実は私も煙草を吸っていた。
しかし、28歳でキッパリと禁煙した。もちろん禁煙と言う行為はそう簡単ではなかったが、1年後にはもう煙草への未練は断ち切れた。
以来今度はあの煙草の匂いが嫌になり、さらにがんで4度にわたる手術を経験した後は喫煙が人間の健康を害することを知り、煙草の匂いが漂う場所、例えばレストラン、食堂、バーには絶対立ち入らないようになった。
ところで、今厚生労働省では2020年の東京オリンピック、パラリンピックまでに飲食店の原則禁煙の法制化を進めていると言われている。
最近読んだ雑誌「選択」(6月号)の巻頭インタビューに塩崎恭久・厚労相が
「『受動喫煙防止』は政治家の責務」
と題して考えを述べている。大変まともな考えで、ここにその一端を紹介しておきたい。

ー塩崎大臣は原則屋内禁煙を主張していますが、理由を教えてください。
塩崎   知人にがん患者がいたので、初当選の頃から支援に取り組み、受動喫煙の問題に強い関心を抱くようになった。日本では飲食店で喫煙するのが長く当たり前だったが、世界の主要都市ではずっと前から飲食店を含む屋内禁煙が常識。外国に行くたびに日本は遅れているという思いを強くしていた。
  厚生労働省の調査では、国内だけで毎年一万五千人が受動喫煙で亡くなっている。実に、35分に1人のペースで日本のどこかで誰かが受動喫煙で亡くなり、家族や友人が涙している。これを変革する絶好のタイミングが2020年の東京五輪・パラリンピックだ。国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は「たばこのない五輪」で合意し、その後の全ての開催国は罰則を伴う法規制を導入した。受動喫煙が国民の健康を害悪を与えていることを知りながら、厚労大臣として見て見ぬ振りはできない。

 塩崎さんが言っていることは大変まともなことで、世界で共有できる受動喫煙についての常識だろう。
  ところが、日本の国会の多数派を占める自民党では常識ではないらしい。
6月7日の東京新聞にこんな記事が出ていた。
「受動喫煙法案 提出見送り
        今国会  厚労省と自民 調整難航」
 自民党の中の飲食業界や煙草業界の抵抗で受動喫煙防止の旗振り役、塩崎さんも苦労しているのは知っていたが、国会も立往生状態とは!受動喫煙の害悪を知る者としては暗澹たる思いだ。
塩崎大臣頑張ってくれぇー!
応援してます!