タイトルの通り、よくこの手の議論がなされるが、やっぱり、何も考えずに置くだけで一定の音が出る、つまり「ポン置き」でよい音が出るようにしないとダメなのではないだろうか。

 

使いこなしが趣味だという。

とはいえ、大昔みたいな不便な時代で、特に器用でなくとも、工作が好きでなくとも手を動かさざるを得なかった時代と違って、便利な時代で無理に手を動かす必要が無い時代に、自分自身を鍛錬してリファレンスをイメージして、それに向かって、セオリーもなく調整する作業を強要するのは無理ではないかと。

 

失礼だが一般的住宅で面積や作りが似た部屋での比較になるが、

対策をした上で語る、定位や音場の話と、無対策で語る定位や音場は全く別の話をしていると思う。

これは実体験から得たものだ。フォーカスがまるで違う。無対策だとボンヤリしていると思う。

ポン置きでよい音など無理だ。

 

ポン置きでも最低限度のフォーカスと、濁らない低域が欲しい。ただ、セッティングは環境に対する個別対応で、簡単なマニュアルで確実に機能する手法が無い。記事にするにも難易度が高く、漠然としたことしか書きようがない。

6畳間で部屋の影響を受けない大きさというのはどのくらいなのか。

E1TXをME1TXにダウンサイズしたが、それでも今の音を無対策で出すことは不可能である。

 

FレンジもDレンジも上下に伸ばすと、途端に環境の影響を受ける。

「上下に伸ばすと不幸の始まり」という感じだ。

アナログが流行る真の理由は適切な録音がされたものと注釈が付くが、ハイレゾを受け止めることができる環境を持つユーザーがあまりにも少なすぎるという事でしょう。だから効果が実感できない。

一般住宅ではDレンジ65㏈くらいが楽に再生できる上限なのでしょう。アナログのスペックそのものですね。

Fレンジも上はともかく下を伸ばすとまともに部屋の影響を受けますから、実際には部屋の外に音漏れがあるから厳密に考える必要はないものの、6畳間の対角線の長さを4.2mと考えるとそれより長い波長の周波数の再生は難しくなる。

波長が4.2mとすれば、波長の長さが4.2mの周波数は80Hzと考えると、10から12㎝ウーファーくらいの小型2ウェイならポン置きでもバランスが取れそうだ。低域は寂しくなりますが。

LS-3/5Aくらいの大きさのスピーカーですね。これなら側壁から40㎝程度離すセッティングも容易にできるでしょう。

オーディオ屋からすればこれでは単価が安いからそういうことは口にできないでしょうなあ。

低域端がこれですから上は20kHzまで伸びれば十分でしょう。

 

そう考えるとDレンジを潰して、マキシマイザー様様になるレコード会社の言い分もわからなくもない。音色は多様性を失い単調ですが。

これに左右の壁面の反射の違いを吸収するためにイコライザをかければ定位もきれいに出てきそうだ。低域端を切っているから補正幅も小さく済むでしょう。綺麗で端正だが、薄い感じは否めない。しかし、バランスは良いでしょう。

小型スピーカーを十分に壁から離し、それに見合った駆動系を準備する。

これって、昔のブリティッシュオーディオのスタイルなんですよね。

日本で最も売れないスタイル。

ハードに関してはアメリカの影響がわが国では多いですからね。

 

セッティング自体が面倒だ、もっと簡略しないとポン置きにならないのではという向きもある。

ここまで部屋の影響を受けにくくすると壁から離して軽いイコライザで十分だと思うが、それすら面倒だというのなら、思い切ってモノラルにするという手もある。

2本のスピーカーを空間合成するというステレオのフォーマットがスピーカーセッティングを難しくしている根源なので、すべてモノラル化して聴けばよい。広がり感はないですが。

ポータブルスピーカーで聞く人はほとんどモノラルでしょう。

そこまでしてオーディオをする意味があるのかといえば、そうであって迎合しすぎているかもしれない。

 

ただ、ヘッドフォンはセッティングフリーなのですよね。