トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking -5ページ目

トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking

THE BEATLESファン歴は、約半世紀にて、また、研究し続けて、早40年の、トリジローと申します。

まだ、誰も成し得ていない、全213曲+のランキングと解説を、同時に、そして独自に掲載していきます。

これぞ、究極のTHE BEATLES解説にも挑みます。

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★39位

【All You Need Is Love」(愛こそはすべて)】

 

全世界に生中継され、10億人の人が観たと言われる伝説の曲である。

 

しかも、ジョン作のこの名曲の前のイントロに、ブラスサウンドのフランス国歌のイントロで始まることが、驚きと共に、余りに印象的である。

 

この曲は、紐解けば、紐解くほどに面白い。

まず、ライブ活動をやめてしまったメンバーに、マネージャーのブライアン・エプスタインが苦労して、凄い話をまとめてきた。

衛星を通じて、全世界に、BEATLESのレコーディング風景を中継するというものだった。

かつて、BEATLESを世界に売り出したこの敏腕マネージャーが絶対の自信を持って来たこの仕事に、メンバーは冷たかった。

彼等もライブ活動をやめた後にすぐに公に演奏する仕事を嫌ったのも分かるし、アルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」の製作中」だったというタイミングも悪かった。

しかし、彼等はこの仕事は受け入れた。しかし、ブライアンは傷つき、これが決して原因ではないが、やがて悲劇が起こる…。

 

驚くのはそこからで、最初の驚きは、まず、こうだ。

1番やる気のなかったジョンに、あと、2週間に迫っていた放送に、“TV中継用の曲は進んでるかい?”とポールが聞くと、“じゃあ作ってくるよ”と言って、サラッと、こんな名曲を作ってきてしまったことだ。

この頃のジョン(とポール)は神懸ってるとしか思えない。

 

次の驚きは、全世界の生中継なので、全部を生で演奏するのは危険と考え、バッキングトラックをまず録音したのだが、当然、歌も口パクでという提案をジョンが嫌い、生で歌うと言い出す。

すると、ポールも、なら俺もBassを生で弾くと言い出す。ジョージにもソロを弾かせようとしたが、さすがにスタッフは反対した、しかし、当のジョージは弾くと言う。

リンゴのドラムだけは、録音のマイクの問題上、難しいので、先に録音したものを流して、それに合わせることとなった。

何が凄いって、そこに生のオーケストラと共に演奏するからだ。タイミングを含め、バンドサウンドと合わせるのは非常に難しいのだ。しかも、全世界生中継の生演奏である。

しかし、彼等は見事に成し遂げた。

ジョンの作った楽曲も名曲だが、この映像を観ると、未だに観る度に感動する。

 

さて、楽曲だが、ジョンお得意の変拍子の炸裂だが、この曲は露骨に凄い。

イントロのコーラスの“Love Love Love~”から、4分3拍子、4分3拍子、4分4拍子となり、歌い出しても、この構成は変わらない、非常に凝っている(まあ、7拍子ともいえる)。

この不思議さを醸し出す雰囲気は、ここにまずあるのである。

 

何より曲自体の放つメッセージから、何となくソロ以降のジョン・レノン作品にまで繋がる要素がすでにここから垣間見れるのだ。

曲調としての優しさや幸福感。そして、ジョンの代名詞的な「Love & Piece」がある。

歌詞には、ジョンのソロまで多用して続くスタイルが、この曲で初めて出る。

そう、“All You Need Is Love”が、“Love Is All You Need”という “逆もまた然り”となるという逆さまフレーズだ。

 

演奏面は、ブラスオーケストラが入ることもあり、彼等にしては普通だが、エンディングにはいろいろな曲のフレーズが入っている。

グレンミラーのIn The Mood、Green-Sleeves、初期のビートルズのYestedayやShe Loves You まで入っている。

ユーモアに富んだアレンジも嬉しいのだ。

 

ジョンは、ハープシコードを弾いている。後は、あまり聞こえないが、J-160 Eの他にもバンジョーも弾いているようだ。

 

テレビ放映されたレコーディング風景のバック・コーラスには以下のような著名人が参加した。

ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、キース・ムーン、エリック・クラプトン、ゲイリー・リーズ、マリアンヌ・フェイスフル、グレアム・ナッシュ、ハンター・デイヴィスに加え、BEATLESの身内のジェーン・アッシャー、パティ・ボイド(ハリスン)、マイク・マッカートニー(ポールの弟)などが参加した。

 

ジョンは、ガムを噛みながら歌っていた。ジョンらしい(笑)。

 

余談だが、ジョージが出来もしないのにヴァイオリンを弾きたがって、抱え込んだまま離そうとしなかったらしい(苦笑)。

 

 

 

 

 

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★40位

【Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band】

世界の音楽シーンに衝撃を与えたアルバムは、この曲から始まった!

 

ロックアルバムの概念のみならず、オープニング曲の概念すらも変えてしまった序章的な一遍でありつつも、普遍的なロックの1曲としても優れている点に敬服するしかない。

 

とにかく、ポールの情熱と勢いを感じさせない訳にはいかないアルバムであり、楽曲である。

それは、演奏や録音面での八面六臂の活躍(少し我も強い・笑)を見せることからも分かる。

まず、ポールの中にはすでに曲の完成形があったようで、ジョンに対して、“どうしたいかはっきりと分かっているので、リズムギターを自分に弾かせてくれ”と言い、あのディストーション強めの、後のハードロック的なギターサウンドと、チョーキングを混ぜた見事なリズムギターを録音することになる。

 

ジョージのギターのカッティングも良く呼応しているし、リンゴのタムの音もクリアだ。

そうである、このアルバムからら、今では当たり前すぎるレコーディング方法である「ライン録り」が初めて使われたのだ。

なので、Bassのフレーズは後からじっくり考えられるようになったとポール自身、後に語っている。

8分で駆け上がったり、下がったりするランニングベースは、これでもかと縦横無尽に動いている。

(この曲と連動する次曲“With A Little Help From My Friends”のベースプレイはもっと動き回っている)

そうそう、リンゴのドラムと言えば、この曲でも、今では当たり前となっているバスドラの表皮を外し、毛布などを入れての録音をしている(初の試みはTomorrow Never Knowsである)。

彼等は、エンジニアのジェフ・エメリックと共に、どんどん音楽の常識を崩し、革命を起こしたのだ。

 

そして、この曲の、もう1つのポイントは、とことん曲に挿入される「SE」だ。

まず、オープニングのクラシック奏者のチューニングの音やお客さんの雑踏音。

途中で入る、お客さんの歓声、拍手、そして笑い声。

終盤のロックバンドへの歓声。

 

また、フレンチホルン系のブラス(4人)が随所に登場し、派手なギターサウンドとの対比が美しい。

ドラムもギターの入る部分では、ハイハットをハーフオープンにして重々しい 8ビートを刻み、ブラスが入る部分では聞こえないくらい小さく叩いている。

というか、これは後から、ジョージ・マーティンが消したものだろうか?…1回目だけ2小節目だけ小さくスネアの音が聞こえるからである。その真偽は?

 

この“Sgt. Pepper~”という発想は、後のロードマネージャーであるマル・エヴァンスが、飛行機の機内食で“S&P”と書かれた袋を見て“ソルト&ペパー”と声に出したことで、ポールが思い付いたと言われています。

 

とにもかくにも、ビートルズ自身が架空のバンドになり、そのライブを収録するという演出には全く恐れ入る。

良く、このアルバムはコンセプトアルバムアルバムではないという意見も聞くし、BEATLES自身も否定している。

しかし、このライブ活動をやめたBEATLESに代わり、別のバンドに扮した4人がライブ仕立てのスタジオアルバムを作るというコンセプトは、もうすでにコンセプト以外の何物でもない。

それも違うよ、A Day In The Lifeはコンセプトとは違うよと言うのなら、トータルアルバムという表現で良いと思う。

 

この曲は、ポールの独壇場ともいえる楽曲だが、このアルバム…いや、この曲の登場が、バンドのリーダーがジョンからポールに移った瞬間でもあった。

 

 

 

 

 

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★41位

【Norwegian Wood =This Bird Has Flown=(ノルウェーの森)】

 

幻想的で文学的な雰囲気を持つ、BEATLESの全楽曲の中でも異彩を放つ、トラディショナルでフォーキーな名曲、

 

旋律は内向きに、能天気なロックやポップスは影を潜め、芸術性が発展し、ジョンの声にはかつての熱はもうここには無い。

比喩を用いた歌詞も明らかに以前とは違う。

ジョージが苦労してダビングしたシタールが部分的に曲の輪郭をなぞるが、それ以外はほぼ装飾が無いにも拘らず、妙な空間の広がりを感じさせる曲。

 

曲自体はAメロ(主題)とサビ(Bメロ?)だけという意外性。

コードも5つしかない(E、Em、A、F#m7、B7)非常にシンプルな構成であるが、何だろう、この音空間の広がりは。

このシンプルさで、こんな幻想的な名曲が書けてしまうことに驚くばかりだ。

 

サウンド的にはシタールが登場するなど新しい面もある。

ノルウェーなのになぜインド楽器のシタールを用いているのか不可解ではあるが(笑)・

これは、ジョンがアレンジに煮詰まっていて、そこに偶然、ジョージがロンドンで買ったシタールがあり、ジョンがそれを使いたいと言ったことが正解らしい。

12/8拍子という、ゆったりとしたリズムを持つこの曲には、とても良くマッチしていると思う。

 

AメロではEメジャー、BメロではEマイナーと同主調の転調が雰囲気を醸し出している。

BEATLESお得意の同主調の転調であるが、Bメロはポールが曲を書いている。

確かに、ポールの書くメロディだね。Bメロの上のパートを歌うポールも綺麗なハーモニーだ。

 

演奏は、ジョンのJ-160Eがメロをなぞるようなコードで始まり、そこに、上記のジョージが弾くシタールがジョンのフレーズを強調するように弾く。

ジョージは、12弦ギターもリズムを絡めながら補っている。ジョージの味付けの仕事ぶりはパーフェクトだ。

Bassは曲調ゆえ控えめだが、要所で小技が効いている。

 

タイトルと曲調だけのイメージだと、「ノルウェーの森の中で彷徨うような…」そんな歌詞かなと思われがちですが、これはジョンの浮気の歌です。

まあ、当時の妻であるシンシアに悟られないように書いたと後年に語っているし、綺麗に言えば、当時シンシアと余り上手くいっていないジョンの心情を表した曲ということでしょうね。

最後に火を付けて彼女の部屋を燃やしてしまうという歌詞のアイデアはポールの発案のようですね。

というか、ポールによれば、ジョンが書いたのは最初の一行だけで、後は共作だそうです。

 

この曲のタイトルは、高嶋弘之氏が邦題を付けたが、本人が認めているように「最大の誤訳」である。

直訳だと“ノルウェーの木材・松の木(または家具)”ですが、実際は、“ノルウェー産の木材を使った家具”というものでしょう。

 

この曲はボブ・ディランから影響を受けてジョンが書いたと言われており、ディランはこの曲のアンサーソングとして“4th Time Around”という楽曲をリリースしている(アルバム「Blonde On Blonde」に収録)。

ジョンはこのことに関して気分を損ねたが、ディランは他意はなかったと発言している。

 

 

 

 

 

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★42位

【Don't Let Me Down】

 

ジョンの魂の叫びが聴ける名曲!

 

かの、ルーフトップコンサート(アップル屋上ライブ)でも有名な演奏だが、公式Ver.で発表されたものは、直前にスタジオで録音されたものだ。

 

独特の拍子回しからサビで一気に突き抜けていく曲調が特徴的。

歌の内容はもちろんヨーコに向けたものである。

ジョンは当時、結婚していて、ジュリアンという子供を授かりますが、運命の女性ヨーコと出会ってしまいます。恋に落ちたジョンとヨーコの2人は、この時期、ヘロインなどの薬物依存の状態で、奇行や争いが絶えませんでした。それでもジョンはヨーコを心底愛しています。

 

イントロからサビの後のヴァース部の歌い出しだけ、ジョンお得意の変拍子が登場。

しかも、1小節だけ4分の5拍子になるのだが、この1拍長い、ねちっこい引きずるような歌い方が大好きだ。

 

ポールのBassは同じフレーズの繰り返しはほとんどなく、まるでアドリブのように聞こえるが、実は良く計算され尽くしたプレイだ。

何回かあるブレイクも全部違うフレーズで、弾かない場所もある(それで、リンゴのハイハットだけが聞こえる箇所は、実は大好きである)。

そのリンゴの連打されるシンバルの音がとても印象的に響く。これは、ジョンから派手に叩いてくれと指示があったからである。

 

ジョンの弾く甘く歪んだ音が良い感じを出して、かつフレーズもとても良い。

 

そして、何といっても、この曲のみならず、「ゲットバックセッション」に途中から参加したビリー・プレストンの功績は誰しもが認めるところだが、この曲でのエレピのプレイ(フェンダーのローズピアノ)が特別、素晴らしく、他の曲に比べても貢献がやはり1番大きいと思う。

何せ、ビリーのエンディングのソロでこの曲は終わるのだから。

いきなりの要請での参加にも拘らずビリーのプレイが素晴らしいのは、もちろん若くして(15才から)リトル・リチャードのバンドでキーボードを弾いていた才能があるからこそだが、やなり、BEATLESとは旧友というか、旧知の仲だったことは大きいだろう。

映画「GET BACK」を観ても、最初は少し緊張気味のビリーもすぐに打ち解けて、笑顔を見せているからね。

 

ポールと口論になったジョージが出て行き、スタジオに戻る条件の1つとしてビリーを連れ来たこともあり、ジョージは、ギクシャクした場が解消し、一時的に良い雰囲気になったと回想したが、しかし、リンゴは言う。

“雰囲気が良くなったのは、ビリーが来たからではなく、取り掛かっていた曲が良かったからさ。良い曲を演奏してる時は、嫌なことは忘れてやるべきことに戻って、没頭するのさ”と。

何か、リンゴって良いなあ。現場では黙っていることが多くても、凄く考えてる。

 

この曲は、まさしく「ゲットバックセッション」で演奏されたにも拘らず、不思議なことに、アルバム「LET IT BE」に収録されなかった。

フィル・スペクターは何を考えていたのか不明である。まあ、諸事情で、先にシングルで出したことも理由としては大きいのでしょうが。

なので、シングルのみのVer.(なので、Past Masters Vol.Ⅱ収録)しかない。後に、ルーフトップの2つのVer.を編集して「…Nakid」に収録されてはいるが…。

 

カヴァーが多いことでも知られている。

黒人アーチストも多いようだ。

 

 

 

 

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★43位

【She Loves You】

 

本当の初期BEATLESで、1番最初に思い浮かぶのは、まずこの曲であろう!

この曲で世界は、BEATLES旋風が巻き起こったと言っても過言ではない初期の代表曲。

正に、“Yeah~Yeah~Yeah”という彼等の代名詞と共に永遠に残るアンセム。

 

“She Loves You”は、4枚目のシングルで、イギリスのポピュラー音楽に於いて、初のミリオンセラーとなった曲でもある(166万枚以上売上)。

その記録は、やがてポールのバンドWINGSの1977年の“Mull of Kintyre(夢の旅人)”に抜かれるまで、14年間不動であった。

もっと言うと、1984年のチャリティーソング“Do They Know It's Christmas?”に破られるまで、栄光では、BEATLES関連者が21年もの間、その記録を持っていたのである。

 

また、アメリカで最初に発売されたBEATLESのシングルでもあります。

 

楽曲は、ジョンとポールの共作曲だが、ややポール寄りの作品である。

1963年当時、この曲が画期的だったのは楽曲のサウンドの衝撃だけではなかった。

それまでのポピュラーミュージックは、“私(僕)”と“君”しかなかったものが、第三者が登場するという、それまでになかったシチュエーションを作ったことにもある。

これは、元のアイデアはポールで、普通なら“I Love You”と歌うところを、敢えて“She Loves You”としたのである。

ジョンによれば、“僕は自分個人のことを歌にすることがほとんどだが、ポールは後々、第三者が主人公の歌を書く傾向になる。この曲が多分、最初の兆候だろう”と語っている。鋭い指摘だ。

 

そして、もう1つ画期的なことがある。

今度はジョンだが、リバプールでは、“Yes”の代わりに“Yeah”と発音したりすることから、それを取り入れたのだ

この「Yeah」というキーワードは、言わずもなが、後のビートルズナンバーにも解散直前まで多用され、BEATLESのイメージを決定づけたワードと言っても過言ではありませんね。。

それは、その後、世界中の若者に使われるのである。

そして、BEATLESは、意味不明の言葉を使う若者達の象徴ともなっていくのである。逆にいうと、当時の大人達からは嫌われることともなったである。

この部分は当初、「♪yes yes yes」と控えめにし、リードボーカルと分けた追っかけコーラスにする予定だったが、これに反対したのがジョン。

「yes」を地元訛りの「yeah」に変え、更にリードボーカルがそのまま歌うという、敢えて作り込んだ形ではなく、荒削りさを前面に出す作戦を取ったのです。

その衝撃度は、説明不要ですね。

 

更に、もう1つ画期的なことがある。

それは、音楽的なことだ。ハーモニーである。

“♬~She Loves You, Yeah Yeah Yeah Yeah~”と4回目の“Yeah”だけ、ジョージのハーモニーが加わり、3声になるのだが、この加わった音が、6th(6度)の音なのである。

ジョンは3度、ポールは5度と、ここまでは普通のハーモニーだが、まさかの6度のハーモニーが入ったのだ。

Jazzには良く出てくるハーモニーではあるのだが、1962年のポピュラー音楽で、そんな和音を入れた人は、それまでにはいなかったのである。

 

演奏面だが、ドラム、ベース、リズムギター、リードギター、デュエットとコーラス、当時のバンドとしての演奏力は高い。

ただ、完成版は、いくつもの編集が成されており、この曲の細かいデータがないので、分析は難しい。

特にリンゴのドラミングが素晴らしい。いきなりイントロのドラムは、Aメロで3連符的なフレーズが入ったり、ブレイクもあり、見せ場は多い印象です。Aメロではタム系のビートで、Bメロではハイハットをしっかり鳴らすアレンジになっていますね。

ジョンとポールのデュエットも絶好調で、上のパートの躍動感も凄い。

 

4枚目のシングルにして初めてハーモニカも追っかけコーラスも登場しない、ハードで超どストレートなロックンロールナンバーは世界を制したのでした。

 

最後に、有名な話ではありますが、この曲はモノラルミックスしかなく、ステレオミックスは存在しないということ。

今では信じられないことだが、発売後元のテープが破棄されているので、ステレオミックスが作れないのである(涙)。

 

 

 

 

 

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★44位

【Paperback Writer】

 

BEATLESで1番ドライブ感を持った曲なのではないか。とにかくノリが最高だ。

曲がキャッチーなのでそうは感じないかも知れないが、これは後のハードロックのサウンドに近いのである。しかも、時はまだ1966年なのである。

(モノラルVer.の方が、サウンドが強く、全BEATLESの中でも出色の出来。但し、ステレオVer.も個人的には大好きである)

 

冒頭の複雑なコーラスワークはビーチボーイズにインスパイアされたものだが(左右に振れるので、ステレオVer.を意識したものだろう)、7声のコーラスをポール、ジョン、ジョージの3人で多重録音している。

相当に凝りに凝ったアイデアを詰め込んだと思われます。

 

同じく、ポールのBassもまた盟友のブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズ)に影響を受けたもののようだ。

ルート音を敢えて外れてリフを引き続けるベース、まるで、もう1つの曲があるようなくらい存在感を放っている。

イントロのBassが入ってくる箇所は、未だに鳥肌が立つ。

 

そして、イントロ冒頭から入るギターリフがまた非常にカッコいい。弾いているのは、ポールだ(エピフォン・カジノ)。

Bassはもちろん、これらのリフと歌に付随するコーラスが合わさって強力なドライブ感を生み出しているのだろう。

 

そして、曲の後半から入る不思議なコーラスがまた印象深い。

ファルセットで歌っているのだが、これは“Frere Jacques”と歌っているのだが、これは、同名のフランスの童謡で、ファルセットを歌ったグループの名前らしい。ポールのアイデアらしいのだが、摩訶不思議なことを取り入れるものだと驚くばかりだ。

しかし、このコーラス、ジョンとジョージの2声だが、コードはGのままなのに、1音づつ上がっていくので、未だに不協和音っぽく聞こえる。

 

それから、サビの終わりで一旦、歌と演奏が途切れるパートでの、ポールのVoのエコーの残響音が鮮やかで、この曲を彩っている。

 

この曲は、ポールにしては珍しく「詞先」(詩を書き、後から曲を付ける)の曲でもある。

ジョンの家に向かう車の中で、朝に読んだ新聞記事からヒントを得て、曲を作ろうと思い立ち、ジョンの前で歌詞を書いた。

ペイパーバックの小説家になりたいと売り込もうと手紙を書く文面で歌詞を書こうと思い付いたら、ジョンが“それだ!”と賛同したことから始まったようだ。

 

そして、特筆しておくのは、この曲が、世界初のPV曲(プロモーションビデオ)であるということだ。

もちろん“Rain”と両A面なので、こちらの曲も世界初なのだが、何せ、英国では口パクや諸々をBBCが禁止していたので英国では放送が出来ず、こちらは英国国内用にもう1本作られたことで曖昧になってしまった感があるからである。

なので、この曲を、世界初のPVと、ここでは認定します。

ジョージ・ハリスンは「MTVは僕たちの発明品だよ(笑)」と、冗談半分、本気半分で語っている。

ちなみに、この曲の1年前の1965年、ボブ・ディランの“サブタレニアン・ホームシック・ブルース”が初PVと言う人もいるが、「DON’T LOOK BACK」というボブ・ディランのドキュメンタリー映画の1シーンに使われた物なので、厳密に言えばPVではないのである。それを言ったら、BEATLESの映画「A HARD DAY’S NIGHT」の方が先ということになってしまうからね。

 

この、八面六臂の活躍のポールの作り上げたサウンドは、ポール自身が初期のジョンから移って主導権を握った最初ではないかと思うのである。

偶然ではあるだろうが、ジョンの“Rain”がB面で、これ以降、圧倒的にポールの曲がA面に多くなっていく。

 

この曲は、リリース当時は、無意味に派手で内容の乏しい作品だとして、それほど評価が高いとはいえなかったが、後年、ぐっと評価を上げた曲でもある。

個人的には初めて聴いた当初から名曲と思っていた。そう、大名曲なのである!

 

 

 

 

 

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★45位

【No Reply】

 

アーチストへと変化した彼等の初期の名曲!

 

ビートルズの英国での4枚目にあたるオリジナルアルバム「BEATLES FOR SALE」の1曲目に収録された、フォーク・ロック調のナンバー。

 

初期のBEATLESのアルバムの1曲目は、イントロなしの歌から始まる曲が多いが、メロディで歌い出すインパクトは強烈だ。

しかも、あのジョンの声だ、初めて聴いた人は、ガツーンとやられるだろう。

更に、最初に出てくる1コーラス目のサビの“I saw the light, I saw the light”のジョンの切ないほどの絶唱が心に訴えてくる。

正に、歌い出しで心を鷲掴みにされ、サビでトドメを刺される感じですね。

ジョンのVoって本当に凄い。

但し、上のパートを歌っているのはポール。ジョンを活かすポールの高音域のサポートも大評価です!

 

楽曲としては、実にシンプルではある。しかし、同時期の他のマージービート勢とは明らかに一線を画す作曲力でもある。

それに加え、彼等にしては構成もアレンジもシンプルなのに迫力あるサウンドに感じるのは、やはり初期の彼等の演奏力と勢いであろう。

 

このアルバムを作る前に、BEATLESの面々は、ボブ・ディランと出逢います。

ディランは、楽曲を褒めながらも、“君たちの曲には中身がないね”と言います。これを言われたジョンは怒るかと思いきや、妙に納得し、自分の詩作を見直し始めます。

詩作に変化が現れた、そんな “No Reply”。

これまでには見られなかったシリアスな雰囲気と同様、詩作にもジョン独自の進化が見られる最初期の例です。

「彼女を他の男に取られる」という、これまでにも取り組んできたような失恋ソングですが、よく聴いてみると、情景描写がこれまでになく豊かになっていることに気づくでしょう。

 

コード進行は、F6→G6→C6などの、BEATLESといえば得意の…というか必殺の6thの連打である。

それと、上記でも書いたサビのサビの“I saw the light, I saw the light”の部分は、同じメロの繰り返しでも、最初がAm、2回目がFM7と変化を付けているのもポイントだ。全然、印象が違います。

あと、中間部のパートで、通常ならAmの箇所をAメジャーで弾いている、メジャー←→マイナーを行き来する彼等の王道スタイルが感じられますね。

そうすることで、ピリっと辛口になるんですよね。歌い出しから哀愁感はがある曲なので、さり気ないけれど、曲作りの上手さを感じます。

 

演奏に関しては、リンゴが地味に良い味を出していますね。

出だしのリズムパターンはボサノバ風なアプローチで、スネアの位置も明らかに8ビートのそれではないし。

 

また、この録音に先駆けた1964年6月3日は、リンゴが扁桃腺のための病気でツアーを休む事になり、この日に代役のジミー・ニコルとのリハーサルが行われたのだが、そのリハーサルが終わった後に、この曲のデモテープが録音されている。

正式には、9月30日に録音。8テイク目でOKとなった。

 

余談ですが、この曲は、発売から20年後に本国の英国では、留守番電話のバックのBGMに良く使われるようになり、近年まで頻繁に使われていたそうです。

 

 

 

 

 

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★46位

【Rain】

 

この曲は、ロックバンドとしてのBEATLESの最高到達点です。

 

とにかく演奏がカッコ良い!

ポール・マッカートニーとリンゴ・スターという最強のリズム隊、彼らの残した数々の名演の中でもこの曲はベスト・オブ・ベストだと思います。

特に、恐らくリンゴは、この曲でのプレイがベスト1でしょう。

ミドルテンポでフィルインの連発とブレイクを繰り返しまくるドラムが饒舌に歌っている。

まず、イントロ頭の「ダダン!ダダン!」と強烈なドラミングで始まる時点でノックアウトだ!

 

ポールのBassも負けていない。

ジェフ・エメリックが“Paperback Writer”で作り上げたBassの1音1音のクリアさがポールを更にフレーズの工夫に走らせる。その究極のメロディベースの完成形の第1弾とも言える。

2コーラス目も同じには弾かない、フレットの上から下まで自由自在に弾きまくっている。

 

ジョージのギターは、インド音楽風の単音を弾いていて、曲の不思議さを高めている。こういうセンスはジョージにはいつも感心させられる。

 

プレイ面ばかりを先に書いてしまったが、楽曲自体が素晴らしい。

ドライブ感と渋さが同居したような凄み。そして、ジョンのクールな歌唱。

作風もジョンそのものようなタイプだが、ポールによると共作らしいのだ。

 

ジョンの歌詞は、“雨が降ろうが晴れようが、僕の気持ちは左右されない。すべては心の持ちようだ”という哲学的な内容は深みがある。

 

そして、この曲は、史上初めて、逆回転のサウンドを取り入れた曲でもある。

偶然の産物でもあるのだが、きっかけは、録音テープをジョンが間違えて逆再生したことに始まる。これを気に入ったジョンは、これを楽曲の中に取り入れたかった。

この曲を今聴いて思うのだが、逆回転はもちろんのこと、リンゴのDrパターンといい、かの問題作“Tomorrow Never Knows”へと繋がっているのではないかと。

まあ、レコーディング時期はほぼ同じなんだけどね。

あと、演奏したテープ回転を落としている。つまり、演奏したキーではなくVoは録音されて、また上げているのである。

 

第5テイクにポールのベース、タンバリン、そしてジョンの追加ヴォーカルをオーバーダブし、一旦リダクションして第6テイクを作成。

モノラルリミックスを4通り作成し、更に、4この中からリミックス3を選んで、シングル用とした。

尚、ステレオミックスが作られたのは1969年。アメリカ編集盤「ヘイ・ジュード」に収録するためのものである。

 

世界初のPV曲は、“Paperback Writer”とこの曲であるということが定説となっている。

(この辺りのことは、“Paperback Writer”で詳しく書いているので参照してください)

このPVは、実は2種類作られている、野外で撮影されたカラーのものと、スタジオでのモノクロものだ。

当時、英国では、BBCが禁止していた為に、口パクのものは放送出来なかったというので2種類作られたのだ。

(今観ると、カラー版が口パクで、モノクロ版が歌ってないので、本当はおかしいのでありますが…歌ってなきゃOKなのかと?)

 

熱狂的なビートルファンには、“Rain”は、「史上最高のB面曲」と言われている。

 

 

 

 

 

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★47位

【Hello, Goodbye】

 

史上最高のPOPS!

誰でも覚えやすそうなキャッチーでPOPSの金字塔みたいな評価(反評価も)がありますが、実はもっと奥が深い曲なのです。

 

確かに、ポールが作ったこの音世界はカラフルで、POPSとはいかにあるべきだを突き詰めたような作風です。

実際、音や歌詞の遊び方は半端ない。

しかし、この遊びで、こんな名曲がサラッと書けてしまう才能って何?と思わされますよね。

 

まず、歌詞は中学生でも分かるレベルの単語の羅列である。

“You say yes, I say No…You say stop, I say go go go… ”と単純に始まり、すべて反意語で歌詞は最後まで埋められている。

これって、とても何かとても哲学的でしょう。

ポールはインタビューで、“すべてと無についての歌”と答えている。

 

面白いのは、音もこれに呼応するかのように反意語?してる点だ。

具体的には、本編の歌い終りの“And I say hello”の箇所でジョージのギターは「ドレミファソラシド」と敢えてシンプル極まりなく上昇していく中、ポールのBassはCから2音づつFまで下降していくのだ。

お遊びといえばお遊びだが、ちゃんと音楽的に成立させて作られていること。

 

「ドレミファソラシド」といえば、コーラスの“Hello goodbye Hello goodbye”も同じなのである。

こんなドレミ~で素晴らしいメロディに聴かせてしまうのはもうマジックでしかないよね。

 

歌い出しのコードは、F6から入る、

おっ、F6とは、“Fool On The Hill”と同じ手法の6thからの歌い出しか?と思いきや、キーはCなのである。凄いな、F6から入るって…。

 

演奏面では、ポールのBassのみながずピアノの分数コードやクリシェが、POPな中に渋さを出している。

サラっと聴いてしまいがちだが、間奏部のリンゴのドラムプレイは素晴らしい。珍しく手数が多く、アドリブだとは思うが繰り返しにならないフレーズにハイハットの裏打ちも曲を活かし切っている。

ジョンはオルガンだが、この人、鍵盤は上手くないんだが、オルガンは時々、良い味付けを出してくる。この曲が良い例だ。

 

そのジョンは終生、単純な歌詞と能天気なこの曲を嫌っていたというが、自分では傑作として自信作だった“I Am The Walrus”が、この曲のB面にされたことが原因だったようだ。

だって、ジョンは、ラストのアウトロの部分については、“お気に入りのTicket To Rideと同じように、エンディングは抜群だ”と発言しているのだから。

そのエンディングですが、ジョンでなくても、この曲の肝と言って良い程、素晴らしいパートだと思う。正に、かの“Hey Jude”のエンディングと双璧だろう。

ファンは皆、知っているが、一般の方は“Hela say hello”と思っている人が多いだろう。

正確には、“Hela Heba Helloa”と歌っている。

このエンディングはメンバーのアドリブで作られた。

 

さすがに、完成までには22テイクを要したようで、それが納得出来るサウンドに仕上がっている。

 

 

 

 

 

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★48位

【You Never Give Me Your Money】

 

かの有名かつBEATLESの最後を締める「ABBEY ROADメドレー」の1曲目である。

そして、驚くのは、1曲目にして、すでに1曲の中だけで3曲のメドレー形(5つのセクションの組曲)になっているのが圧巻である。しかも、4分という曲の中で。

(ジョン版の組曲が“Happiness Is A Warm Gunなら、ポールのはコレでしょう”)

 

初めて聴いた時には、この構成の曲調のせいか、6~7分の曲を聴いた気がしたものだが、実はたったの4分の曲なのである。

天才は、4分でも、こんな複雑な曲を作れてしまうことを痛いほど思い知らされたものである。

 

実に手の込んだ曲で、細かく解説すると、とんでもない長文になってしまいそうだが、簡潔に書いてみたい。

この複雑な構成は、突然、考えたものではないことは明白だ。ポールの中で事前に出来上がっていたものだろう。

ジョンは、例の交通事故の為にレコーディングには不参加で、バッキングのギターはジョージだろう。

しかし、ポールは大忙しで、メインVo、1人3声コーラス、ピアノ、Bass、リードギターまでこなしている。

もちろん、アレンジや、繋ぎや構成までもジェフ・エメリックに指示していたと思うし。

曲の流れで変幻自在に動き回るベースラインは、最後の“1.2.3.4~”の部分でのねちっこいフレーズまで隙がない。

ねちっこいといえば、ポールのリードギターもポールらしさが出ている。ジョージのギターでないことはすぐに分かる。

ピアノは言うに及ばず、美しくも悲しいフレーズだ。

 

この1曲にしてすでに3曲のメドレー組曲は、まったく違う曲調ゆえに、意識してポールは違う歌い方をしている。

Amで始まる冒頭のバラード調の甘い歌声、中盤のエルヴィス風、最後のストレートなポールの歌唱法と。

ポールの、数々のBEATLESの曲で歌い分けてきたメインのVoスタイルが、1曲で全部、聴けてしまうのも凄いなあと思いつつ、それだけでも、この曲を聴く価値があると断言出来る。

しかも、ヴァース部(と言って良いか?)の2回目から入る3声のコーラスも、すべてポールの声である。

ジョンとジョージの声がないのは寂しいが、とても美しいコーラスである。

もう、ポールの声の独壇場曲の最右翼的な曲でもあるのだ。

 

歌詞は複雑ながらも、タイトルはもうストレートなものだ。

「君は決して私にお金をよこさない」

歌詞の内容とは別腹に、作者が苦しい立場にいることが、いろんな歌詞で表現されている。

要は、法的にも金銭を管理していたアラン・クラインへの痛烈な批判でもある。

 

この曲を何千回と聴いてきたが、いつ、このイントロを聴いても、“ああ、BEATLESの終焉が始まるんだな”と悲しい気持ちになってしまう。

歌詞の内容とは裏腹に、そんな境地になってしまうのだ。

 

 

 

 

 

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