VSR-10 Gスペック パワーカスタム流速γのメンテナンスを行いました。

左:劣化したチャンバーパッキン  右:0.3g弾HOP適正時のパワー

「パワーカスタム流速γ」はVSR-10の高い精度をそのままに飛距離を伸ばしたサバイバルゲーム向けのスナイピングシステムで(0.3~0.33g弾対応)、0.25~0.28g弾の使用を前提としたノーマルGスペックに対してワンランク上の実射性能を誇ります。とは言えその性能も永遠に続く訳ではありませんので今回は4年間の運用を終えた個体を再セッティングすることになりました。

 

長期間ゲームで酷使された流速カスタムというとボロボロなイメージを抱かれるかと思います。ピストンが割れたり亀裂が入ったレシーバーを強化パーツに交換なんてのが定番でしょうか? でも私のカスタムした製品ではそんなことありません。ヘタったパッキン類を交換したり硬くなったグリスを新しくすればまた新品時の性能を取り戻すことができるのはノーマルと同じ感覚です。

 

このGスペックも作動が少しぎこちなくなっていましたが、それは汚れがたまってフリクション(摩擦抵抗)になっていただけで清掃と再グリスアップを行えばまた元の滑らかな作動を取り戻すことができました。

 

パッキン類は新しいものに交換しました。特にチャンバーパッキンは性能の”要(かなめ)”ともいえるパーツですので、パーツ交換だけでなく気密の再調整やHOP機構との兼ね合いをセッティングし直します。

 

4年前と現在では同じ施工メニューでも仕様が異なる場合があります。今回も現行仕様は旧仕様より性能が向上しますので併せて仕様変更を行います。ウェイト重量の変更で旧仕様に対してエアー充填効率は更にUPしました。

 

左:補修前   右:補修後

細かな傷もあったのでタッチアップも行いました。もちろんパーツを新しくすることもできますが、この傷にもオーナー様の思い出があるかもしれません。手入れが行き届いたベテランゲーマーの銃に風格を感じるのは、こういう積み重ねがあるからではないでしょうか。

 

左:0.20g弾ゼロHOP  右:0.30g弾HOP適正時

今回はパワー調整の必要がありませんでした。スプリング自体は長期の使用で多少ヘタっている筈ですが仕様変更と相殺されて出荷時のパワーとそん色ない数値が確認されました。

 

最後に試射を行いスコープの微調整を行えばメンテナスは完了です。性能を再び取り戻したこの「VSR-10 Gスペック パワーカスタム流速γ」も戦場(ゲームフィールド)に戻ってまたオーナー様とサバイバルゲームで活躍することになるでしょう。

 

 

水平射程距離 70m~/0.30~0.33g弾 

有効射程距離 75m~/0.30~0.33g弾 

最大到達距離 95m~/0.30~0.33g弾 

 

以上、VSR-10Gスペック パワーカスタム流速γのメンテナンスの様子をお伝えしました。