「陰陽師」=平将門の乱に翻弄された房総三国 | 山からのメッセージブログ

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昨夜の夢枕獏原作「陰陽師」はご覧になりましたか?
陰陽師役の佐々木蔵之介さんがカッコイイスター
なぜか平将門に同情しきりの市原隼人さんも良かったですよね。
陰陽師は平将門の乱に端を発するもので、おどろおどろしい部分も。
こわい~と言いつつも、目が離せませんでした。

ところで、平将門の乱の後、下総・上総・安房の三国がひどいことになったのは御存じですか?
940年に平将門の乱がおきますが、この時叔父である上総介良兼が

上総国一円の勢力をあげて助太刀に行きます。
もちろん、下総・上総・安房三国は挙兵に駆り出されます。
その後、平忠常の乱につながっていきますが、忠常は下総に居を構えていた元上総介。
というわけで、またまた戦乱に巻き込まれた下総・上総・安房三国。
戦となれば兵糧に玄米などは召し上げられますし、
働き手である農民は否応なしに兵として働くことを強要されます。
主戦場となれば田畑であれ踏み荒らされ、荒れていきます。
兵が全員生還できるわけもなく、房総三国ではほとんど亡国のありさま
その状態が5年間続き、上総国では本田2298町歩がわずか18町歩にまで。
1000分の1以下になった田んぼで収穫する玄米は微々たるもの。
生き残った農民も苦しい生活に耐えきれず逃げだす人も数知れず・・・
1034年にようやく1200町歩まで回復し、諸国逃散していた農民も帰国を始めます。
2298町歩が18町歩になり、1200町歩という以前の半分に戻るまで100年
これもひとつの大災害ですよね。

とはいえ、千葉県と平将門の縁は深いもので、成田山新勝寺は
平将門を調伏するため不動護摩の儀式を行ったのが開闢起源ですし、
将門とその家来の子孫は、1070年以上たった今でも成田山新勝寺へは参詣しないとか。
歴史の変遷に翻弄されるのは普通の人々なのですが、
ダメになった田んぼをもとに戻すのも普通の農民なのですね。
それでなくても88の手間がかかるから「米」と書くほど手のかかるお米。
大切に感謝をもって食べ、農家さんを応援していかなければなりませんね。

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