HARAKIRI = 腹切り(切腹) | 南国の日の丸レストラン

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思いのままに書いています

タイトルが物騒ですみません。でも、今から書くことは極め

て常識的です。


海外の滞在期間がもっとも永いインドネシアを含み、過去、

32ヶ国を訪問していますが、KAMIKAZE(神風)、HARAKIRI

(腹切り)は、外国人が日本を語る時のキーワードのひとつ

だった時代が続いたように感じます。いまではSAMURAIと

いう言葉もよく聞きます。


神風は神風特攻隊、腹切りはお侍の切腹のことで、日本では、

必ずしも、いいイメージではないのですが、海外では、わりと、

ポジティブな感じで語られることが多かったように思います。


歓談の途中などで、こういう言葉が、海外の人から発せられる

のですから、決して、悪いニュアンスで語られているということ

ではありません。


インドネシアでも、こちらの方が、よくHARAKIRI と言われること

があります。


「汚職大国のインドネシアでは、政治家や役人が悪いことをして

も、責任を取ろうとしないし、辞任、辞職などもあまりない。日本

は、その点、誰もがけじめをつけるし、立派だ。あれは腹切りと

同じ責任の取り方なんだろう。だから、日本は発展してきた」と

いうような意味合いで、日本をよく知る人は、自国の状況と比較

して、こういうようなことを言われます。誠実な日本人が褒められ

ているのです。


自国の状況を嘆いて、そう言われる人にたくさん会いました。


私が、この国に留学している頃から、友人の学生たちも、そう

言っていました。「自分たちの国はダメだ。」と自虐的に言う彼ら

を励ます意味で、「日本でも、昔は私腹を肥やす悪代官みたい

なのがいたらしい。時代の流れだ。きっと、インドネシアもよくな

るよ。」と、励ましたことがありました。


同時に、私は、誇らしげに、日本の武士道精神を説いたり、「刑事

罰とは別に、道義的責任、社会的責任というものが、日本には

存在するし、それは日本人の美徳だ」ということを言ってきました。


たまには、自分で死を選ぶ人もいるくらいで、HARAKIRI のなごり

なんだろうとも言ってきました。


つい、この間までは、元の農林水産相のように、マスコミや世間に

叩きのめされ、ついに、死を選ばれた方もありましたが、その事件

を含み、数多くの政治家が、責任をとり、けじめをつけられていま

した。


ところが、このところ、どうでしょう? 


最近の日本の政治の状況を見て、これまでの海外の方々の日本

に対する印象は180度変わっても、おかしくないようなことになって

いますね。


言葉はころころ変わるし、詭弁は使うし、屁理屈は言うし、公約違

反などへっちゃらの2枚舌。

無責任だけならまだしも、更に悪いことには、「いいことは自分の

手柄、まずいことは他人のせい、前任者のせい」 という情けない

風潮になっています。みんなで渡れば怖くないという金太郎飴型

の日本人の悪い面も、政界に、急に出てきたようです。


つい、この間まで、他人にやっていたことを非難ごうごうやっていた

のに、同じこと、或いは、それ以上の醜いことに本人たちが関わっ

ているのに、態度豹変、知らぬ顔。厚顔無恥とはこのこと。

「盗っ人猛々しい」と表現する人もいるようです。


挙動や言動が、もう、漫才に近い状態ですね。


その意味でも、海外の方々が言うHARAKIRI という日本のケジメの

言葉は、死語になってしまったと言っていいでしょう。


日本人が日本人でなくなりつつあるのですかね。

なんとかならないのかなあ。


外から、日本を見てると本当に悲しくなります。

一挙に、日本の評判が、落ちそうで、心配です。