UKA檀が帰ってきた。人の自転車売って、にげまわっとるくせに。この頃来なかったなと聞いたら、別のところを周っていた、と惚けた。
トマトはもう収穫だな、カボチャはいつ出来る。秋だな。
虎が、にゃーと大きな声で餌を強請る。
鍵が無い。駕籠、サイドボードの上、机、全部探したがやっぱり無い。きっと下に刺さっているのだろうと、自転車を見に行くと、無い。
無いということは、部屋の中にあるはずだ。
糞暑い中を、溜まった本の間、紙類の中、塵も書き分け、シーツの中に挟まって、間違えて外に飛んで行ったのか、無い。無い分けないのが無い。呆けて来たか、若年性痴呆か。勿論鞄の中も探る。
何だコリャ、黄色い丸のスポイトのようなもの、アーそうそう、拾った、シャボン玉を作るものだ。そういえば、これをもう一つ拾った、それはビニールの袋に入っていた。それが無いな。もう一度外に出てみると、それらしきものが、ドアの前においてある。昨日帰ったとき荷物が多くて、ドアを開ける前に置いたのだ。それを取って見ると、有りました、別の使わない鍵と一緒に、鍵。
ちょっと置いた記憶は、すぐ消えてしまう。古い記憶の方が強いから、いつも置くところしか思い出せない。
外でクネクネしていた虎は、何やっとるという顔をして寝転びながら見上げた。
ムゴ、ねじれた口を開けた、おばばは本当のおばばになった。
爺は、汗が出なくなった、朝胸が痛い、寝られない、とか言っているが、後10年は生きるよ、何処も悪くない。
虎は夜になってやっと帰ってきて、水ばっかり飲んだ。親分の所で、辛い物食ってきたんだろう。そして、パソコンのあった机の場所に眠る。
梅さんのところへ、洗剤持っていく。梅さんのところの黒が死んで、1年になる。2,3ヶ月に一回、餌を持ってきてくれる。猫殺し女、嫌っていた優か団、二人ともいなくなった。その隣に住む、親分の猫は、22年生きて死んだ。この間、餌を買いに行ったら、親分が買っていたので、どこの猫に遣るのと聴いたら、虎子にやるといっていた、と梅さんは話した。
帰ると親分が出てきて、梅さんと同じことを言った。猫反対派は去り、虎の天下が始まった。
父親殺しの話だ。いかにして父親を殺すか、乗り越えるかが、子供にとって自立できるかの鍵だ。
良い父なら、乗り越える必要はないと言うかもしれない。しかし、良いということは大したことが無いということである。父は乗り越える存在でなくては駄目だ。余り偉大すぎて、乗り越えられず、おかしくなる子供もいる。
経済的にも、体力的にも、精神的にも、完全に乗り越えて、本当のひとり立ちだ。
糞あつ、ウへへへ屁と、虎は言った。
ウ歩へへへ屁へとまさみも応える。
憂歌団の花壇のトマト喰った。意外と美味い。コンビーフ開けると、虎はうへ屁へ屁へ。遣らないよ、乾燥餌食いなさい。うへへへへへへ。
シュシュピンク拾って、虎にはめる。
麻里子に見えた。うへへへへへ。
何故男が高収入じゃなきゃいけないのか分からない。自分だけ楽しようと思っているからだろう。
一緒に働いて、家庭を築けばいいじゃないか。
収入以外で良い所を見つけられないバカ女が多いんだろう。
金にしか価値を見出せないものは愚か者だ。


