玄関先にあるプランターにパセリが大量に茂っている。枯れてしまうのはもったいないので何か大量に消費する料理を考える。記憶の片隅に、以前読んだ本でパセリを題材にしたエッセイを思い出した。作者の名前をわすれてしまっており、題材はパセリ餃子と思い込んでいたことから、ネットでレシピを調べようと幾ら検索しても作家と結びついた記事はヒットしなかった。何でもかんでもネットでさらされてしまうと書籍が売れないから、出版社や作者側で規制しているのかもしれないと考える。最後の手段として生成AIにて、あいまい検索すると求めている作者のレシピが出てきた。題材はパセリカレーだった、自分の記憶はいい加減なものだと改めてきずく。そして、レシピよりも生成AIに関心する。

 調味料やパセリはあるのだが、ミンチを常備していないので買い物に行く必要がある。けれど出かける気力が沸いてこない。週末のスーパーは、前を見ていない大衆で込み合っているからなのだと思う。不満を空想するけれど、他人から見た私もまた前をみていないのだろうから、お互い様である。対面で商売している精肉店まで足を延ばせばその問題は解決するが、貪欲な私はミンチだけでは済まないだろう。財布の中身を考えると億劫になる、近所にないことも理由の一つだ。この調子で、出かけられないままパセリは枯れてゆくのだと悲観してしまう。私の残念な性格はミンチを買いにいったとしたら、次にパセリカレーを作る気力がなくなってしまうだろう。創作料理ができる人になることが私のフードロスにつながるのだろうと思う。今持っているものだけで何かを作れる人は素晴らしいと思う。