秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる
教科書に載るほど有名な句だが、何時の時代の誰の作だろう。調べてみると藤原敏行、奥方は紀有常の娘とある。であれば伊勢物語の主人公と同時代の人だ。
今や夏の本番と言うのに、鳥の世界では早くも秋の渡りシーズン。この時期には、日頃見掛けない鳥が時に渡りルートを踏み外して舞い込んでくる。このハシブトアジサシも中国東部、台湾で繁殖を終え、南方へ帰路を取るべきところを、どこでどう間違えたか、この地にやって来た。
太い嘴が特徴。体長約38cm、普通のアジサシに比べ少し大きい。頭は夏羽では黒、冬羽では白。今は冬羽に換羽中。
食性は動物食、とくにカニを好む。低空で飛びながら、見つけると急降下して地上の獲物を掠め取る。
着地はいつも水際。獲物を洗うためか、海水を飲むためか。
大抵は他の水鳥と離れて独りでいるが、時にミヤコドリの訪問を受ける。ハシブトアジサシとミヤコドリとは繁殖地がほぼ同じなので、共に渡って来る前から旧知の仲だった、のかも知れない。
撮影場所 千葉県九十九里町(7月) 撮影 S・植木









