「昔からパネルをいじったり、イコライザを使ったり、いろいろしているが、結局あなたは何をしたいのか?」

 

と考える読者がいるでしょう。要するにこういうことだ。

 

スピーカーを側面から見たところだが、赤枠で囲んでいる部分の両側の壁の間(リスニングポイントから見て左右の壁間)は、低域が膨らみやすい部分である。

本当はここを避けてセッティングしたいところだが、これ以上スピーカーをスピーカー背面の壁から距離を離すわけにもいかないので、この部分の膨らみやすい部分をパネルやイコライザー、AVAAでカットしているわけだ。

 

 

 

こちらはリスニングポイントだが、こちらも赤枠で囲んでいる部分の両側の壁の間(リスニングポイント左右の壁)は低域が膨らみやすい部分である。写真ではパネルに隠れている出入口扉そのものも共振している。本当はここを避けてリスニングポイントにしたいところだが、これより前に出るとスピーカーとの距離を稼ぐことができないし、後ろに下がりたくとも、リスニングポイント背面の壁との距離をとることができない。

だから、ここもパネルやイコライザー、AVAAで膨らみやすい部分をカットしているわけだ。

 

ボロ部屋の対策の基本はこれであって、後はソフトによって得手不得手が出ないようにスピーカーセッティングやその他の手法を用いてバランスよく鳴らすことができるようあれこれ試行錯誤しているわけだ。

 

 

これが、Trinnovで補正したグラフになるが、赤線が補正前、緑線が補正後となる。

30Hzから60ヘルツの赤線の盛り上がりが定在波なのでしょう。AVAAを動作させているからピークで5㏈ほどの盛り上がりとなっているものの、AVAAを用いないと10㏈超の盛り上がりとなる。

 

また、赤線を見てもらうとわかるように60ヘルツから100ヘルツ辺りが凹んでいる。

ここはTrinnovで補正して持ち上げている。このバランスでは相対的に痩せた音になる。中高域が目立ちやすい。

サーロジックの定在波パネルを入れているのでその分下がっているという考え方もあるのですが、リスニングポイント周辺の壁が弱く、ボードや出入口扉が中低域で鳴ってしまい、その結果、位相的違和感を感じるので、それを一旦潰す必要があるわけです。

 

200ヘルツにディップがあるが、測定位置でこのディップは移動します。補正幅をもう少し拡大させるとこのディップはもう少しおとなしくなりますが、聴感上は気にならないのでこの程度ならスルーしています。