勉強会今日は不動産投資についてコメントします。

投資倶楽部のメンバーと


ここ数年、ロバート・キヨサキの本がナマジ売れたから、本のウワベだけを読んで分かったつもりでいる投資家が増えたような気がします。
いわゆる本質を理解していない不動産素人オーナーたちの増殖で、これは大変危険な兆候だと危惧しています。

最近、都内の一等地ではバブル時代を思わせる高値での取引が目立ちます。特に銀座や南青山、東京駅近辺はとんでもない値段になっています。
物件利回りは低下するばかりで、都心部では新築で4%中古でも6~7%がやっとの状態です。
果たして、この利回りで投資する妙味はあるのでしょうか?
冷静に考えるべきだと思います。

私の周りでもサラリーマンの方が、中古の投資マンションやアパートを買っています。頭金をほとんど入れず、銀行の借り入れだけに頼って買っている人も少なくありません。

中には諸経費も込みでオーバーローンを組む人もいる。
 
ハッキリ言って、この考えは危ないです・・・・・
サラリーマンですから、彼らの年収は決して高くありません。
しかしデット・エクイティー・レシオ(資産と負債の比率)は異常に高い!?
 
自分の収入を省みず、エクイティーとデットの意味を理解していない。借金も自分の財産と勘違いしている人がなんと多いことか。借金して買ったものは確かに登記上あなたの所有物ですが、必ず金融機関の抵当権がついています。だから厳密にはローンを完済して、初めて自分のものとなります。

不動産というのは取引コストがとても高い金融商品です

車と一緒で、買った瞬間に新築も中古物件となり、20%程度値段が落ちます。
さらに往復で物件価格の6%+6万円が手数料としてかかり、不動産取得税・固定資産税・管理費など様々な経費
がかかります。よって「損切り」が出来ません。
中長期的に保有して初めてメリット
が出る商品です。

一方リスクはテナントが空いた場合や、もっと酷い時は占拠されて家賃を払ってもらえないこともあり、期間損益はテナントのクレジット次第ということになります。
一度空きが出ると、都内の優良物件でも半年くらいは決まらないことがあります。実際に去年、私自身が経験しました。

購入時の利回りは、テナントさんが継続的に入居し、かつ毎月滞りなく家賃を払ってくれるということが前提になります。
そういう意味では、業者の提案する想定予想利回りというのは、最高の状態でやっとエンジョイ出来る数字なのです。

キャピタルゲインが見込める時代ならいざ知らず、ローンを組めるからと言って安易に不動産投資をするのは危険です。優良物件の多くが外国人の所有者になった今、日本のマーケットも収益還元方式の査定が定着するでしょう。

借金で買ったモノは、あなたの資産ではありません!
不動産投資を検討されている方は、もう一度エクイティー&デットとキャッシュフローの本当の意味を理解してから検討すべきだと思います。
高い買い物ですから、ファイナンスの基礎知識くらいは勉強すべきです。