前のブログにも書いたが、ルームチューニングを始めるきっかけはB&Wの802SDを入れたら、部屋の容積の割に低域出力が過大なので、リスニングポイントで逆相感を伴う圧迫感を感じるので、この症状の退治の必要に迫られたからだった。
最終的には定在波パネルをリスニングポイント左右、背面に3枚設置。AVAAをリスニングポイント後方コーナーに2台設置。
さらにTrinnovを用いて鎮圧したのだった。
その後、E1TXにスピーカーを変更し、低域出力が下がるとともに、中高域のキャラクターもおとなしめの機種になったのでシステムの改善が図られたと思う。
さらに、部屋の容積に合わせ、低域出力を下げるべくME1TXに変更したわけだ。
左右の定在波パネルの効果は大きいのだが、広がり感という点では反射の影響があり、マイナスであるとともに、リスニングポイントを徹底的に吸音にしているので、極度にデッドな部屋に入ったときに入ったような、耳がツンとする感触がなくもない。
低域の挙動を抑えるために側面のパネルの位置をスピーカー寄りにしたり、リスニングポイント後方のコーナー寄りにしたり適宜動かしているのだが、そのたびに広がりの変化や、音場が奥に行ったり、前に飛び出したりしていた。側面のパネルの反射の影響である。
この影響を防ぐためにパネルの表面の反射のフィンの影響を避けるためにパネルを反転させて、リスニングポイントに対して裏返したり、吸音材を貼ったりして反射しないようにしていたのだが、影響は皆無とは言えなかった。
それだけではなく、定位にも影響することがあった。
サイドパネルを動かしていないにもかかわらず、側面の定在波パネルを動かすことで定位が左右に寄るのだ。
定在波パネルの位置が二次反射点になるので影響が皆無とは言えないのでしょう。
とはいえ、リスニングポイントの圧迫感根絶のために定在波パネルを入れたので、低域の挙動を安定させることに専念させ、定位についてはサイドパネルとセンターパネルの調整で何とか持っていく方針とした。
これがセンターパネルとサイドパネルの調整がシビアになり苦労することになったのかもしれない。
スピーカーを小さくして低域出力を落としたのだから、この辺りを改めて見直したらどうだろうという考えはあったのだが、リスニングポイント左右の定在波パネルを移動させることが億劫で手を付けていなかった。特に左側のパネルはラックが手前にあるので、システムをばらす必要がある。
とはいってもせっかく3連休なので、こういう時こそ普段やらないことをやるべきであるから、重い腰を上げて手を付けることにした。
左右のパネルを外に出す。
リスニングポイント背面のパネルは残す。AVAAは動作させるが、Trinnovは切っておく。
うーん。音が響きすぎ。音量が上がらない。ボリュームを上げても音圧が出ない感じ。低域も出ない。とにかく散漫で音が遠い。
左右のパネルを撤去しただけでこれだけ違う。無対策だと左に寄るのだが、今回はセンター定位は確保されている。
次に、リスニングポイント背面のパネルを1枚から2枚にする。これは効いた。散漫な感じが改善される。ただ、低域方向はまだボケるのでAVAAの吸音力を3デシベルにする。これは悪くない。Trinnovなしでも行けそうな感じ。
この状態でTrinnovをかけてみる。
これが、AVAAなし、側面定在波パネルなし。背面定在波パネル2枚のTrinnovをかける前の特性。ゴミですね。43Hzで10㏈のピーク。65Hzで10㏈のディップ。100Hz、230Hzで5㏈のディップ。でも結構聞ける。Trinnov挿入して鮮度が落ちる分とチャラになるかどうか。ただ、ちょっと鋭さが気になることがある。
こちらが上記の状態でTrinnovで補正した特性。AVAAはなくとも結構聞ける状態。E1TXの時だとこうはいかなかった。ME1TXで低域出力を落としたからAVAAなしでもどうにかなっている感じだ。65Hzあたりに5㏈弱のデイップがあるが、聴感上違和感はない。
これはパネルは同じ状態でAVAAのみを入れた状態。吸音量は0デシベル。Trinnovは切っている。43Hzは5.2㏈のピークで、AVAAによりピークが抑えられている。65Hzのディップも3㏈改善されている。ただ、AVAAを4本入れたからこうなるのであって、2本では無理。コスパは悪い。
この状態でTrinnovを入れると先ほどの65Hzあたりのディップが2デシベルに改善される。低域の量感も増え、空気感が出てくる。鮮度が多少スポイルされるが空気感が増え、エネルギーバランスは改善されるので、ここをどう受け取るかでしょう。デジタルで入出力させれば改善される部分がありますが、DSDの扱いを考えるとアナログで入出力させる必要があり、この辺りは難しい。
AVAAの吸音力を1.5㏈、3㏈と増していけばピークやディップがよりなだらかになるが、基本的には上記のグラフの通りだ。3㏈まで吸音力を高めると聴感上中低域まで食ってしまい高域が鋭くなる傾向がある。
側面のパネルを撤去し、背面のパネルを2枚にした状態でもそれなりに行けそうな感じなので、しばらくこれで行くことにする。





