トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking -13ページ目

トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking

THE BEATLESファン歴は、約半世紀にて、また、研究し続けて、早40年の、トリジローと申します。

まだ、誰も成し得ていない、全213曲+のランキングと解説を、同時に、そして独自に掲載していきます。

これぞ、究極のTHE BEATLES解説にも挑みます。

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★121位

【Do You Want To Know A Secret】

<PLEASE PLEASE ME>1963.3/22=1:56=

 

デビューアルバム「PLEASE PLEASE ME」に収録された、ジョージVo曲。

ジョージが歌ってはいるけれど、作者はジョンである。

 

まだ、ジョージのVoの力を認めていなかったジョンは、この狭い音域ならジョージ向きと、自分的には他愛もない曲をジョージに歌わせたのだと思う。

ジョンが言うには、“この曲の自分のボーカルが気に入らなかった。僕はどう歌えばいいか分からなかったんだよ”と言っているが本心であろうか?

しかし、これは、本当に良い曲だと思います。何か、未だに聴いても、夢心地になるというか…。

確かに、中間部は、取って付けたような平凡なパートではあるけれど(このパートは、ポールが作ったような気がする…)。

もちろん、ジョンが歌っていたら、軽くシャウトして、もっと良かったとも思うけれど。

 

元になっているのは、アニメーション映画「白雪姫」に登場する曲で、ジョンが幼少期に母親のジュリア・レノンに歌ってもらった「I'm Wishing(私の願い)」の影響を受けている。

 

1963年2月11日に行なわれた10時間に及ぶセッションでレコーディングされたが、録音には6テイクを要した。

ただ、アレンジはシンプルで、簡単なコーラスだけでハモリもなく、演奏も必要以上のことはやっていない。

ポールのベースも半音ズレて間違っている箇所もあるし、ジョージ自体が歌詞を間違えている(“A”を“The”と歌ってしまっている)

しかしながら、アコースティックギター2本の響きは素晴らしく、音も良い。それにリズム感が何ともいえず心地良い。

 

少し悲しげなイントロから、一転して明るく爽やかな曲調にというのは個人的には大好きな流れで、持っていかれます。

Emから入っての、スパニッシュな雰囲気も大好きだ。

あと、彼等お得意の、そして大好きのクリシェ(半音落ちコード)がすでに、この曲に登場している点も見逃せない。

 

ポールのベースもランニングしていて、とても効果的だ。

リンゴのスティックを打った音や、Voやコーラスにも、彼等にしては珍しく深いエコーがかかっているのも印象的だ。

 

アメリカでは、1964年にヴィージェイ・レコードからシングル盤として発売され、Billboard Hot 100で最高位2位を獲得した。

この曲が記念すべきジョージがメインVoを取る、初めてのヒットシングルになったのである。

 

しかし、ここで歌う「秘密」とは、ブライアン・エプスタインのことだったと知った時の衝撃は…ありましたね。

 

 

 

 

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★122位

【I'm So Tired】

<THE BEATLES(WHITE ALBUM)>1968.11・22=2:02=

 

あの“I’m Only Sleeping”の流れを組む、いや、それ以上の気怠さが充満の、余りにジョンらしい曲である。

インドでの日々にやや疲れを感じていたジョンは、禁止されていたタバコやアルコールが恋しくなっていた。1番恋しかったのは、当時、気持ちを寄せていたオノ・ヨーコだった。

しかし、同行したシンシアがいるので諦めた…それが歌詞にどこまで反映されているかは不明だが、そんなこんなの、もどかしい思いのジョンのストレートな心の叫びの歌だ。

 

こういう“眠れないよ”“疲れているんだ”ということを歌詞にしてしまうのがジョンであり、ポールは絶対に書かないタイプの歌詞でもある。

 

こういう曲をカッコ良く聞かせられるジョンのVoはやはり強烈な才能である。

ジョンのVoはダブルトラッキングで、初期の頃の力強いVoと、後期の軟弱なVoの両方が聴ける。

ジョン自身は、Voもサウンドもお気に入りの1曲であるいうことを言っている。

という訳なのか、レコーディングはたった1日で終了しているのである。まあ、シンプルな曲でもあるけれど。

 

コード進行は、一応ブルーステイストだが、ジョンがやるこのどんよりした雰囲気がブルースの常道とは外れた異様さが強く感じられる。

この感じは、本当に、何十回聴いても癖になるのである。

 

この曲は、“Happiness Is A Warm Gun”のような明確な組曲形式ではないが、普通のヴァース→ブリッジ→コーラスのような構成ではありつつ、単なる展開にはしていない。まったく違う曲のパーツを繋げたような面白みがある。

上記で書いたように、1曲の中での歌い方の変化や、発展形の構成がそれを印象的に色濃くしている。

ごく普通のコード進行の中で、"I wonder should ~"からのブリッジ(Bメロ)のコードが、A→Eaug→F#m→Dmとなっていて、この工夫が良い味を出していると思うのである。

 

ジョンはハモンドオルガンを弾き、ポールはリッケンの4001Sのベース、エレピ(ローズピアノ)を弾いている。

ジョージはレスポール、リンゴはDrの他にタンバリンも叩いている。

 

この曲が録音されたのは1968年10月8日で、アビイロード第2スタジオにて。

すでにアビイロードにも8トラックレコーダーが導入され、この曲は一度もリダクションを行わずに終了しました。

 

ちなみに、エンディングでジョンは“ムッシュ、もう1本いかが?”という意味深なつぶやきをしているが、これを逆回転させると、

“ポールは死んでしまった、淋しいよ、淋しいよ”となるらしい。

例の、ポール死亡説に拍車をかけたような根拠になりなました(笑)。

 

 

 

 

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★123位

【For You Blue】

<LET IT BE>1970.5/8=2:30=

 

ジョージの作品。

シャッフルのリズムが印象的な3コードのブルース系ソング(カントリー調でもある)。

当時の妻のパティへのラブソングです。

 

アルバム「LET IT BE」収録曲ですが、この曲調というのは、すぐにソロアルバム「All Things Must Pass」へ繋がりそうな、ジョージのその後のソロ作品に入っていてもおかしくない作品でもある。

メンバー全員参加の曲ではあるが、何故かどこかBEATLES感が足りない気がするのは自分だけだろうか?

ただ、演奏はノッている。

これぞ、ジャムセッションという形で、同アルバムの“I Me Mine”の重苦しい暗い演奏とは打って変わって心地良い。映画の画面からもそれは伝わってくる。

 

相変わらず、タイトルがすぐに付けられないジョージは、この曲にも当初タイトルがなかったが、最終タイトルになる前に、仮に”George’s Blues“だったように、ブルースっぽい演奏と、相反するような純な歌詞の内容になっている。

 

コード進行は単純なブルース形式で、D7, G7, A7 の3コードしか使っていない。

演奏もシンプルで、何とポールのBassは入っておらず、ピアノでバッキングを静かに弾いている。

そう、この演奏は映画でも披露されていて、ピアノを弾くポールの姿がある。

ポールは、ジョージの「悪いホンキートンク・ピアノの音」という要求に応えるために、ピアノの弦とハンマーの間に紙を挟んで演奏した。

ジョンが、ヨーコのリップスティックでスライドギターを弾いている。

ポールのピアノの味付けも面白いのだが、思い付きですぐにスライドギターを弾き出したジョンの感覚とセンスはやはり凄い。

 

途中で聴けるジョージの掛け声は、ブルースの定番フレーズで、エルモア・ジェームスを気取るジョンのスライドギターに、“エルモア・ジェームスじゃないぜ“というもの。

更に、チャック・ベリーで“Go Jonny Go!”ともジョンに言うが、ジョニーはジョンの愛称でもある。そう、ジョージは至極ノッていたのだと思いきや、下記に書くように、Voだけ後録なのである。

 

ジョージが、スタジオの険悪な雰囲気や、ポールとの衝突でスタジオを出ていってしまう前の1/9に取り上げられるが、ジョンとポールは余り興味を示さず、復帰後の1/25に録音された。

最終的なVoは翌年1/8に差し替えて取り直した。

 

しかし、この曲が、未発表となったアルバム「GET BACK」のB面1曲目の予定だったというのは意外である。さすがに地味でしょう。

 

ちなみに、「LET IT BE…NAKED」では、オリジナルではよく聴けなかったジョージのアコギがはっきりと識別できる。ジョージのギターが好きな人にはこのテイクの方が感慨深いのじゃないかな。

 

 

 

 

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★124位

【One After 909】

<LET IT BE>1970.5/8=2:52=

 

GET BACKセッションというコンセプトでは、キモになった曲である。

もちろん収録されたのは、アルバムLET IT BEで、ルーフトップライブでも演奏している曲であります。

が、作られた時代は遡り、デビュー前の1957年で、1度、録音していて、公式の最初の録音は1963年でした(アンソロジー1で聴ける)。

出来が余りよくないということで、ジョージ・マーティンがボツにしてしまったのです。

 

まあ、GET BACKセッションというコンセプト(音はなるべく重ねないでシンプルな原点に立ち返る)なので、そういう古い曲を引っ張り出してきた訳ですが、余りに古い曲というのもあり、作者は、実のところ不明。

ジョンは自分の作品だと言っていて、ポールは共作だと言っています。

ジョンの場合、記憶が曖昧な時があるのと、歌詞を概ね書くと自分の曲だという傾向も見られるので、7-3か6-4でジョンの曲なのではないでしょうか?…まあ、共作ですかね。

 

何と言っても、こういうシンプルでカッコいいロックナンバーを、この時期の2人のデュエットで聴けることだ!

初期の頃と違い、少し細くなったようなジョンの声と、太い声になったポールのデュエットも、この時期にしか体感出来ないので貴重かつ、最高なのである。

1回目のサビ後の“Well~”の部分は1万回聴いても未だにゾクゾクする。

2回目が1泊早く出るのをジョンが間違えて、追い掛けるようになるのだけれど、焦ったのかポールと同じ音で歌ってしまっているのがまた結果的に面白かったりするのである。

何はともあれ、2人の息の合った熱気溢れるコンビネーションはそのままに、円熟味を増した大人の余裕を感じることが出来る。

 

そして、ジョージのギターのノリと、ゲスト参加のビリー・プレストンのファンキーなKeyプレイ(ローズピアノ)によって、ジョン&ポールのグルーヴィーなデュエットが更にグルーヴィーさが増している。

 

とにかく、この曲を”普通レベルのロック曲“としか捕えられない人は、一生、BEATLESを理解出来ないだろうと断言したい。

分裂状態であった彼等のこんな状況でも、このライブ録音の一体感、演奏力、歌の魔力…は圧倒的だからだ。それが曲に物凄い力強い生命力を吹き込んでいるからだ。

 

タイトルである「One After 909」とは、「列車番号909の1つ後の列車」または、「9時9分発の次の列車」の意味です。

タイトルからの歌詞の意味は、主人公(男)の引き留めにも応じず「909の1つ後の列車で旅に出る」と宣言した主人公の彼女。

要は、主人公は必死に後を追おうとしますが、彼女の「909の1つ後の列車」という紛らわしい言い方は、主人公を煙に巻く為の言い回しなのです。

こういう内容は、当時の黒人ブルースに良くある“男の歌”ですね。

 

909…またしても、ジョンにとって特別な数字“9“である。

 

 

 

 

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★125位

【With A Little Help From My Friends】

<SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND>1967.6/1=2:44=

 

この後、現在に至るまで、フレンドリーなリンゴのテーマソングにまで昇華してしまった曲である。

 

アルバムの表題曲が終わった後に続いて、「Billy Shears(=リンゴ)」という紹介MCと大きな拍手に迎えられて始まるこの曲。

リンゴの朗々たる歌唱と、大らかで弾むような演奏が充分に楽しめる1曲だ。

 

作詞・作曲は基本、ポール作(一部がジョン、恐らくブリッジの部分と思われる)。

始めからリンゴに歌わせる事を想定して書かれたというだけあって、もったりとしたリンゴの歌声が、歌詞と温かみのある曲調にピタリとハマっている。

ジョンが1小節だけ歌詞を書いた”僕の歌が調子っぱずれだったらどう思う?“という歌い出しが最高だ(^O^)/。

 

特筆すべきは、ポールのベースプレイで、4拍目のハネ具合を重視したビート感は聴いてて実に心地良いのだが、とにかく音が良い。コンプレッションされた非常にクリアな音だ。

当時としては技術的にも相当に綺麗に録られております。

恐らく、ポールのこの曲でのベースは、全BEATLES楽曲中、音といいフレーズといい、最も全面で1番はっきり聞こえるのではなかろうか?

しかも、ベースの音も音色の太さや温かみがしっかり伝わってくるのが嬉しい。

当時、リアルタイムに初めてこの曲のベースを聴いた人達は、このサウンドの抜けの良さと、ポールのプレイに衝撃を受けただろうね。

リンゴのファンキーさを感じさせるドラムとのコンビネーションも抜群だ。後の”Rain“にこれが繋がっていくのだろう。

 

何テイクも録って疲れ果てていた後に、これから君の歌を録音すると言われたリンゴは、少しナーバスになるが、リンゴがメインVoで歌うパートは、キーも低く、歌いやすいパートだ。

それ以外は、他の3人のコーラスで歌われている。最初から計算尽くされていたのだ。

 

そのコーラスの素晴らしさは余り語られないが、ジョンとポールのハモリも素晴らしい。

1コーラス目はユニゾン、2コーラス目はハモる(変えてくるのが2人のセンス!)のだが、ピッチが完璧で、本当に2人のコーラスは史上最高なんだと痛感させられる。

もちろん、ジョージのコーラスワークも素晴らしいのだが(3人だと恐ろしい位のコーラスワークがたくさん聴けるけれど)、ジョンとポールのツインでもハーモニーは特別なものがある。

 

BEATLESのベスト盤を聴いても、凄い曲の連打としか感じられないのは、その曲と曲の繋がり感である。

特に、この曲のように1曲目とサウンドが繋がっていて、しかも、歌詞や世界観が繋がっている曲は、そこが楽しめなくなるからだ。

だから、BEATLESは曲単位で聴くより、断然、アルバムで聴く方が面白いのである。

そして、この曲の価値というのは、そこにもあるのだ。

 

テーマは、タイトル通りの、小さな友達の手助けがあれば…だが、I Get Highなどの歌詞から、友達が麻薬の意味にも取れるドラッグソングの意味合いもあるようだ。

 

ちなみに、ジョー・コッカーが後に、この曲をカヴァーし、前英1位になる。

アレンジしたのは、かのLED ZEPPELINのジミー・ペイジなのである。

 

 

 

 

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★126位

【I'm Looking Through You(君はいずこへ)】

<RUBBER SOUL>1965.12/3=2:25=

 

ポールの作品だが、彼にしては珍しく、非常に個人的なことを歌っている。

当時付き合っていたジェーン・アッシャーとの間にあった問題についてを歌詞にしたものだ。

当時の恋人ジェーン・アッシャーは、女優業等が忙しくなり、多忙を極めたポールが彼女を呼べばすぐに来てくれる存在ではなくなった。

まだ若かったポールは、その為か、その当時、たくさんの女性を周りに置き、必然とジェーンはポールの元を離れていく。ようやく失ったものの大きさに気付く。まあ、良くある男女の話な訳だ。

それを歌った歌でもあるが、これを書いたことで吐き出したポールは、彼女を引きずらなくなった。ミュージシャンは良くも悪くもこんな(身勝手な?)利点がある…。

 

この曲は、日にちを変え3テイクを録り、アレンジをかなり変えて完成に至っている。

(ちなみに、第1のテイクは、Anthology 2で聴くことが出来るが、面白い出来である)

何故、BEATLESが日にちを空けてまで、良い感じの曲のアレンジを変えたのか?…それには理由がある。

聴けば分かるが、初期Ver.(1~2テイク)には、彼等の中では色合いが決まっていたアルバムRUBBER SOULに於いて、収録するには何かが欠けていたのだ。

というか、この曲がRUBBER SOULそのものに相応しいサウンドではなかったからだと思う。だからリメイクしたのだ。彼等は、このアルバムに明確なアルバムコンセプトを確実に持っていたのでしょう。

 

RUBBER SOULというアルバムは、他のアルバムに比べ(個々作も多いWHITE ALBUMは別として)、1曲における楽器の数が少ないのだ。

複雑なアレンジはともかくとして、楽器構成自体は実はシンプルなのである。

つまり、ストレートに、メロディの良さや、楽曲の良さで勝負してるアルバムだと思うのである。

 

リンゴは、実は、テイク1では、例のハモンドオルガンを弾いているが、この本テイクでは弾いていない。

そして、ポールのベースは、リッケンバッカーなのだが、甘い音色で、愛器ヘフナーのような音色である。これは意図したことなのだろうか?

イントロから鳴るジョンの弾くJ-160 Eのギターが心地良い。ここだけで、すでに+20点の曲でありますね。

 

そうそう、曲中ずっとクラップのような音がリズムを刻んでいるが、この音は、太ももを手で叩いている音なのである。

後の、ポールの“I Will”のベース音をスキャットで歌っているように、こういう発想はどこで思い付き、採用した経緯というのは何だったのだろうということを考えてしまう。

 

ちなみに、この曲は本来「G」のキーで演奏され、テープ速度を上げ「Ab」の半音上げで完成させている。

これは、再録でもテンポを上げていたが、更にテンポを上げて、シンプル過ぎる楽曲を補うためにスピード感を出したのではないかと思う。

 

最後になりましたが、訴えるようなジレンマと心の傷を感じる歌詞の内容に比べて、ポールのVoは勢いががあって、ハツラツと歌っている。まるでアルバム1曲目の“Drive My Car”のように。

そこがまたポールらしいと言えばポールらしい曲であるとも言える。

 

 

 

 

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★127位

【Within You Without You】

<SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND>1967.6/1=5:05=

 

前作REVOLVER収録の“Love You To”で明らかに顕著になったジョージのインド音楽の、発展形かつ完成形と言って良い曲。

B面の1曲目にあるという時点で、アルバムのその他の曲ではないことは間違いない名曲だ。

インド音楽が退屈な人でも聴き入ってしまう。

 

曲の好き嫌いはともかくとして、1967年の時点でおいて、“Tommorow Never Knows”と並んで、革命的な曲だったと思う。

そう、BEATLESは他のバンドが誰としてやらなかったことを、何の躊躇もなく平気でやってのけていたのである。

 

そして特筆したいのは、この曲は、REVOLVERでもWHITE ALBUMでも合わない。

このSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandというアルバムでなければならなかった曲でもあると思う。

理由は簡単だ。ジョージには否定されそうだが、インド音楽がサイケデリックに包まれているからだ。

なので、この時期でなければダメなのだ。

余りにも早く時代を先取りして、駈け抜けて行ったBEATLESだからこそのマジックでもあるのだ。

 

ジョージの録音に対する拘りは今まで以上で、インド人奏者を多数参加させ、3部に分けて録音したものをまとめて1テイクを作った。構成が複雑だったのだ。

そして、オーバーダブを加え、ジョージが納得するまで徹底的に詰められた。

 

この曲は、ジョン、ポール、リンゴは参加していない。スタジオにはスタンバイしてはいたそうだ。

結果的には、“Yesteday“に続く、メンバー単独作という形になってしまった。

だが、ジョンは、”ジョージの考え方や志向性が現れているベストソングの1つ“と言い切っている。

 

未だに、傑作か駄作かで大きく評価が分かれているビートルソングも珍しいのではないだろうか?

ただ1つ言えるのは、ジョンとポールとは明らかに違う個性が溢れ出たということは絶対的に評価して良いと思う。

そして、ジョージの存在かも際立っていることも。

 

歌詞も素晴らしい。

ジョンが後に書く“Across The Universe”とはまた違う、愛と平和のメッセージだ。

 

 

 

 

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★128位

【Good Night】

<THE BEATLES(WHITE ALBUM)>1968.11/22=3:11=

 

ジョンが5歳の息子ジュリアンのために書いた子守歌。

ジョンには珍しい、美しいスタンダードなナンバーだ。

 

しかし、Voはリンゴなのである。

ジョンは始めからリンゴに歌わせるつもりだったのだ。リンゴの憂いを帯びた優しい声が曲に合うからである。

もちろんBEATLESらしくない曲なせいもあるだろう。しかし、離婚を決意していたジョンが罪ほろぼしのような気持ちで書いただろう曲は、ゆえに自身では歌いにくかったこと、ポールのいうと通り普段は優しさを余り見せないジョンが、BEATLESで優雅で上品な子守歌を歌うということに照れがあったのだろうと思う。

 

ジョンの書いたメロディも美しいが、何といっても、ジョージ・マーティンの書いたクラシカルなアレンジのスコアが素晴らしい。

マーティン自身も、チェレスタとピアノを弾いている。

但し、リンゴが歌う以外、BEATLESの他の3人は演奏には参加していない(スタジオにはいた)。

オーケストラを入れることを希望したのはジョン自身で、ハリウッド映画のようなというリクエストだった。

完成したものにも満足だったけれど、後々に、少しやり過ぎだったかも知れないと言っている。

 

それにしても、リンゴのVoは素敵だ。

決して上手くはないのだが、彼特有の鼻にかかった歌声は味わい深く、こういうスタンダード的な曲調には合っていて、とても心に響いてくる。

 

ポールが、この曲をリンゴに教えるためにジョンが歌っているのを聴いて、その歌声は素晴らしかったと述懐する。

“ジョンは滅多に優しい面を見せなかったけど、そんな一面を僕は愛していた。それがなかったら、彼はかなり残酷で耐えられない人間だった”

“でも、僕の中のジョンの大切な思い出はすべて優しいものばかりだ。普段は隠された彼の一面が表れた曲だと評価してるんだ。ジョンのボーカル・バージョンは録音されたことはないと思うけどね”

 

そういえば、この曲は、曲調といい、スタンダードさと言い、70年代あたりまで、ポールの曲だと思われていた人も多かったのだ(リンゴのVoだし)。

 

このWhite Albumという2枚組のアルバムは、この曲で幕を閉じるのである。

意外と言えば意外なのだが、すでに気持ちが離れつつあったメンバー間が、当時はまだ一般的には知られていなかった時で、今となって聞くと、美しくも切なく感じてしまう人も多いのではないだろうか。

 

 

 

 

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★129位

【There's A Place】

<PLEASE PLEASE ME>1963.3/22=1:49=

 

凄く、共作感が出ている、ジョンとポールの融合感が素晴らしい初期(1stアルバム)の隠れた名曲。

2人のツインVoが心地良過ぎる程だ。

“Please Please Me”の弟とも言われる“There's A Place”だが、メロの良さは兄貴に軍配が上がるかも知れないが、構成は弟の方が上だ。

しかも、たった3ヶ月の録音の差だが、音質は断然良い。

 

映画「ウエスト・サイド物語」の挿入歌“Somewhere”に影響を受けている曲とポールは認めている。

同曲の歌詞には”There's a place for us“というフレーズが含まれている。

ジョンは、この曲について、“モータウンのような曲を目指していたんだ。黒っぽいやつをね”と後に語っている。

ただ、イントロやハーモニカは、“Please Please Me”に雰囲気が良く似ていて、曲のキーも同じEであるのだ。

しかし、歌われている内容はまるで違う。

この曲はジョンの内面世界を描いた内省的な曲となっている。

“気持ちが沈んだ時 憂鬱な時 いつも行く場所がある そこは僕の心の中”

この時代に、こんな歌詞を書く人はいなかった。かのボブ・ディランでさえだ。

 

この曲を聴く限り、歌詞は8割ジョン、曲は7-3でポールと言う気がする。

ヴァースとコーラス部(サビ)はポール、中間部のマイナー調の部分はジョンかな、と。そこはジョンがソロで歌っているしね。

 

レコーディングは、1963年2月11日にEMIスタジオで行われた。

もちろん、ジョンのハーモニカも印象的だが、何といってもジョンのVoは素晴らしい。

ジョンの“In My Mind There’s No Sorrow”に対し、ポールとジョージの“Don’t You Know That It’s So”の掛け合い…史上最高でしょう。

 

この曲はブライアン・ウィルソンの“”In My Roomに影響を与えたとも言われている。

そう、BEATLESとBEACH BOYS…特に、ポールとブライアンは、この後も大きく影響し合っていくこととなる。

 

 

 

 

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★130位

【She Said She Said】

<REVOLVER>1966.8/5=2:34=

 

最も、アルバム「REVOLBER」収録曲らしい1曲である。

 

イントロから聴こえてくるギターのリフからして、この曲のサイケデリックな雰囲気を醸し出している。

ジョンの歌い方もどこか不穏で、トリップ感が伝わってくるような曲調である。

 

この曲は、1966年 6月21日に録音された、“REVOLVER”で1番最後に収録された曲である。

BEATLESがワールドツアーを開始する3日前のことである。そう、その中に日本公演もあるという時期の時のレコーディングである。

 

ある日、ジョンとジョージはL.AででLSDを使用してた際に、俳優のピーター・フォンダと会った。

トリップしていたジョンに対してフォンダは「死ぬってどんなことか知っているよ」と言ったので、ジョンは不快な気分になった。

この時の体験を元に、ジョンは‘She Said She Said ’を書いたというのである。

ただ、言われた言葉そのままを歌詞に引用したので、HeからSheに歌詞を変えたらしい。

 

途中から、ジョンお得意の3拍子になる。

この部分が気持ち悪くて昔も今も大好きだ。

ジョンは、3拍子を意図的に使うことももちろんするが、歌詞の流れで無意識に3拍子になっていく場合もあると推測するのだが、この曲などはその典型ではなかろうか?

しかし、拍子の変化の部分は、POPな曲調のせいか気が付きにくい。途中でリズムが取れなくなるのだ。

Bメロの微妙なリズムチェンジ。このリズムチェンジやアウトロのスピード感も含めて、意外とリズムが面白い曲でもありますね。

 

この曲には、珍しくポールが参加していない。

前日、ちょっとした口論で、スタジオを出ていってしまったのだ。

(LSDをやるメンバー3人と、手を出さないポールの疎外感が元とも言われているが…)

ベースはジョージが弾いている。

つまり、コーラスの高音部もジョージが歌っているのである。いや、ポールとジョージのコーラスは似てる時があるね。

ポールが参加していないからというからなのか、後のジョンのソロっぽい曲調でもある気がする。

 

リンゴのプレイが実に素晴らしい。かの“Rain”のプレイと双璧とまで言う人もいる。

 

しかし、あの笑顔の日本公演の時には、すでに、この曲をLSD体験で作ってしまっていた事実は凄いとしか言いようがない。

 

 

 

 

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