オーディオなんて発達障害の趣味みたいなところがあって、神経質な人が多いと思う。
私もそうとしか思えない。
いつもいろんなところが気になって落ち着かないという。
ソフトを聴いていても、「もう少し何とかならないかな」というのがいつもある。
「昨日よりも今日、今日よりも明日は必ず音質が向上しなくてはならない」みたいな感じ。
そういうわけで、スピーカーセッティングをやり直すことにした。
ルームチューニングはオーディオの矛盾をある程度解決してくれるものだが、機材の本質、部屋の本質、スピーカーセッティングの本質に相応にメスを入れてくれるのだが、完全に作り変えてくれるわけではない。
改善度の高さは機材の能力を引き出すために障害となる環境の問題を相当のレベルで取り除いてくれるというものだ。
それが場合により、能力が低い機材でも能力が十全に発揮されるために、凡庸な環境にセットされる能力の高い機材より良いパフォーマンスが実現できる事例があるだけの話。
どうやるか。
とりあえず、パネルがある状態でスピーカーセッティングをやり直すことはできない。パネルの影響があり判断の邪魔となる。とはいえ、室内のパネルを全撤去するのも大変だ。
影響の大きい、センター、サイド、バッソを室外に出し、スピーカーセッティングをやり直すことにする。
パネルを出すと部屋の響きがボンついてくる。これはとても分かりやすい。
現在は低域方向で癖がつかないように低域は少し浅めになるようにセッティングをしているが、これをエネルギーバランス重視としてもう少し低域が載る様にしたい。
いろいろ考えて現在より12㎝下げた。内振りの角度もいくつか試したが、現行より紙一枚分くらい内側に振った。
奥行き感が浅いが、フォーカスはある程度確保できている。重心を下げながらなるべくボケないようにした。昔はここまで下げると低域が暴れたのだが、今回はウェイトが少し載るくらいになった。原因はほかにあったようだ。
まあいいでしょう。
運び出したパネルを全て戻してもよいが、ここは一つずつ持ち込み、都度セッティングをして様子を見ることにする。
まずはセンターパネルを戻す。音が締まってくる。センターしかないので音は中央に集まってしまう。これは当然なので、初めに壁につけた状態から始め、音がキンつかないように、空気感が出るように開度と壁からの距離を調整する。
次にサイドパネルを戻す。バッフル面辺りにセットして少しずつ前後させて奥行きと広がりのバランスが取れるように調整する。
ポピュラーでオーソドックスな定位が確保できても、弦楽四重奏ではボケていたりもするので、各カテゴリのソフトを行ったり来たりする。
最後にバッソを戻す。最初にバッフル面から30㎝の位置から前後に動かし様子を見る。今回はスピーカーセッティング自体、前回より低域を出す方向にしているので少しスピーカから離れた感じになった。
再び、各カテゴリのソフトを聞いて、違和感のある点は都度各パネルを調整する。センターとサイドのつながりは何度か調整を行う必要があった。
定位については一定の明瞭さは確保しているが、音色のスムースさやエネルギーバランスとの兼ね合いを重視して、カリカリの定位にはしないようにした。