今回は、千葉県のエナガちゃんたちのお話しで~す!
可愛い小さな森の妖精、エナガ。
(2021.11.21 千葉県南部)
エナガ
春の森のエナガ。
(2023.3.21 千葉県南部)
エナガは全長13センチ程の小さな鳥です。ユーラシア大陸中央部から北部に広く分布しており、日本では九州から北海道まで生息しています。一年中見られる留鳥です。
ちなみに、北海道に生息しているこの鳥の亜種があの有名なシマエナガです。エナガとシマエナガの違いは、亜種エナガには黒く太い眉班(びはん)がありますが、シマエナガにはありません。
だから可愛く見えるんですが…
眉のある亜種エナガだって可愛いでしょ
(ん?この子はちょっと眉班が薄いかな?もしやチバエナガ? チバエナガについては後ほど…)
(2021.2.13 千葉県南部)
エナガは1年の多くを群れで行動します。特に冬には大きな群れになり、集団で森や林の木々を移動しながら生活します。
冬の林道を散策していると…どこからともなく、ジュリ、ジュリリ…という小さな声があちらこちらからしてきます。エナガの群れのお出ましです。じっとしているとすぐ頭上を移動して行きます。おチビさんたちのお通り。これが実に可愛い可愛い
1羽、1羽が常にせわしなく動き回り移動していきます。枝や葉で越冬している小さな虫を探しているんです。
群れでいることはエナガにとって大変重要なこと。なぜなら、多くの目があればいち早く天敵の猛禽類の存在に気づけまし、餌となる虫も見つけやすくなるからです。
綺麗なクヌギの花とエナガ…と思いましたが…あれ?これクヌギの花じゃないよ。
この薄いピンクと白のモフモフは実は虫こぶ(虫に産卵された刺激で、植物の一部組織が異常を来たしたもの)。おそらくクヌギハケタマバチによるものと思われます。このハチが花芽に産卵するとこんな虫こぶができると言います。おそらく中にはこのハチの卵か幼虫がいるはず。
エナガのお目当てはどうやらそれらのようですね。しかし、彼等野鳥たちは餌のありかをよく知ってますよね~。
ちなみにこの虫こぶのことをクヌギハナカイメンフシというそうです。(いずれ舌噛みそ。笑)
いやあ~この虫こぶとエナガは絵になりますね
(2023.3.21 千葉県南部)
巣材の羽毛を運ぶエナガ。
(2021.2.13 千葉県南部)
もはや前が見えないのでは…💧
(2021.2.13 千葉県南部)
エナガの幼鳥。
幼鳥ちゃんは、お顔が黒いんでちゅね~。立派に巣立ちまちたね~。エライでちゅね~。あーかわゆい!
(こんなこと言ってるオッサンはキショいと?はい、はい、分かってます。分かってますよ。)
(2021.4.24 千葉県南部)
エナガの繁殖期は他の多くの小鳥たちよりも早く(地域差もあるとは思いますが)千葉県では2月には営巣が開始されます。ですから雛の巣立ちもその分早く、他の小鳥たちが繁殖期に入る4月の後半頃にはもう幼鳥が見られます。幼鳥もすぐに群れで生活するようになります。
エナガの巣は、コケとクモの糸などを使い作られており、丸い形をしています。中には他の鳥の羽毛が敷き詰められ(先程の写真参照)ており、まさにポカポカのあったかマイホームです。きっとまだ寒い時期から繁殖するので、そんな雨風を完全シャットアウトするような、暖かい巣を作るんでしょうね
(ただ、冷静に考えると巣材の羽毛の出所は、当然他の野鳥ですよね。自然に抜け落ちた羽を拾い集めるだけじゃあ足りませんよね。となると猛禽などに襲われた鳥の残骸から…う~ん可愛いエナガがそんな… でもそれが自然界…全てにおいて無駄は無い…なんです。)
チバエナガ
チバエナガをご存じですか?
先程お話ししましたエナガの亜種で、有名な北海道のシマエナガがいます。ではチバエナガとはなんぞや?と言うとこちらは亜種エナガのことです。
ん?なんのこっちゃ?ですよね。
実は千葉県とその周辺地域のエナガの中には、なぜか眉班の色の薄い個体が現れます。完全な真っ白ではありませんが、まるで北海道のシマエナガみたいだね~…ということでこれらの個体を俗に「チバエナガ」と呼んでいるんです。
これがチバエナガです。普通のエナガに比べて眉班が薄いですよね。この個体は特に薄いです。
薄さには個体差があります。
(2021.11.21 千葉県南部)
こちらも薄い。まるでシマエナガ。(ちなみに私はいまだシマエナガにはお目にかかったことがありません。何度も北海道には行ってるんですけどね~。)
(2022.2.22 千葉県南部)
あまり知られていないようですが、眉班の無いタイプのエナガはユーラシア大陸に広く分布していると言われています。つまり世界的にみるとシマエナガタイプが普通のエナガということになります。ちなみに日本の本州以南で見られるような眉班のあるタイプは遠くヨーロッパの方にも分布しているそうです。う~ん不思議。
じゃあ「チバエナガ」は?どういうこと?ってなりますよね。まだよく分かっていないというのが現状のようです。こちらも不思議。
ただ、ヨーロッパの野鳥は日本と共通するものが多いです。これは元々ユーラシア大陸に広く分布していた種が、環境変化で大陸中央の者がいなくなり、その結果東西に残った…みたいなことを前に聞いた気がします。(うろ覚えなんで違ってたらごめんなさい。)ただし、これがエナガの眉班の有る無しや、チバエナガに関わるかは分かりません。でも、色々考察するのは楽しいですね。
イスカの撮影中に偶然現れたチバエナガ。
(2023.10.28)
こりゃレア!イスカとツーショット。
(2023.10.28)
分からないことが多い上に数も少ないチバエナガは割と人気。シマエナガほどメジャーではないものの、これは千葉県のバーダーとしては正直ちょっと嬉しいです。
まあ、個人的にはチバエナガの謎は謎のままで良いと思ってます。ミステリアスな部分も持ち合わせている可愛いやつ。というのも悪くないかな…と。
ということで今回は可愛いくも謎めく千葉県のエナガのお話しでした。
では皆様
👋またでーす