鳥居 祐一オフィシャル ブログ「賢者との出逢いと交流」 Powered by Ameba
『半沢 直樹』 の人気がすごいですね!本当に引き込まれます・・・その平均視聴率は 36%、最高視聴率は 40%超 というから驚きです。

テレビドラマ は普段あまり見ませんが、さすがにここまで社会現象になってると見ておかねば・・・というわけでマーケティングスタディーとして第一話からすべて見ました。

なぜ 『半沢直樹』 がこんなに共感を呼んでいるのか?と考えてみました。

一言でいうと 『痛快』 なんですね!現実問題 として大多数の人は、『やっぱり 会社 から出られない』ということなんでしょう。

金融機関に限らず日本のサラリーマンたちは、意地悪な上司の『理不尽な言葉の暴力』に耐えなくては出世できない。その現実の中でせめてドラマの中だけでもカタルシスを経験したい。つまり 『半沢直樹』 は、現代サラリーマンのヒーロー像なんです。

じつは僕も20年前のサラリーマン時代、金融の世界に身を置いていた。完全に落ちこぼれではみ出していましたが、一応 リアルでドラマの世界を体験しました。命に係わるような酷い言葉の暴力を毎日浴びていましたが、会社にいたければ耐えるしかない・・・

『やりたくても出来ない!』『言いたくても言えない!』 こういうフラストレーションの中で皆生きているが、半沢はそれを見事に代弁してくれている。

しかし結論を先に言いますが、あれは完全にドラマです。

なぜならメガバンクにおいて たかが課長の分際で、支店長や常務にあんな口はきけません。言った瞬間に よくて 左遷 か 出向、最悪の場合は 懲戒免職です。だから倍返しする前に飛ばされます(笑)

もとより常務や役員が、一般の兵隊と会話することはありません。もう住んでいる世界が違うんです。だからこの時点でドラマなんですね。あなたがリアル半沢直樹をしようと思うなら辞表片手でないと不可能です・・・

しかしドラマで『ある、ある』というところも。

『銀行は土砂降りでは知らんぷりし、晴れのときに傘を貸す』 と言っていますが、これは事実です。『手柄は上司のもの』 『失敗はすべて部下の責任』 こういう保身主義や隠ぺい体質もまったくその通りです。結局、部下に優しい理解のある上司は左遷され、意地悪でパワハラを堂々とできる上司が出世していくのです。

日本のサラリーマンは給料が安い代わりに『部下という名の奴隷』をあてがわれます。部下に対しては、『殺す』以外は何でもアリ。自分の場合は、『殺しもありなのか?』という体験もさせられました。あなたがサラリーマン生活を続けたいのなら、上司には絶対に刃向かってはいけないんです。

誰しもサラリーマンなら半沢 直樹 になりたい。しかし現実にはどんなに上司が能無しだとしても上に逆らってしまったらおしまい。人事に罰点が付き、結果 敗者復活は非常に難しい。失うものを考えると、とても出来ないんです。

今の日本社会に生きていると、サラリーマンに限らず理不尽なことが多い。半沢はその理不尽な敵に対し、堂々と立ち向かって打ち負かすヒーロー。これだけ多くの人に指示されている理由がここにあると思う。それだけ今の日本人は政治・経済など社会全体に対してフラストレーションが溜まっているのでしょう。あなたはどう思いますか?