阪神優勝おめでとうございます!
ところで今話題の阪神電鉄の株価は、市場心理を読むのに非常に勉強になりますのでコメントしたいと思います。

以下は、阪神電鉄の時系列場帳です。
御覧の通り、13日までは株価も400円台で出来高150万株と普通の動きでした。

 日付    始値   高値  安値   終値    出来高
9月30日   860   890   851 867 16,293,000
9月29日  1,145  1,245S   871 930 39,339,000
9月28日  1,045  1,045 1,045 1,045S 6,920,000
9月27日   865   945   865 945S   22,188,000
9月26日   740   847   732 847S   78,495,000
9月22日   635 747  632 747S 56,921,000
9月21日   585   689   581 647S 24,918,000
9月20日   589   599 573   591 10,344,000
9月16日   544   588 537   582  15,329,000
9月15日   513   539   512  534 4,705,000
9月14日   505   511 505   511 1,137,000
9月13日   498   509 498  508 1,556,000

村上ファンドは27日、阪神電鉄株の取得について、「保有資産や事業業績に比べ、株価が低い会社への投資の一環だ」とする声明を発表した。

果たして本当に時価相当の資産を保有しているのだろうか?
営業キロ数僅か45kmで有利子負債が2,400億もあり、今期も減収減益で財務内容も決して良くない。EPS 7.9円なので株価400円としてもPER50倍と依然割高だ。
阪神沿線は工場も多く、高級住宅街のある阪急沿線に比べて土地評価も低いはず。また阪急は営業キロ数も総資産も3倍以上あるのに、株価は半値だ。

村上ファンドは今年、大阪証券取引所の筆頭株主となった際には、内部留保の額に比べて株主配当が少ないとして、配当を大幅に引き上げるよう要求した。
彼が総会で増配を要求するのはいつもの事だ。
しかし阪神の場合、既に配当性向が78%と高くこれ以上の増配余力は無く、経営権を求める理由もあまり見当たらない。

村上氏はIRでも純粋な投資と発表しており、それは事実だろう。儲かれば良いというファンド運用者の立場からすれば、ここから電鉄の経営権を取るために、明らかに割高な株を買い増しすることはないと思われ、そこがライブドアの時とは違う。
私の推測では、TVに登場した時点で半分の現物分は売り抜け、信用分は法外な逆日歩を楽しみながら、27・28・29の3日間で相当売ったと思う。

阪神電鉄には9月29日償還のCBが250億円あり、転換価格が505円なので、約5,000万株が10月より新株として市場に出てきます。さらに合併で百貨店の株主に交付される3,300万株と計8,300万もの膨大な株が市場にダブつきます。

つまりCBから転換した株と旧百貨店株主からの8,300万株が、来週からは市場で潜在的な売り圧力となるそう考えると、ファンダメンタルズ面からも、需給面からも上がる要素は見当たらない。

しかし最大の疑問は、不思議とこの水準でも誰かが買っているという事実だ。
これだけの信用買残があれば、パニック状態で一気に下げるはずなのにS安にならないのは、不気味と言えば不気味。さてどうなるやら・・・・?