トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking -8ページ目

トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking

THE BEATLESファン歴は、約半世紀にて、また、研究し続けて、早40年の、トリジローと申します。

まだ、誰も成し得ていない、全213曲+のランキングと解説を、同時に、そして独自に掲載していきます。

これぞ、究極のTHE BEATLES解説にも挑みます。

★70位

【Yer Blues】

<THE BEATLES>1968.11/22=4:00=

 

ジョン入魂のハードブルース。

大好きな曲である、

 

歌詞の内容はもっとヘヴィだ。

黒人のソウルミュージジャンは、白人の物真似ブルースとROLLING STONESのミック・ジャガーを皮肉った。

そして、ジョンも、昨今ブームになっていた白人ブルースロックのミュージシャンを皮肉って、「お前さんたち(Yer)のブルース」と歌ったのだ。

最初は、Your Bluesだったそうだが、ポールの助言で、Yer Bluesになったそうだ。

更に、ジョンは、この当時、シンシアとの結婚生活に息詰まっていた。自分を高めてくれる知的なヨーコに惹かれるばかりで、息子ジュリアンのこともあり(自身も幼少期に父親が出ていく)悩んでいた。それが、インドでの瞑想から神に近付こうとしたら自殺したくなったという心情も、この歌には込められているのだ。

 

1968年8月13日に、アビーロードの第2スタジオから、狭い部屋にリンゴがポールを誘い、ポールがジョンも誘い、最後はジョージまでも入室して録音が開始された。

昔のキャバーンクラブのようだと、4人がくっ付くくらいの距離で演奏することでパワーが増したと、ポールも語っている。

しかし、ポールが一体感を感じたこの曲に付いては、後日、ジョンとポールの関係が悪化したせいか、ジョンはBEATLESの面々は無視し、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ、ミッチ・ミッチェルらとTVのショーのライブで披露してしまった。ジョンのバックバンドとして、彼等を「ダーティー・マック」と、ポールを揶揄する名前まで使っている。

 

とは書いたものの、やはりBEATLESの演奏は素晴らしいものだ。

何度聴いても、聴くこちら側が妥協を許さない緊張感をもたらしてくれるからだ。

それは、ただのブルースロックではなく、リズムセクションの独特な変化と、曲構成の変化に加え、テンションの音が、ただのブルースにしていない部分が凄い。

構成はもっと凄くて、12/8拍子でありながらも途中で4/4拍子に変わったり、同じAメロをシャッフルのリズムに変えてみたり、リズムのパターンが行ったり来たりしていて、ブルースを演奏しても他者とは違う斬新で画期的なことをやってしまうナイフのような鋭さ。

危険なジョンの最右翼だ。

 

BEATLES史上4曲目となるカウントからの曲入り。リンゴの“Two、Three”から入るジョンの炸裂するギター。単音弾きのギターもジョンだ。最高だ。

そして、ジョンのVoがこの時代の、少し線の細くなったジョンの声のパワフルさには文句の付けようがない。

 

ジョージのギターは、何か妙にクラプトンっぽい気がするのだが、気のせいだろうか?…いや、この時期なら、思い切り影響を受けていた時期だから間違いないだろう。

 

圧巻は、ポールのBassだ。

硬さと重さを兼ね備えたリッケンバッカーでのサウンド作りはさすがだ。プレイも、ブルースとジョンの個性を良く知っている流れで、曲全体を支配している。

リンゴのプレイは手堅いけれど、アマチュア時代から磨いてきているジャンルの安定した“間のある”プレイは好きだなあ。

 

 

 

 

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★71位

【Every Little Thing】

<BEATLES FOR SALE>1964.12/4=2:01=

 

小品だが、ポールの書いた、目立たないが実は名曲というフォークロック調の演奏が魅力的な作品だ。

 

ポールが、当時のガールフレンドだったジェーン・アッシャーのために、ギターで作った曲。

 

少々、強気な男のラブソングだが、メロディアスでありながら、どこか東洋風な感じがある風変わりなメロディで、ギターもそれに呼応するかのような不思議な感覚になり、いついつまでも癖になる曲なのだ。

ポールは、この曲を自信作だと思い、シングルにしようと思ったが、結局はアルバム収録曲になり、残念だったようだ。

普段はブライアン・エプスタインに聴かせることはなかったが、珍しく聴かせていることから、シングルを希望していたというのは本当だったのでしょう。ただ、本人が認めているように、“シングルにするのに必要な何かが欠けていたんだ”とうことなのでしょう。

事実、シングル向きではなく、あくまでアルバムの中で光を放つ“良い曲”なのだと思う。

 

ポールとジョンのツインVoで、Aメロ部もジョンの声が大きくフューチャーされ、サビも主旋律はジョンで、上のハーモニーがポールである。

なので、この曲はジョンの作品では?と思われがちだが、冒頭の一部をジョンが手伝ってはいるものの、ほぼポールの単独作である。

BEATLESの面白いところは、“In My Life”のように、作った本人がメインでは歌っていない場合があるということなのだ。

 

サビで入るリンゴの叩くティンパニの“ド、ドン”のフレーズは印象的だ。これほどメロディと上手く絡む例はないだろう。さり気ないが、見事なアレンジだ。

この曲が収録されているアルバム「BEATLES FOR SALE」辺りから、BEATLESは多彩な打楽器を使うようになったことも、大いきな要因だろうね。

しかし、この時点で、ロックバンドがティンパニを入れようなどと思うバンドなど皆無で、その発想すらない時代に、これをサラッと取り入れてしまうセンスはもはや唸るしかない。

 

イントロ最初の12弦ギターが印象的ですね。

ジョンの弾くJ-160 Eのカッティングはこの曲でも活かされている…というか活き活きしている。

一時期は、間奏のギターはジョージではなく、これもジョンが弾いていると言われていたが、実際はジョージが弾いているのである。

 

イントロといえば、不可思議である。というのは、頭1拍が抜けて、8分の7拍子に聞こえるのである。

実際は、Aメロと同様に、歌い出しが2拍目からなので、そのままのイントロということなのだろうけれど、何気に聴いているとリズムが取れなくなるのだ。

 

ポールは、ヘフナー500/1のBassとピアノを弾いている。

ピアノの低音弦の流れ(クリシェ)も隠し味になっていて渋い。Bassもそれに連動してるのがまた良い。

 

レコーディングだが、第6テイクはポールが歌ってる途中でゲップをしてしまいボツで、第7テイクは最後まで演奏するも、なぜか大爆笑で終わったらしい。

イントロのギター、ピアノ、そしてリンゴのティンパニが第9テイクで初登場。

最終的には、第9テイクが選ばれて収録された。

 

 

 

 

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★73位

【Birthday】

<THE BEATLES(WHITE ALBUM)>1968.11/22=2:42=

 

誕生日の曲と言えば、この曲。

ハードロックカフェでもお馴染みの、誰もが知るバースデー・ロックンロールソングである。

そして、“Day Tripper”と並んで、ギターリフの代表的な曲でもある。

 

1967年9月、WHITEALBUMの制作中の彼等は、関係がバラバラになりつつある時代だった。

しかし、この曲は、4人参加の、4人同時演奏のとても一体感のあるバンドサウンドで嬉しくなってしまう曲でもある。

 

ポールが、インド滞在中に誕生日を迎えたパティ・ボイド(ジョージ夫人)の為に書いたという説もあるが、ポール自身によれば、6日後に迫ったリンダの為に曲を作っていたというので、正確な理由は分からない。

ただ、一気に、Birthday Songが浮かんできたのであろう。

この日は、慌ただしい日である。

というのも、この日は、映画「The Girl Can' t Help It」(邦題:女はそれを我慢できない)がTV放映される日だったのだ。

この映画は、音楽業界が舞台の映画で、ロックンロールのスター達が多く出演した。彼等にとってのヒーローだったジーン・ヴィンセント、エディ・コクラン、リトル・リチャードなどのステージ映像を観ることが出来る貴重なことだった。 だって、時は1960年代で、ビデオやDVDなどない時代だったからだ。

それを知った彼等は、レコーディングを中断してまで、夜、ポールの自宅で皆で観たという。それからまたスタジオに戻り、レコーディングを続けたのだ。

上記で書いた、この日は圧倒的に4人は久々に仲が良かったのだ。だから上記で、一体感があったと書いたのは、そういうことなのだ。この日は、昔ながらのバンドの結束が蘇った。

 

まずは、夕方にポールがスタジオに1番乗りで到着した時には、“Birthday”のリフを弾いていた。他のメンバーが到着するまでの間に、曲のほとんどをスタジオで書き上げていたのだ。

それで、一気に4人で演奏となり、午後8時半頃までにバッキングトラックを録って、映画を観に行って、再び、オーブーダブの録音をして、明け方にはモノのリミックスまで終了していたというのだから、気持ちもノッていたようだね。

 

演奏はというと、まず、ドラムインのリンゴのDrからしてカッコイイ!

で、珍しいDrソロパートがあるにも拘らず、リンゴは頭打ちでビートを刻むだけ(さすが、ソロ嫌いが徹底している!)だが、逆に、これがその後の“Yes We’re Going To A Party Party”のEコードになる部分での一気の解放感に繋がっていくのだからナイスアレンジなのである。

 

久々のポールとジョンとツインデュエットも嬉しいし、サビではジョージも加わるハーモニーもナイス。

ポールの弾く歪ませたエレピの音も良いセンスだね。

あとは、パティやヨーコもコーラスで参加。実は、どうやらリンダも参加してるらしい。

 

そして、何といっても、キーがAからCに移行するサビの転調が最高だ!

 

曲はポールだが、歌詞はジョンとの共作、それも50=50だ。

 

シンプルなロックンロールの中でも、これだけ様々な要素が効果的に使われている。 これこそがBEATLESなのだ。

 

 

 

 

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★74位

【The Fool On The Hill】

<MAGICAL MYSTERY TOUR & EP>1967.11/27=2:57=

 

恐らく、ポール・マッカートニーという人以外は絶対に誰も書けないだろうと思う、個性際立つ牧歌的な名曲。

 

ドラムが、ハイハット以外入っていない、完全に普通のロックという概念から遠く離れ切っている感じがポイントだ。

しかも、POPSともかけ離れているような浮遊感で、メロディ自体の素朴さと、少し寂しげな伴奏が良くマッチしている、シンプルかつ素晴らしいアレンジだ。

 

何といっても、D6の6thのコードのピアノで始まるオープニングである。これに尽きる。

そして、そのピアノ中心の曲ではあるものの、主役は、ポールのVoと歌詞も然ることながら、やはり印象的なポールの吹くリコーダーの音色でしょう。

 

BEATLESは音楽的なことは(音楽的理論から外れているものも含めて)何でも曲の取り入れていて、スタイルというものはないが、それでも、彼等を特徴付ける要素はある。

それらは、転調だったり、独特なハーモニーだったり、クリシェだったり、変拍子だったり…等いくつもあるが、それらの他に代表的なものとして、6thのコードと、メジャーキーとマイナーキーの転換というものがある。

この後者2つが、色濃く出ているのが、この“The Fool On The Hill”である。

歌パートの「Day after day, alone~」は、D6→G6の繰り返しで、「But nobody~からは、Em7→A→D6→Bm7→Em7→Aと続き、サビの「Fool on the hill~」でDm→Gm7→DmとDからDmにマイナーに転調する。

これぞ、BEATLESである。そして、ポールでもある。

 

ポールがBEATLES時代に書いた歌詞のベストの1つでもあるでしょう。

そもそも、ポールは、圧倒的に音楽家としての側面が際立っていて、作詞家としての評価はジョンが偉大過ぎることもあって、正当な評価がなされてなかった。

今でこそポールの歌詞の評価は高いものの、当時は、BEATLESの楽曲の全部は、作詞がジョン、作曲がポールなんて誤解してる人がいたくらいだから、評価はされていなかった。

ジョンはこの詞に感銘を受けたようで「あいつには、完璧な歌詞を書ける能力があるってことさ」とインタビューで語っている。

 

楽器関係は、ポールは、Voとピアノとリコーダーの他、Bassとアコースティックギターを弾いている。

この曲調と、入れる楽器を考えれば、ポールのソロ的な要素が強いので、この時期からすると他のメンバーが不参加なんてことも有り得るのだけれど、全員参加なのである。

このレコーディングの1ヶ月前に、マネージャーのブライアン・エスプタインが亡くなっており、彼等に結束感をもたらしたのではないだろうか?

ジョンはバスハーモニカを吹いている。

なんと、ジョージも吹いているのである。これがなかなか渋い。ジョージはギター(J-160 E)も弾いている。

リンゴは、Dr.とマラカスで参加している。

あとは、隠し味的にフルートが入っているが、これは外部ミュージシャンであるが、基本はほぼBEATLESのメンバーで演奏されている。

ちなみに、このフルートの録音が、ステレオとモノで違っている。

 

ヴァンギャルドでハチャメチャな映像が多い映画「Magical Mystery Tour」の中で、唯一、シリアスな場面は印象的だ。

この撮影は、フランスの美しきリゾート地であるニースで行われました。メンバーではポール1人と撮影スタッフだけで行われた。

 

余談だが、この時に、ミュージックライフ初代編集長の星加ルミ子さんがスタジオにいたのですが、そこには、すでにヨーコがいたという(2人の会話はなし)。

おかしななことに、ジョンが初めてヨーコをスタジオに連れて来たのは、自身で“Hey Bulldog”の時と発言していたが、すでに、この“The Fool On The Hill”のレコーディング時に、スタジオのいるのである。

どういうことだろう?レコーディング自体は見ていないということだろうか?

 

 

 

 

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★75位

【Being For The Benefit Of Mr. Kite!】

<SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND>1967.6/1=2:36=

 

ジョンの傑作と書いておこう。

 

「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のプロモーション・フィルムのロケで訪れたケントのセブン・オークスの骨董屋でジョンが見つけた古いサーカスのポスターから書き上げた曲である。

歌詞に登場するミスター・カイトはじめ様々な登場人物はこのポスターに書かれているものをそのまま使ったとジョンは証言している。

 

ジョンは「本当にカラフルなサーカスの感じが伝えれるといいんだけどなとジョージ・マーティンに言う。

サーカスの情景を音にするために八方手を尽くしてスチームオルガンを探したものの結局手で弾けるものが見つからず、スチームオルガンの音源からジョージ・マーティンは電気的な処理を施した特殊なサウンドのエフェクトテープを作り上げた。

サウンドに関しては、常に抽象的なアイデアで明示してくるジョンにマーティンは困ることになるが、ポールは明確な音のイメージを持っていたので、挫折せずに済んだのであろう。

そういう意味で、ジョンとマーティンよりも、やはりポールとマーティンのコンビの方が相性が良いのだろうね。

但し、出来上がった作品は、労力を費やした分、今聴いても、音の洪水のような見事なサウンドになっている。

正直言えば、原石である元の曲のレベルは決して高いものではないと思う。しかし、だからこそ、ここまで装飾した意味があるのだと思う。

 

アルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」はポール主体のアルバムだが、この作品の中では、“A Day In The Life”を除けば、ジョン単独作としたら1番の傑作だと個人的には思う。

あと、作品の評価が分かれる曲でもある。

しかも、A面ラストを飾る曲が他にあるかと言えば、やはり、ピタリこの位置に置くことのできる曲は、この曲しかないのである。

そう、アルバムラストは“A Day In The Life”しかないが、その系列の作品だともいえると思うのです。そう、“A Day~”のPOP版ともいえるもので、メロディラインが何とも特徴的で普通の作曲家はこんなメロディなど考えもつかないだろう。

 

演奏的には、メンバーの凄いと思えるものは多くない。

但し、ポールのBassだけは別だ。

このポールのBassがユニークで、間奏部のメロディと連動するような譜割りにも拘らず、まったく違う音階を弾いているのである。いわゆる対位法に近い。

リッケンバッカーの固い音がそれを更に印象付ける。

どんなにサウンドエフェクトしても演奏のイメージを持つポールはやはり、さすがだ。

 

良く、5人目のBEATLESは誰?と言われたりする。それが、ブライアン・エスプタインだったり、ビリー・プレストンだったりといろいろ言われる訳ですが、間違いなく、このアルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」における5人目のBEATLESは、間違いなくジョージ・マーティンであろう。

それくらいの、凄いサウンドをこの曲(そして、アルバムで)では作り上げている。

 

 

 

 

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★76位

【Here Comes The Sun】

<ABBEY ROAD>1969.9/26=3:05=

 

何と言っても、繊細に歌うジョージのVoと、Vo以上に語るアコースティックギターが素晴らしい、ジョージの後期のシンプルな名曲。

 

木漏れ日のような、陽光を求める英国人らしさが出ていて、情景が浮かびますね。

透明感あふれる雰囲気が楽曲から溢れ出ていて、本当に美しい。

 

アップルの重役としての責務や事務処理に疲れ果てていたジョージは、会議をサボって、エリック・クラプトンの家に行き、アコースティックギターを借りて、庭でひなたぼっこしている時に出来た曲である。

 

この高音域のアルペジオの弦が美しく響くジョージのアコースティックギターは、実際のキーはAだが、7カポでDのコードで弾いている。Dのコードは響きが良いからね。

BEATLES好きのギタリストは誰でも1度は弾いてみたことがあるんじゃないかな。

そして、この曲は変拍子も多いのだけれども、それを全く感じさせない自然さというのも凄い。

 

この時代に登場したモーグ・シンセを一早く使ったジョージは、この曲に見事に溶け込ませていて、まったく不自然さのないアレンジだ。イントロからして効果的に使っているね。

アレンジと言えば、この曲についてポールがアイデアを出そうとするとジョージは、“このままで問題ない”“君の意見は聞いていない”と突っぱねたそうだ。

1969年のジョージの自信の表れであり、最後の最後でポールへの反感も強く主張するようになった。

実際に、ポールのアイデアは今となっては知る由もないが、この曲アレンジはこれで完璧であろう。ジョージは成長して、完全なるソングライターになったのだ。

 

昔から思っているのだが、サブの部分の”Sun Sun Sun Hear It Comes~♬“は、何故、6回も繰り返すのだろう?…正直、ここはダレるし、4回で良かったのではと未だに思うのである。

しかし、この部分のリンゴのDrは素晴らしい仕事をしているね。出過ぎない程度に盛り上げている。

ポールのベースも当然、素晴らしいが、上記のようにアレンジには口を出すなと言うジョージに遠慮してか、“Something”のような凝ったプレイはしていない。でも、一級品のプレイ。しかも、ポールのベース以外の何物でもない。

そうそう、サビのコーラスは、ジョンが不在なので、ポールとジョージの2人でハモっているが、これが見事だ。実に美しい2人のハーモニー。

 

実は、この曲、アルバムからシングルカットされたのは日本だけなのである。それだけ日本で人気の高い曲なのだろうと思う。

そうそう、ジョージはこの11年後、ソロアルバム「慈愛の輝き」で“Here Comes The Moon”という姉妹曲を発表している(こちらは、少々イマイチですが…)。

 

単なる偶然だが、結果として、ジョージはソロになってから才能を開花させたのではなく、BEATLES最後のアルバム「ABBEY ROAD」に名曲を2曲も収録したことが重要な気がする。

やはり、ジョージもまた、紛れもない才能あふれる1人のビートルだったのだ。

 

 

 

 

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★77位

【I Should Have Known Better (恋する二人)】

<A HARD DAY’S NIGHT>1964.7・10=2:41=

 

BEATLES上級者がいつまでも好きな、ビートポップスの名曲。

 

ジョンの素直でストレートなラブソングは、少し気恥ずかしい分、逆に心に沁み渡る。

 

まず、バース、ブリッジ、サビと全部のメロディが良い。

 

喉かなハーモニカなどを吹きながらもゆったりと進む。

(ただ、このハーモニカのフレーズは吸いっぱなしでキツいらしい)

アコースティックなギターの響きと、時折入るエレキの音が良い感じ。

ジョンのボーカルもいい具合に枯れている。

そして、サビの最後に来るジョンのファルセットの声が肝だと思う。ここに到達する為にこの曲はあるのだ。

今、思うと、この曲がいつまでも飽きずに聴ける最大の要因は、そのジョンの艶のある声なのだと気付いた。こんな明るいビートポップスでもどこか哀愁を帯びるジョンの声もそうだ。

ヴォーカリスト・ジョンの1番声が輝いていた頃のすべてが詰まっているのだと思う。

 

そのジョンのVoだが、ダブルトラックで歌っているのだが、サビだけはシングルトラックなのである。

その経緯についてははっきりはしていないが、ジョージ・マーティンの手腕ではないかという考えと、サビのダブルトラック部に何か問題があり、そこを1番ベストなようにマーティンがミックスしたのではないかと推測する。

 

しかし、Voといえば、最初の歌メロ“I Should Have Known Better~”の最初“I”の一言で、1小節半の長さ(凄い長さだ!)があることに気が付いている人はどれだけいるのだろうか?

どうして長くしたのか、それはジョンのみぞ知る…かな。普通はこのようなメロディは考え付かないのだが、そういうところがジョンやBEATLESのセンスであり、個性なんだと思う。

 

楽曲的に言えば、リズム隊はいたってシンプル。BEATLESの他のどの楽曲よりリズムはシンプルなのではないだろうか。

ジョージのリッケンバッカーの12弦ギターは印象的だ。鐘の音のような硬い音が癖になる。

ジャカジャカ鳴らす(褒めている)ジョンのJ-160Eはいつもながら心地良い。

 

モノとステレオでは、イントロ最初のハーモニカが違う。

4回目で一旦途切れるステレオVer.と違い、モノはそのままストレートに4回吹いている。

 

日本では、丁度、映画公開を相俟って、洋楽シングルチャートで4位まで上昇する大ヒットとなった、日本では特に人気の高い曲の1つである。

 

 

 

 

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★78位

【Mother Nature's Son】

<THE BEATLES>1968.11/22=2:47=

 

歌詞の通り、自然への慈しみが感じられる、抒情性が溢れんばかりの美しいフォーク調の調べの、ポールの隠れた名曲。

 

ブラス(ホルンなど)やティンパニなどが入ってはいるが、大袈裟でない小品に仕上げているところが素晴らしい。

 

美しいメロディに比べ、軽快なアルペジオ風に弾くポールのフィンガーピッキングは、“Blackbird”もそうだが、非常にどの曲も独特で、誰にも似ていない「マッカートニー奏法」と言えるものだろう。

 

ポールによると、リンダと親しくなった頃に、ナット・キング・コールの曲を参考に作ったものだと言っている。

インドでのマハリシ・ヨギの自然に関する講義に感銘を受け、リバプールに帰ってから書き上げた曲でもある。

同じ講義に刺激を受けたジョンがこの時に作ったのが“I’m Just A Child Of Nature”という曲なので、2人は、そういう似たテーマをそれぞれの違う解釈で作ることも初期からあるから、こちらの話もまたポールにしてもなくはないのだろう。

ちなみに、ジョンの上記の曲は、後年、歌詞を書き換え、ソロアルバム「IMAGIN」に収録する。そう、あの“Jealous Guy”なのである。

 

この曲は、ポールのソロ作品と言っても良い。何故なら、他の3人のメンバーは参加していないからだ。

ジョージ・マーテインとの作業だ。クラシックアレンジはマーティンと相談して進めている。もちろんレコーディングも。

ところが、余りにも美しい曲調とは違うちょっとした美しくないことが、この曲の打ち合わせ中に起こってしまう。

打ち合わせは、ポール、マーティンとスタッフだけで和気あいあいと楽しく行われていたが、どういう訳か、そこに、別のスタジオにいたジョンとリンゴが現れてしまうのだ。

一瞬にして現場は凍りついた。

「また、ポールが1人でやってるよ」

ポール側はもちろんのこと、ジョンとリンゴも居心地の悪さを察知し、すぐにスタジオを去った。

この話の通り、当時の彼等は、完全に互いの気持ちが離れていった時で、時には険悪になることもあった。

どんなに衝突したり、嫌な雰囲気になっても、余計な口を挟まない中立で温厚なリンゴも、この時だけは思うところがあったのだろう、この曲の追加録音がされた2日後に、リンゴは一時的にバンドを脱退してしまうのである。

そう、この時だったのだ。

ちなみに、ジョンとリンゴがスタジオから去った後は、また何事もなかったかのように和気あいあいと打合せしていたそうな…怖い!

 

楽曲の話に戻そう。

このポールの弾くアコースティックギターの響きの美しさはどうだろう。しかも、歌とスキャットに溶け込み方が素晴らしいとしか言いようがない。

そこに、控えめなホルンの調べが更に効果的に生かされている。というか、一層、曲を引き立てている。絶妙と言って良い。

この曲が収録された「WHITE ALBUM」をバラバラな音楽として、余り評価していないジョージ・マーティンも、ここでは、見事なポールとのコンビネーションだし、いぶし銀の仕事ぶりだ。

 

コードは、低音弦のDを基調とした、変化のある構成で、Gm7やCMaj7などの洗練されたコードが溶け込み、ポールらしさがとても出ているのである。

Drととティンパニも、ポールの演奏。

 

録音は、24テイク録られ、24テイク目をリダクションした26テイクに、廊下に置いたドラムスの録音を追加して終了した。

 

 

 

 

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★79位

【The Ballad of John and Yoko】

<Single & PAST MASTERS Vol.2>1969.5/30=2:58=

 

ジョンが、ヨーコとの結婚した時の気持ちや前後の騒動や出来事を歌ったジャーナリスティック・ソングだ。

 

そんなこんなの事を一早く、“旬なうちに!”と、音楽として完成させたかったジョンは、録音に間に合わないジョージとリンゴの参加を待てずに、ポールに強く誘いかけ2人だけでスタジオに入ってしまう。

そう、この曲は、ポールと2人だけでレコーディングした貴重な曲でもある。

当時は、ヨーコ介入でBEATLESからジョンの気持ちが離れて、険悪なムードすらあった中で、さすがのポールでさえ嫌気が差していただろうその中で、お人よしのポールは良く参加したもんだと思うが、ポールは何だかんだと、やっぱりジョンに惚れているので(笑)、ついつい参加してしまう。

いや、実際、ジョンの誘いは嬉しかったはずだ。それに、音楽作りはもう、三度のメシより好きな人なので(^^;。

ジョンも実は、メンバー全員や、ジョージ・マーティン始めスタッフなしの、ポールとのサシの音楽作りからの録音は興奮したはずだ。

実際、2人は、和気あいあいと、凄い楽しい雰囲気でレコーディングしたと証言されているのだ。

その証言者こそ、かのジェフ・エメリックだ。

WHITE ALBUMでのレコーディング不和から、BEATLESから離れていたメインエンジニアのエメリックにジョンから声をかけたのだ。もちろん、ジョージ・マーティンも。

エメリックは、自分すらも楽しかったレコーディングと後に回想しているのだ。

しかも、このレコーディングが楽しかったことで、後にポールからABBEY ROADへのエンジニア復帰の際にOKしたのだから、この曲がなければ、あの大傑作は生まれなかったかも(少なくとも少し違う形で)知れないと思うと、結果論だが、大きな意味があったのだなあと思うのである。

 

さて、楽曲に話を戻そう。

3コードで、こんな良い曲は滅多にあるものじゃない!

そう、この曲は、3コードなのである。しかも、初期の初期はともかく、1969年の後期BEATLESでね。ジョンの才能の爆発である。

 

で、2人だけの録音と書いたが、Voはもちろんジョン、そして、ギター。

ポールは、DrとBassを頼まれて快諾したが、ピアノやバッキングVoに加え、マラカスまで振っている。

レコーディング中に、ジョンが言ったという。

“リンゴ、もっとテンポを上げて”

ポールが答える。

“OK、ジョージ”

個人的に言えば、もし全BEATLESのレコーディングの中で1曲だけ見学出来るよと言われたら、この“The Ballad of John and Yoko”だと答えてしまうかも知れない。

 

ジョンの弾くギターリフが癖になるし(左右から聞こえる音像も◎)、ポールの1人リズム隊(Dr&B)は、シンプルだけど軽快かつ程良い重さがあって良いプレイだ。

2人のデュエットも申し分なし。

途中で入るタメのブレイクのアレンジも絶妙!

ポールのピアノもカッコイイ。

 

録音からミックスまで、たったの9時間という素早さ。

そして、ステレオのみのミックスの初めての曲ともなった。

新しい時代の始まりであり、ある時代の終わりを告げていた。

 

ジョージは、自分とは関係のない曲と皮肉っぽく突き放していたが、リンゴは、以前のポールと2人だけの録音を例に出し前向きなコメントを残している。

 

この曲を聴くと、いつも思うことがある。

BEATLES解散は避けられなかったとしても、10年位してからまた互いのソロ活動とは別の”ジョン&ポール“というユニットもやろうと思えば出来たのじゃないかと、もはや今となっては夢物語だが、いつも妄想してしまうのだ。

 

 

 

 

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★80位

【Ticket To Ride (涙の乗車券)】

<Single & HELP!>1965.4/9=3:09=

 

パワーポップの元祖的な楽曲。

メロディラインとポップな流れなのに、サウンドはソリッドで結構ヘヴィな、完成度の高い初期の傑作。

それが何十年経っても、また聴きたいと思わせる魔力の成せる業がこの曲にはある、ジョンのお気に入りのナンバーだ。

 

60年代前半の当時の音にしては重たいサウンドで、リンゴの叩く、フラム打ちという3泊目と4拍目の両スティックをズラしながら叩く奏法が、この曲の核となっている。

この叩き方は、ポールのアイデアなのだ。リンゴはDrパターンに悩んだ時は、いつもポールに相談していたようで、この曲に関してはベストアイデアなのではないかな。

対応したリンゴのドラミングは素晴らしい。しかも、1曲の中で、4パターンのリズム変化をさせているのも、さすがリンゴで、彼等がリズム面でも大きな成長と躍進をしていることが分かる。

 

なので?…この曲はBEATLES初の3分台の曲となっている。

 

この曲でも、斬新なことをやってのけた。

というのは、エンディングの“My Baby Don’t Care~”では、フェイドアウトしていく中で通常ならテンポを落とすことはあっても、早くすることはまずない。それをやってのけたのだ。

このアイデアは、ジョージ・マーティあたりかなとは思うが、その斬新なセンスたるや、次々と新しいことをロックの1Pに加えてしまう初期の彼等には脱帽するしかない。

しかも、ただテンポを速めただけではない、別の曲になるような繰り返す展開を見せた。もっと斬新である。当時としたら、驚くしかなかったであろう。

このエンディングへの曲調を変える展開は、その後、“Hello Goodbye”や“Hey Jude”などに受け継がれていくのだ。

 

イントロのジョージのギターの単音リフも、この曲のイメージを決定づけている。

リードギターは意外やポール。この時、初めてポールがリードを取った曲となった。Epiphone Casinoだ。左きき用に、弦を逆に張り替えたそうだ。

ポールはBassも弾いているので、ギターはオーバーダブ。

 

そして何といっても、ジョンの歌唱力!

何と、この時期のジョンの声は、艶のある声だろうと、男でも色気を感じてしまう。

曲中に2回、サビに入る直前に、ジョンの“アア~”の甘い声が入る。これは、ジョンにしか出せない声だ。

 

しかし、これだけの凄いことをやっているにも拘らず、録音は2テイクのみでOKとなったのだ。時間にして3時間強だそうだ。

それに、いろいろオーバーダブをして完成。映画用ということもあったけれど、チャートの1位になる。

あっという間に作り、あっという間に大ヒットさせてしまう。楽曲にも、当時の彼等にも勢いしか感じられないのであった。

 

数少ない、ポールとジョンの意見が分かれる曲。

ジョンは、上記のポールのアイデアくらいで自分の曲と言っているが、ポールは曲自体(歌詞はジョンだが)は6割は自分が書いたと言っている。

 

繰り返すが、パワーポップの元祖的な楽曲。

 

 

 

 

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