在は飛び去ってしまい、残念ながらもうその姿を見ることは出来ません。
話はちょっと逸れますが…珍鳥が現れると多くのバーダーや野鳥カメラマンが集まる昨今。SNSの影響は凄いですね。
まあ、それは仕方ないことかなあ~とは思います。情報が入れば皆見たいですからね。かくいう私も全く同じですし…。
ただ、人が集まれば必ず出て来るのがマナー問題ですよね。
う~ん、、、なんともこれは避けられない問題でもありますよね。ですから必然的に情報を流さない方向にもなる…これも致し方ないことです。かくいう私も、これも全く同じです…。
でも、なんだか矛盾してますね(笑)
では、理想は何かと言うと、、、多くの人が仲良く野鳥を見られ、かつ野鳥に迷惑をかけない、そして地元住民にも迷惑をかけない…ということです。
なかなか難しいのですが、私が思うに野鳥を観察、撮影しようと思う人間は、まずは何より野鳥を愛すること、そして野鳥と自然をリスペクトすることが大事だと思います。
こんな人生テキトーのオッサンが言うのもおこがましいことですが、真面目にそう思います。
珍鳥だけでなく、多くの野鳥撮影の場面で最近は目に余る行為の多いこと、多いこと。
一部でしょうが、どうも野鳥を物扱いというか、ただの被写体としか見られない心貧しき人が目に付きます。そういう人たちがいる限り、やたらに野鳥情報を流すことは出来ません。
野鳥も物を思い、感じ行動しています。人間と一緒なのです。そこをご理解いただきたい。それが理解できれば自ずと愚かな行動は自制できるはずです。「たかが野鳥だよ。」などとは思えなくなるはずです。
また、初心者の方が知らず知らずの内に鳥に迷惑をかけてしまってる時があります。そういった場合はベテランの方が優しくアドバイスするなどした方が良いかな。まあ~とは言え、私も含めベテランも時にやらかす場合もありますので、ベテラン陣は日々反省が大事ですかね。(笑)
なんだか最後に小うるさいことを書いてしまいました。どうぞ、ご容赦を…
ということで今回は珍鳥アネハヅルのお話しでした。そして、多分次回もアネハネタです。ハハハ
(だって、オジサンは書きたいんだも~ん!)
てなことで、最後までご覧いただきありがとうございました。皆々様方、また次回お会いしましょう~
では👋またでーす