昨日、パタヤの孤児院に行って来ました。マイケルとランチをしていると彼が突然、『貧しい子どもたちにプレゼントを配りに行きたいんだ。一緒にいかないか?』と言った。私はその考えに飛びつき、条件反射的に That's a good idea. Let's do it!といった。次の瞬間、マイケルはアシスタントに電話をし、どの孤児院が良いか確認。
私は30~40人くらいの規模をイメージしていたが、その人数は150人という。その後マイケルと私と今回同行した北本さんと神崎さん、それにマイケルの二人のアシスタントと総勢6人で近くのスーパーに買い出しに。
買い出しと言っても何しろ150人分。かなりの量だった。孤児の年齢層は、5歳から10歳が70人。11~15歳が60人。そして15~20歳が20人という。我々は何を贈るかを注意深く考えた。その結果・・・
5歳から10歳には飛行機や車、水鉄砲などのおもちゃ。
11~15歳には絵具とクレヨンにノート。15~20歳にはTシャツなどの衣類をプレゼントすることにした。またチョコレートやスナック類、ジュースを大量に買い込んだ。大型のカートで6個分あふれんばかりの量。
さらに一人100バーツ(約300円)のお金もあげた。彼らには100バーツは大金だがこれはマイケルのアイディア。私たちはプレゼントはOKだが、現金をあげることに関しては躊躇した。なぜなら日本の慣習では『知らない人からお金をもらうことはいけない』というのがあるから。
しかしマイケル自身が孤児だったこともあり、彼はお金の有難味を心の底から感じていた。わずかなお金でも本当に助かったという。我々は車2台分のプレゼントを乗せて、パタヤの孤児院に行った。
プレハブ小屋に扇風機が回っているだけのお粗末な建物。エアコンがないからすぐに汗が噴き出してきた。すぐに園長があいさつに来てくれて、そのあと、マイケルがタイ語でスピーチ。
子供たちの大きな拍手で、感動的な話だったのが分かる。タイ語だから分からなかったので、何を話したのか聞いた。『自分も孤児だったから、今日はみんなに僕たちからのプレゼントを受けとって欲しい』 というメッセージ・・・その後、みんなで手分けをして子供たちにおもちゃを配る。
なにしろ150名もいるから、配るだけでも大変な作業。私は10~15歳を担当。一人づつ、握手をしながら絵具とクレヨン、それにノートブックを手渡しした。それがとても感動的な瞬間だった。
10~15歳といっても多くがその年齢には見えないほど小さい。あまり栄養の状態が良くないのだろうか・・・ちょっと心配になった。半数以上の子が裸足だった。次回は靴を買ってあげたいと思った。
どんなに不況と言っても日本には絶対にない風景だ。プレゼントを渡した瞬間、みんな満面の笑顔で受け取ってくれた。その笑顔が本当にピュアで、彼らの表情を見ていると急に涙が止まらなくなった。
そのあと、チョコレート や ポテトチップス や キャンディーを配る。みんな手を合わせ、これまた満面の笑顔で受け取ってくれた。相手はスマイルだが、私はなぜか涙が止まらなかった。子どもたちはなんで泣いているのだろう?と不思議に思ったと思う。涙の理由は、こんなわずかな事でこんなに喜んでくれるという感動。
あの年齢で親がいないことがどんなにつらいことか・・・
私自身も親を亡くしているのでその気持ちが痛いほど分かる。彼らはほんのわずかな愛にも飢えているのだ。そしてその愛情に対し、心から感謝してくれている。
『人生は捨てたもんじゃないよ』 そして微力だけど、世の中には君たちのことをサポートしたいと思っている人もいるんだと。このメッセージを是非、受け取って欲しいと思った。マイケルが少年時代受けた他人からの愛で人生観が変わったように、一人でも多くの少年たちが成人したら愛を与えられる人間に育ってほしいと願う。
最後に封筒に入れた100バーツを一人ずつ配り、たくさんの笑顔に見送られながら孤児院を後にした。私たちにとって生涯忘れることのできない貴重な1日となった。