野鳥好きの皆さんは夏鳥と聞いた時に、どんな野鳥たちを思いうかべますか?

 

だいたいの方はオオルリやキビタキなど、山の小鳥たちを思いうかべることでしょう。

 

しかし実は山だけでなく、海辺にも様々な夏鳥たちが渡って来るのです。

 

今回は、マイフィールドでもある千葉県南部の海辺に渡って来る夏鳥たち、その代表格2種をご紹介しましょう!

 

 

まずはこちら、ササゴイです。ウインク

 

(2024.4.27 千葉県南部)

 

「え?ササゴイが海辺の鳥?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、千葉県南部の一部地域では、海岸林でササゴイの繁殖が見られます。

 

 

ササゴイは全長40センチ程のサギ科ササゴイ属のサギ。

 

ユーラシアからアメリカまで広い範囲に分布しています。日本では南西諸島など温暖な地域で越冬し、春に北上。北は北海道南部まで見られ、各地で繁殖します。

 

主に淡水域で魚類や両生類などをその鋭い嘴で素早く捕えます。また、今回の写真では分かりませんが、その頸もかなり長く伸び

獲物を捕えるのに役立ちます。

 

繁殖は樹上に枝を組んだ巣を作りおこないますが、ここのササゴイの場合海岸林の奥の方で営巣する為、巣の様子は外からは全く見ることはできません。

 

また面白いのはここのササゴイたちは海岸で繁殖するにも関わらず、餌場は必ず河川と決まっています。十数年ここのササゴイたちを見ていますが、ただの一度も海岸やら漁港やらでの採餌シーンを見たことがありません。淡水域を好む彼らですが、海で餌を採ることがないわけではありません。実際、他地域の海辺で採餌している写真を以前見たこともあります。ですが…ここのササゴイたちは、かたくなに拘っているかのごとく、海辺ではなく河川でのみ採餌します。

 

その理由は不明です。

 

でもこれって、以前紹介した川でも餌を採る海のサギ類、クロサギとは逆パターンですよね。

 

ただそんなわけですから、面白いことに当地の河川では、なんとクロサギとササゴイが河川で隣り合っていることもあります。

 

 

そんなササゴイを見ていると…あれ?嘴からはみ出てるのは?魚?ん?びっくり

 

あっ!これってもしやの…

 

やはり。そう、これはササゴイの舌(ベロ)です。

 

ペロリ、ペロリ…と、まるで舌なめずりしてるみたい!(笑)笑い泣き

 

ササゴイはよく餌採りのさなかこのような行動をします。お腹が空きすぎて、獲物の魚を前に思わず舌なめずり?(笑)笑い泣き

なんですかね?

 

この行動の理由もよく分かっていません。でもユニークな行動です。他の鳥ではあまり見られないんじゃないですかね~。

 

ちなみにササゴイといえば確か以前に、木の葉やパン屑などを水面に落として、魚をおびき寄せて漁をすることで有名になったことがありますよね。人間顔負けの、なかなか高度な漁法です。

 

当地では残念ながら、そのような行動はまだ観察されていませんが、それ程高度な技を繰り出すササゴイなら、当地でもそれに匹敵するほどの面白い行動が今後見られるかもしれませんよね。今後も、この千葉県南部のササゴイたちに注目していこうと思っています!ウインク

 

 

続きましてはこちら、コシアカツバメです。

 

(2024.4.27 千葉県南部)

 

 

 

コシアカツバメは全長19センチ程のツバメ科ツバメ属のツバメの仲間です。

 

よく見られるツバメとは近縁種同士ですが、コシアカツバメの方が一回り大きく、ツバメとは違い、下面に縦班が入ります。しかし最も目を引く特徴はその名の通り、腰の部分が赤いこと。ここがツバメとの最大の違い、いわゆる識別ポイントですね!

 

ユーラシア大陸の温帯地域で広く繁殖し、その分布はヨーロッパ南部にまで至ります。日本ではツバメより一足遅れて4月頃に南アジアから繁殖の為に渡って来ます。

 

 

 

本当に腰の赤が目立ちますよね~。おねがい

 

 

コシアカツバメはツバメが人家に好んで営巣するのに対し、コンクリートの建物を営巣場所として好みます。

 

故にここ千葉県南部では、大きな鉄筋コンクリートの建物がある漁港に数多く巣が見られます。また、河口付近に架けられた大きな橋なども、彼らにとっては優良物件です。建物の天井や橋の裏側に徳利型の泥の巣を作り、そこで子育てをおこないます。彼らは、しばしば大きなコロニーを形成し、繁殖をおこないます…が、そうなるとあまり繁殖場所を、知られたくない相手にも知られてしまいます。その相手とはヒメアマツバメです。

 

ヒメアマツバメはコシアカツバメとは巣を巡るライバル同士…と言うよりヒメアマツバメはコシアカツバメの巣を乗っ取ることで知られています。彼らはコシアカツバメが巣の中にいるのを知ると、激しく入り口付近をアタックし、追い出しにかかります。たまらずコシアカツバメが飛び出し空中戦となります。

 

コシアカツバメも飛行能力には長けていますが、ヒメアマツバメはそれ以上の飛行能力を備えており、なかなか敵わないようです。

 

またスズメにも巣を乗っ取られてしまうこともあります。スズメの場合は巣の中に藁屑などを詰め込む為、スズメの繁殖後はコシアカツバメの巣は壊れてしまうことが多いようです。

 

でもこのコシアカツバメの壊れた巣は、ツバメにとっては最高の巣の土台となるようです。

 

そんなわけで、コシアカツバメがコロニーを形成すると、そこにはヒメアマツバメやらスズメやらツバメやらが入り込み、大変賑やかになります。

 

「巣の乗っ取り」などと聞くと一見マイナスなイメージがありますが、実は決してそのようなことはなく、自然界ではそのようにして各野鳥たちの数のバランスが保たれているのです。

 

人間のイメージだけで野鳥を見ぬようにしたいですね!ニコニコ

 

 

ということで、実に簡単ではありますが、千葉県南部の海岸部にやって来る夏鳥の代表格2種、ササゴイとコシアカツバメをご紹介させていただきました。

 

房総半島の海辺にはまだまだ他にも夏鳥たちがいます。砂浜で繁殖するコアジサシや海岸の砂礫の上で繁殖するコチドリも海辺の夏鳥です。また海岸林では近年、キビタキやクロツグミが一部ですが夏の間見られる場所もあります。新人たちではありますが、彼らも立派な海辺の夏鳥と言えますよね。

 

また機会があれば彼らのこともご紹介したいと思っております。

お楽しみに~!(あまり当てにはなりませんが💧(笑)笑い泣き

 

 

 

ということで…今回はこの辺で失礼致します。チュー最後までご覧いただきありがとうございました。口笛

 

では皆様また次回お会いしましょう~口笛

 

👋またでーす爆  笑爆  笑