東国山人の鳥日記 -37ページ目

東国山人の鳥日記

山人とは世捨て人のこと。世捨て老夫婦が集めた鳥たちの行動記録で、週2回程度更新します。基本スタンスは
(1)日常の中から一瞬の非日常を見つけ、シャッターを押す。
(2)ある時は科学的に、またある時は非科学的に、それでいて尤もらしく、即ちファンタジー風に。

雌は雄たちの縄張の境界にいて雄を天秤に掛ける。繁殖期が近いこの時期に特有の現象だ。ここではイソヒヨの雌が老雄の縄張に少し入ったところにいた。雌は若雄を措いて老雄を伴侶に選んだのだろうか。

 

老夫婦がテトラポット村に到着した時は、丁度若雄が縄張の境界まで来てその雌に盛んに呼び掛けていた。雌にはまだ脈があると見てのことだろう。

だが、現れたのは老雄。さては一悶着かと思ったが、老雄は有無を言わせず一方的にしゃべり、若雄はただ黙って聞いている。

(上 若雄  下 老雄)

老雄は言うだけ言ってその場を立ち去った。

一部始終を傍で首を立てて見ている雌。これで踏ん切りが付いたことだろう。

若雄はあっさり引き下がった。老雄の剣幕に圧倒された?そうではなくて帰趨は既に決まっていて、もう一度本人の口から直に返事を聞きたかったのかも知れない。

(去って行く若雄)

老雄は勝利を確信したはずだ。

(嬉しいときに見せる何時ものポーズ)

普通ならここで2人仲良く婚前旅行と行きたいところ・・だが、イソヒヨの2羽は20m以上の間隔を保って決して一緒になることはなかった。

その後は場所をテトラポット村広場に移し、雄はバルコニーに、雌はそこから20m離れ階段下に控え目に。慶事を公開の場で披露する、これが村伝来のしきたりだ。

10分ほどそうしていたが、やがて雄が一鳴きして飛び出し、雌が後を追う。これから先は誰にも見られたくない、と言うことらしい。

(お節介屋のセキレイが続く)

なお、あの抜駆け雄、その雄と浮名を流した雌はここにいなかった。抜駆け雄の正体は?方々を渡り歩き、その地の雌といい仲になって居座る、ライオンの世界で言う放浪雄ではなかったか。放浪雄はテトラポット村の雄たちに追い出されたが、こっそり雌を連れ出していたとしたら、一応ハッピーエンドと言えなくもない。

撮影場所  神奈川県・江の島(2021年4月)  撮影  S・植木