雁は秋風が吹く頃になると小枝を咥え日本海を渡って来る。疲れるとそれを海に浮かべて翼を休め、陸に到達すると東北の何処かの浜辺にそれを置いて行く。この有名な民話に登場する雁とはマガンだったのか・・
確かにマガンは思慮深い鳥だ。沼の対岸に餌採りに行く時は・・どんな方法で意思を通じているのか・・何時の間にかオオハクチョウが寄って来て、彼らに送り届けてもらう。そうすれば沼のオオタカは襲ってこないことを知っているのだ。









餌獲りが終わると、再びオオハクチョウに付き添われて元の岸辺に帰っていく。
(沼のオオタカ)


民話には続きがある。春になると、浜に置いていた小枝を咥え、海を渡って帰って行く。が、浜辺には小枝が幾つか残る。
ゆくほたる 雲の上まで いぬべくは 秋風吹くと 雁につげこせ(伊勢物語)
(蛍よ。雁に渡りシーズンが来たよと伝えてほしい。あの不憫な女が今あの世でどうしているか、雁なら知っているだろうから・・)
古来、雁はこの世と彼岸のあの世との間を往ったり来たりの道案内役。人が亡くなると、雁はその魂をあの世に送り届ける。北国の冬は厳しいので、マガンは忙しさの余り、帰るタイミングを逸したのだろう。
撮影場所 群馬県邑楽町(2018年11月) 撮影 S・植木