ホール音響のことを一般的にPAと指す。

PAをPublic Address、SRをSound Reinforcementであって、という話は検索すればいくらでも出てくる。

まあ、その話からすればライブ音響はSRなのでしょう。

 

ストレートに言えば日本のオーディオを悪くした諸悪の根源が、PA感覚なのでしょう。自宅の環境を無視して映画館やジャズ喫茶の音を理想とする思想ですね。

構造的に大空間で鳴らすように作られたスピーカーを一般住宅に入れて悪戦苦闘するモデルをロールモデルとした関係者の罪は極めて重い。無駄な使いこなしや買い替えを作り出してビジネスにしたように思います。

 

大体、PAは2ch再生ではない。電気楽器は楽器自体が発音するアコースティック楽器とは異なり、拡声にどうしてもスピーカーを使う必要があり、楽器拡声用スピーカーの集合体がPAであって、定位は音響的に考慮する必要が無い。アーチストがステージにいるのだから、アーチスト自体が定位なわけです。

ライブを完遂するために、電気的拡声が必要な電気楽器の存在、大空間に音を満たすための拡声の必要性からPAが存在しているのであって、2chでエンコードされたパッケージソフトを再生する家庭用オーディオとは異なる道具なわけです。

この部分を無視して、安易なプロ機=優秀的なマーケティングで雑に売り込んだ結果が現在の惨状なわけだ。

 

プロ機=優秀の仕組みがある程度通用するのは2chソフトを扱う領域の機材でしょう。

 

こういう画像を見ていれば室内で細かい調整をしているピュアオーディオと異なる世界なのが良くわかるし、大音量でがなり立てる下品な音響がPAというイメージになるのは仕方がない。実際に当日の風の流れなどの予測に失敗し周辺地域に騒音公害をまき散らしてトラブルになる屋外コンサートの事例も時折ニュースになっている。

 

 

 

 

善悪ではなく道具としての性質が異なるのにもかかわらず、この手の機材をピュアオーディオ領域で最高としたのがおかしいという事だ。