ネタがないときはソフトの話をしているようだけれども、今回は渡辺貞夫の「マイ・ディア・ライフ」のSACDリマスター盤がタワレコから出てきたので、購入してみた。

 

 

 

この手のシリーズは過去にも、以下のものを購入している。

 

 

 

 

 

ナチュラルなリマスター盤で、オリジナルのテイストをうまく新しいフォーマットに落とし込んだ感じでお勧めできる。

単純なスペック論だけでいえば、オープンテープよりSACDフォーマットのほうがFレンジ、Dレンジ共に大きいので、理屈だけでいえば、情報をそのまま落とし込むことが出来るはずである。

実際にはそうならないことがほとんどなのだが、たまに良いものがある。

リマスター作業者の解釈がハイファイオーディオとミスマッチだったり、自室のシステムがへぼで生かしきれないこともあるだろうし、テープの劣化が進行し、プロでもお化粧に限界があったりいろいろあるだろう。

私が購入した感じではタワレコのリマスターはジャズ、フュージョン系のほうが音質面ではよい感じがある。

クラシック系はテープの劣化がひどく、もう修正だけで手いっぱいなのではないかという感じがする。ポピュラー系のほうが修正が楽なだけかも。

 

で、今回取り上げるディスクの話をする。

私は80年代にオーディオを始めたので、今も、フュージョンがソースになっている。今となっては絶滅したような音楽だが、オーディオ的に鳴らしやすいというところで聞き始めただけのことだ。

時代背景からこのソフトもオリジナルはアナログ盤なのだが、アナログ盤と当時の装置、今のリマスター盤と今の装置の比較などまったく意味を持たないが、あの頃、このようには絶対に聞こえなかったというだけだ。

マスタリング上多少整えたところはあるのだろうが、今の録音と比較しても何も遜色がない情報量である。バランスは正統的なピラミッドバランス。

当時はこんな明瞭に聞こえず、甘くボンボンとした感じだったのは当時のシステムがへぼだったからで、レコードをしょぼいシステムで聞けばそうなるのは当然。

40年後、これだけの音が入っていたのだなと驚くばかり。

録音はタイムマシンだなと思う。

 

ただ、渡辺貞夫というとビクター盤よりその後のワーナー盤辺りから主に聞き始めたので、ワーナー盤の方をリマスターして欲しい。当時のワーナーというか、ワーナーパイオニアのフュージョン盤は上下強調型の調整がされているものが多く、輸入盤を買い直したことがあるからだ。この辺りをフラットにして入れ物の大きな現在のフォーマットにうまく落とし込んでくれたらなあと思った。

録音がパーなら何をやってもダメだし、音源こそオーディオだ。