今からこういうことを言うと後だしじゃんけんみたいにい言われるかもしれないが、アメリカ大統領選挙の前に、トランプもありだなとは思っていましたよ。

なぜか?

アメリカのメディアも日本もクリントンが世論調査で◯◯%勝ってるからクリントン有利と報じてましたよね。だけど、私はアメリカの大統領選挙の仕組みは、国民が直接大統領を選ぶ直接選挙ではなく、選挙人を選ぶ方式なのでここ迄僅差でトランプが追い上げてると結果は分からないと思ってました。

アメリカ合衆国は50の州とワシントンDCで構成されている。

大統領選挙は各州ごとに行われ、一部の州を除いてほとんどの州は、その州で一番得票数の多い候補がその州に割り当てられている選挙人を総取りする方式なのだ。

ここがミソだ。

つまり全国の得票数では勝っていても選挙人の多い州を押さえないと最終的には負けてしまう可能性があるのだ。私は今回危惧していたのはクリントン候補は全国の総得票数では勝っても選挙人獲得数では負けるかもしれないな?という見通しだった。

全国の世論調査でここ迄接近しているということは,私の思っていた可能性が現実のものになるということだった。

結果的に見ると私の見通しが当たったんだね。

10日の昼段階なのでまだ最終結果ではないけれど、ほぼ最終結果に近い今回の大統領選の数字はこうなっている。

         獲得選挙人     獲得得票数

トランプ候補   290人      5904万人

クリントン候補  228人      5917万人

 

これで分かるように明らかにクリントン候補は全国獲得票数では13万票ほど上回っているのだ。だけど選挙人獲得数では何と62人も、全国では負けたはずのトランプ候補が圧勝している。

これは民主主義の原理ー多数決からするとおかしいことになる。

全国民の多数派はクリントン候補のはずだ。

だけど、これが現在のアメリカ大統領選挙の独特の仕組みなのだ。

これを理解していれば、全国の世論調査でクリントンが数%上回っているから選挙でもクリントンが勝つに決まっているとは言えないのだ。

私はそう言う訳で必ずしもクリントンが勝つとは言えない、と思っていた。

しかし,正直に言えば、じゃあトランプ候補が勝つと思っていたかと言うとそうでもない。勝つ可能性はあるが、間違いなく勝つとは思っていなかった。

これがアメリカ大統領選挙のまあ、不可思議なところだよね。

一つ付け加えると、報道では一切触れられてないが,実は共和党,民主党の他にリバタリアン党、緑の党が候補者を出しており、クリントン候補は接戦州でこの候補者達に若干票を食われた可能性もある。

報道では予想が狂った原因として世論調査で隠れトランプ票がいたことを挙げているが、そうじゃなくてやはりアメリカ独特の総取り方式の選挙制度にその原因が潜んでいたように思える。