やっと出会えた夏羽のツルシギ!
(2024.4.28 茨城県)
さあ、今回は房総鳥風通信の番外編ですよ~
舞台は隣県の茨城県。夏羽のツルシギ探しのお話しです。
黒いツルシギを見たい!
お隣の県に黒い夏羽のツルシギが来ている…との噂を聞き「う~ん見てみたい。」と、思いつつも、なかなか腰が上がらない状況が続いていた4月の終わり。
そんな折、いつもお世話になっている鳥仲間の御夫婦からたまたまお誘いを受け、思い切って同行させていただくことにしました。(いや~お二人には毎度感謝しかありません。)
朝早くに地元を出発。具体的なポイントを別の鳥仲間の方々に聞きつつ、現地へは8時半頃に到着しました。早速ポイントの田んぼを見てみることに…。
しかし…あれれ?ありゃっ!いません!いません…ま~ったく、、、な~んにも…いませ~ん!
どうやら早朝はいたらしいのですが、飛んで行ってしまったとの話…。すぐにでも見られるつもりでしたが…甘かったようです。
さて…どうしたものか…。仕方なく周囲を散策することにしました。すると、なんとオジロトウネンがいるとの話が!しかもすぐそこにいるらしい!どこどこ?いや~ホント何処ですか?…ん! あっ!
オジロトウネン
いたよ~ん!
いらっしゃいました~。ジロネンちゃ~ん!
オジロトウネンは、全長13センチ程の小型のシギ科オバシギ属のシギ。
冬は南アジアからアフリカにかけての地域で越冬し、夏は北極近くで繁殖。日本へは春と秋に渡りの中継地として飛来します。
ここでは数羽の小さな群れを確認することができました。
今回は残念ながら撮影は出来ませんでしたが、尾羽の両脇が白く、これが名前の由来となっています。
淡水域を好むシギで水田や河川などで見られますが、数が少なく地域によってはちょっとレアなシギです。
ちょこちょこと湿地を歩いては、小さな水生生物を捕えます。
我々野鳥愛好家からは「ジロネン」の愛称で親しまれています。
コジュリン
ジロネンちゃんたちを観察した後もツルシギを待つことに…しかし、来ません。
う~んどうしようかと思案していると、なんと今度はアカガシラサギの情報が入りました!少し離れた場所ですが…。
いや~しかし、これまたレアな野鳥の情報ですよ~!ツルシギは気になるものの、まだ出なそうでしたので、思い切ってアカガシラさんのいるという場所へ向かうことにしました…が…。
現地到着…したものの…です。ウムム…💧
探しました、いやホントここでも探しましたよ…ですが…いません…いないのです…こりゃあ~アカガシラサギにも見放されたか~?
ショックに打ちひしがれる我々の耳に、いつぞやか聞いた、聞き憶えのある小鳥の囀りが入ってきました。
おっ!これってもしや、もしやの…!
あ~やっぱり!コジュリンちゃ~ん!ではないですかー!!
わ~い!
コジュリンは全長14センチ程のホオジロ科ホオジロ属の小鳥です。
雄の夏羽の、黒い頭が特徴的な草原の野鳥。日本とその周辺の極東アジアにのみに住む、世界的にも希少な種。日本での生息地も限られている珍しい野鳥なのです。
この雄はまだ完全な夏羽ではありませんが、しっかりと囀り、テリトリー宣言をしていました。
囀りは近縁種のホオジロに似ています。
ムナグロ
運良く希少種コジュリンには出会えましたが、肝心のアカガシラサギ、そして最大の目的のツルシギにはまだ出会うことが出来ていません。
諦めずに周囲を再び散策していると、数十羽の鳥の群れ。
あれは?
あっ、ムナグロだ。ムナグロの群れが上空を旋回しています!
そして…おおっと、、、あちらに降りたようです。早速降りたであろう方へ向かうことにしました。
ああッ!いた、いた、いましたよ~
ムナグロです。30羽以上はいるようです。
その名の通りの黒い胸。
ムナグロは全長26センチ程のチドリ科ムナグロ属のやや大型のチドリの仲間。ユーラシア大陸北部で繁殖し、南アジアで越冬します。日本では春と秋に見られる渡り鳥。ただし、南西諸島では越冬するものもいます。ちなみに、我が千葉県内でも越冬記録があります。
冬羽は一様に褐色ですが、夏羽ではその名の通り顔から胸、腹部が黒くなり、写真の通りの美しい姿へと変ります。
餌はミミズなどの小動物で、湿地を歩きながら採餌。また、湿地以外のやや乾燥した場所も好む為、広い駐車場やグランドなどにも現われることがあるそうです。主に内陸でよく見かけますが、時折海水域でも見かけることがあります。
ウズラシギ
ムナグロの群れを見ていると、、、あれ?
ちょっと群れから外れた個体が…?あら?これムナグロ…?じゃないよね?
この水際の1羽…あっ!これって…もしやのウズラシギじゃね?
ああ、やっぱり。ウズラシギのようです。
くつろぐ、ウズラシギ。
ウズラシギは全長20センチ程のシギ科オバシギ属のシギ。
ユーラシア大陸の北東部で繁殖し、南アジアからオーストラリアにかけての地域で越冬します。
日本へは春と秋の渡りの時期に、主に内陸の湿地で見られます。
海水域でも見られることもあるようですが、オジロトウネン同様に内陸を好む淡水域のシギです。
全国的に見られるシギではありますが、その数は多くはなくやはりオジロトウネン同様ちょっとレアなシギの仲間です。
ただきっと昔はもっと普通に見られたのでしょうね。環境変化で淡水性のシギ類も近年はかなり減少してしまいました。
今回の目的のツルシギも、実は彼ら同様淡水域のシギです。
とまあこんな具合に、なかなかお目当ての野鳥には出会えぬ今回の鳥見。でも、なんやかやと意外とレアな方々にお会いすることができちゃってますよね~。いやはや、これはこれで、本当に嬉しいことです!
でも、ツルシギに会いたい!アカがシラサギにも会ってしまいたーい!!!
ということで、それらのエピソードは次回、お話し致します~。長くなるので…ハハハ…すんません💧
ということで、今回はこの辺で失礼致します。
皆様、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
では次回をお楽しみに~またお会いしましょう!
では👋またでーす