12月の夕方。子育ても終わり、ゆったりとした時間を磯で過す、クロサギたち…
いや、いや、一見そう見えますが、実は本格的な冬を前に栄養を付ける為、この時期は結構遅くまで採餌をしています。
またクロサギのつがいは、この時期に繁殖場所の下見をしたりもします。
自由気ままな野鳥たちも、意外に忙しいんですよ。
(2023.12.2 千葉県南部)
磯のハンタークロサギの本領発揮!
とりゃ~!!!
とばかり、水中の小魚を捕らえました。
捕らえたのは小魚。スズメダイの仲間のようです。
捕らえた獲物は陸で食べることが多いです。落としたら最後、逃げられてしまいますからね。
ゴクリと丸呑み。実に満足げな表情。
夕方、ねぐら近くの磯で見られた一コマ。ねぐら入り寸前まで餌を獲る個体も少なくありません。
(2023.11.23 千葉県南部)
ねぐらに帰って来たクロサギ。秋から冬のこの時期、夕方の4時から5時頃にかけてねぐら入りが見られます。
(2023.12.6 千葉県南部)
ねぐらのテトラに向かうクロサギたち。
およそ15分おきくらいにやってく来ていました。1羽のものもいれば、2羽連れで帰ってくるものもいます。
(2023.12.6 千葉県南部)
お疲れ様~
今日も餌獲り大変だったでしょ。
ゆっくりお休みなさ~い。
寝室はこのテトラの中です。
(2023.12.6 千葉県南部)
この日、このテトラに入って行った個体は8羽。夕方5時を過ぎると暗くて分かりませんが、もしかしたらこの後も来ていたかもしれません。
クロサギが集団でねぐらをとるなんて、ご存じなかったでしょ?
私も初めて知った時は驚きました。
もっとも集団といっても、おそらくねぐらであるテトラの中では、つがい以外は離れて眠るものと思われます。
クロサギと言えば単独行動をするイメージが強い鳥。実際1羽で行動していることが多いのですが、年間を通して彼等を観察していると、複数で行動するところを度々見かけます。
時にはこん場面も…
ジャ~ン!!
クロサギの群れで~す!
(2014.9.17 千葉県南部)
こちらも群れてます。(先程とは違う年の撮影。)
(2022.8.27 千葉県南部)
クロサギはつがい、あるいは自分の子供以外は、通常他個体を排除します。縄張り意識がとても強い野鳥なんです。
しかし、初夏や夏の終わりから秋にかけてはこのように、10羽前後の集団を形成することがあります。
秋の群れにはその年生まれの幼鳥も加わります。おそらく何家族かが集合しているものと思われます。
これに対して春の群れは、餌場でつがい同士が集まります。
春の場合は、その年繁殖するつがい同士の顔合わせみたいな感じです。餌を探しながらも時折、頸を伸ばして飛んだりします。これは他のつがいに対して、しきりに牽制しているのでしょう。「うちらの方が強いのよ~!分かった!?餌獲りの時もわきまえなさいよ!」みたいなこと言ってるのかもしれません。
ただ最近は繁殖数も昔と比べ減ったせいかこのような彼等の姿は見られなくなってしまいました。
秋の群れの場合は春とは違い全く平和的。相手を攻撃どころか牽制すらしません。縄張り意識の高い彼等とは思えない姿です。
仲良く一緒に飛んで移動することもあります。
秋の群れにはどんな意味があるのでしょう?
個人的には彼等クロサギの天敵ハヤブサ対策ではないかと考えています。
この頃の幼鳥は、もう成鳥並の大きさですし、もちろん自分で餌も獲ります。しかしまだまだ警戒心も薄く経験不足。すぐにハヤブサなど天敵の標的になることでしょう。そこで各家族が集合し、天敵に備えているのかもしれません。クロサギの場合、繁殖期の営巣場所に成鳥と若い個体が一緒にいる場合があります。全くの他人(他クロサギ)の場合、この時期は特に徹底して追い払いにかかります。つまり追い払われないということは、昨年生まれの自分たちの子供の可能性が高いのです。多分親の側にいて巣作りや繁殖の様子を学んでいるのかもしれません。ただし、近づきすぎると成鳥に叱られることもしばしば(笑)。
このようにクロサギは、親子の絆が強いようです。ですから秋の群れは、子供たちの保護の為と考えます…が、幼鳥を含まない成鳥だけの群れを見ることもあり、正確にはまだこの群れの理由は分かっていません。
魅力タップリのクロサギさんたち。今後も彼等の生態をご紹介できればと思います!(まだまだ、お話ししたいことが一杯ですよ~)
ということで、以前のクロサギの投稿も是非ご覧下さ~い
では皆様~👋またでーす