ライブドアの熊谷代表取締役が逮捕されました。なぜ彼だけが今までセーフだったのか不思議なくらいですが、これで同社の市場からの退場は決定的になりました。

ところで昨日の続きですが、私個人は、今の日本株相場には積極的に参加する気はありません。理由は、確かに足元の企業収益は堅調ですが、いくらなんでも今の株価はバリュエーション的に割高であると判断します。

粉飾に関して言えば、今回のライブドア事件を見ても分かるように、Tax heavenのペーパーカンパニーをかませて巧妙なスキームで資金を動かせば、専門家でもほとんど分からないというのが実情です。でなければフジテレビが専門家にデューデリ(資産査定)させて、440億もの大金を突っ込むはずがありません。

またインサイダーにしても、例えばの話ですが・・・・・
村上さんがAという銘柄を300円の時に市場で少しずつ買い増し、4.9%まで買い占めたとしましょう。この時点で400~500円くらいには上がっているでしょうが、この時にヒルズ族の社長らに酒の席で「今、OOを買っている。来週木曜日の引け後に大量保有報告書を出すつもり」と言ったとしたらどうでしょう?
これって完全なインサイダーですが、聞いた彼らはもちろん買うでしょう。そして金曜日は、このニュースを聞きつけた個人投資家が殺到し、朝からS高です。ヒルズ族はその銘柄を500円で買い、個人は900円で買う。村上さんは、すでに300円で買っており、900円で売る(笑)。
こういうことが実際にあると言っているのではありません。あくまでも過程の話ですが、彼らほどの資金力があれば、その気になれば株価操作なんて自由自在です。こういうことが出来ちゃうし、結果的に起きてますよということです。
これではいつも個人が損をし、フェアな投資活動は難しいと思う。実際にニッポン放送もTBSもこのパターンでした。

インサイダーを完全に撲滅することは不可能だと思います。
SECや金融庁はライブドアをスケープゴートにして歯止めをかけるのが手っ取り早いと判断し、今回の逮捕につながった面もあるだろう。実際に「不正は、この様に高いものにつきますよ」という今回のメッセージは大きな抑止力になると思う
ホリエモンは奇抜な言動や服装、ヒルズ族、政界進出、プライベートジェットの購入、美女との交際・・・・どれも日本人が妬みそうなことをやったのがいけなかったか?
とにかく彼は目立ち過ぎましたよね。
ライブドア事件は、「何事もほどほどにしないと痛い目に会う」という教訓を我々に与えてくれた気がします。
 また同じ上がり方でも調整なく急ピッチで来たので、日柄整理が必要でしょう。

もう一つ理由を挙げるとすると、ライブドアに限らず少なからず 粉飾やインサイダー取引があると言う事実です。特に新興市場への投資は、注意が必要でしょう。